外貨預金は低リスクで、それなりの効果が期待できる資産運用方法だ。外貨預金に興味のある人は「投資」ほどのリスクは好まず、「預金」ほど自分の資産に無関心ではないに違いない。そこでこのページでは外貨預金内ででき、さらなるリスク分散となる方法として「第2の外貨」について解説していきたい。
米ドル以外もあればさらにリスク分散になる
米ドルは世界で最も流通量の多い通貨である。BIS(国際決済銀行)が3年に1度発表している調査によると、世界の為替取引における通貨の比率は米ドルが44.2%、ユーロが16.2%、日本円が8.4%と続く(2019年版)。
「流通量が多いということはそれだけ世界中が注目している通貨でもあります。日本に住んでいても米ドルやアメリカの金融政策のニュースは簡単に手に入り、米ドル自体の換金性も高い。このような理由から、まず外貨預金を始めるなら米ドルがいいでしょう」(ソニーフィナンシャルグループ・石川さん)
ユーロやポンド、ましてや人民元などは外貨預金の選択肢として考えなくてもいいのだろうか。
「そうではありません。リスク分散の観点から日本円以外の通貨を持つのであれば、米ドルの〝もしも〟に備えてほかの外貨を持つことの意味があります」
石川さんの話をもとに、米ドル以外の主要外貨の特徴を下の表にまとめた。リスク分散だけでなく、自身にとって身近な通貨を選ぶのがよいだろう。
なぜ、豪ドルは中国経済と連動するのか?
中国国内に支社や工場などがあるため、米ドルよりも人民元のほうがなじみ深いという人もいるかもしれない。しかし、その場合でも、人民元は外貨預金の候補から外したほうがよいだろう。代わりとなるのが、オーストラリア・ドル(豪ドル)だ。
オーストラリアの輸出総額4361億豪ドルのうち36.4%、輸入総額3608億豪ドルのうち23.9%が中国を相手にした貿易であり、輸出入ともに貿易相手国としては中国がトップとなっている(2020年外務貿易省統計より)。
このようなデータを見てもわかるとおり、オーストラリアの経済が中国の景気に大きな影響を受けるのは明白である。人民元がまだまだリスクのある通貨であることをふまえれば、先進国通貨で信頼性のある豪ドルのほうがいいだろう。
豪ドルは世界第5位の取引量を誇る。それだけでなく、鉄鉱石や石炭、天然ガスといった資源が輸出品の半分以上を占めるなど最大級の資源国の通貨と言った側面もある。
こうした背景から、外貨のプロたちは中国経済に関心があるなら人民元より豪ドルを選ぶというわけだ。
豪ドル建て資産としてオーストラリア株もおもしろい。オーストラリア株は日本株やアメリカ株と比べて、配当利回りが高いので、長期投資に興味がある人に向いている。
人民元は取引量が年々増加しており、注目している投資家も多い。また人民元の外貨預金を取り扱っている銀行も珍しくないので、やろうと思えば十分可能である。
取材・文/峯 亮佑
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