格闘ゲームは非常に早いテンポでの駆け引きを要求される、いわば〝高速じゃんけん〟だ。その攻防の背景が少しでも理解できておけば、駆け引きの裏側にある〝拳の会話〟を感じ取れるはずだ。
Red Bull ボンちゃん
雀荘店員時代、偶然同僚だったウメハラ氏の影響で本格的に格闘ゲームを始める。2015年9月よりレッドブルプレイヤーとして活動を開始。ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2021ではチーム「V6プラス FAV Rohto Z!」として出場して優勝した。
リスクリターンの把握が読み合いのカギ
格闘ゲームの魅力は、やっぱりわかりやすさにあると思います。体力ゲージがあるので、勝敗はもちろん、今、どちらが優勢なのかも常に可視化されています。状況が理解しやすいゲームデザインになっているのが格闘ゲームの強みだと思います。
『ストリートファイター』は、格闘ゲームの中でも攻守のやり取りが見ていてわかりやすいほうでしょう。1回どちらかが優勢になっても、そのまま試合が決まることは少なく、攻防が何度も入れ替わる。相手の行動を読んだり、相手の誤った行動を誘ったりする駆け引きが重要です。
例えばライン管理(詳細は下図)を例に挙げてみます。『ストリートファイター』ではレバーを後ろに倒さないとガードできません。しかし、ラインを上げるにはレバーを前に倒し、ガードを捨てて前に出る必要があります。そのためには、相手が前に出てこない瞬間を読んで、自らラインを上げる時間を作っていくのが重要です。
前に出る行動はいくつかありますが、代表的なのは歩きとダッシュです。このふたつの行動を野球で例えてみると、〝歩きはバント、ダッシュはホームラン〟でしょうか。バントはボールにバットを当てやすいけど、ほとんど転がりません。一方ホームランは難しいけど、当たれば一発逆転を狙えます。ゆっくり動くけど隙の少ない歩きと、距離は稼げるけど隙の大きいダッシュはこの関係性に似ています。こうした〝リスクとリターンの駆け引き〟を意識してみると、選手がいつ勝負に出たかがわかるので、より観戦がおもしろくなると思います。
自分が得意とするのは「守って守ってしのぎ切って勝つ」というスタイル。今使っているキャラクターも、このコンセプトに合致していると感じています。
ただ、昨今の格闘ゲームの難しい点が、定期的なソフトウェアのアップデートの際に、バグ修正以外にもキャラ性能に調整が入ることです。技の威力や出る速さなどが変わった結果、手になじんだキャラクターが突然弱くなるとかなりつらい。会社でいう部署異動に近いのでしょうか、培ったスキルが役立たなくなってしまいます。勝ちまくっていたプロが突然勝てなくなる、もしくはその逆もこの世界では起きうるのです。
今の国内プロ環境は、4人チームのリーグ戦『ストリートファイターリーグ:Pro-JP』が中心となっています。チーム戦は、負けた時の責任が自分ひとりで背負えないのが難しいですね。でもその分、個人戦以上にがんばろうと思えるし、視聴者にとっても見応えのある勝負なのではないでしょうか。今期は9月6日から開始しています、是非応援してください!
格闘ゲームの大会観戦をより楽しむコツ!〝ライン〟の攻防を楽しむべし
格闘ゲームの読み合いを語るうえで欠かせないのが〝ライン〟という概念だ。相手と自分の中間地点を基準とした際の、おのおのの横方向における陣地の長さを指している。ラインを上げることで自分の陣地が広くなり、相手を揺さぶったり、相手の攻撃を避けたりする引き行動がより自由に使える。さらに相手を追いやり壁際まで運ぶと、よりダメージの高いコンボが狙える。いかに相手のラインを奪っていくかの攻防戦に注目だ。
●ニュートラルな状態
●〝ラインがある〟状態
ラインを上げるメリット
●ダメージの高いコンボを狙える
●自分のできる行動が増え、相手のできる行動が減る
取材・文/桑元康平
©CAPCOM CO., LTD.
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