ナビタイムジャパンの交通データ事業はこのほど、「西九州新幹線」開業に伴う効果分析の速報値を発表した。
「西九州新幹線」は、九州新幹線西九州ルート(福岡市・長崎市間)のうち、9月23日に開業した武雄温泉・長崎間の路線名称だ。
本分析には、ナビタイムジャパンが提供する経路検索サービスである「NAVITIME」と「乗換NAVITIME」アプリから同意を得て取得した経路検索条件データ(検索履歴データ)を用いている。
分析内容は、「出発駅を博多駅として経路検索した際の『目的駅』の比較」と「九州各県を目的地とした交通手段別の検索数の変化」。
調査対象は、開業後の1か月間(2022年9月23日(金)~10月22日(土))および2019年の同期間(2019年9月27日(金)~10月26日(土))を移動日に指定した経路検索。なお、2022年は2022年9月1日(木)~9月13日(火)に、2019年は2019年9月5日(木)~9月17日(火)に未来の移動日を指定して経路検索されたデータを用いている。
西九州新幹線の停車駅である長崎駅・武雄温泉駅のほか、長崎県内の鉄道駅の検索数も増加傾向
博多駅を出発駅とした際の「目的駅」の検索結果を集計した。
2022年の検索数との比較では、2019年の目的地の指定で最も多かった新大阪は2019年比1.0倍と新型コロナ感染症拡大前と同程度の検索数であったのに対し、西九州新幹線の起終点駅である「長崎駅」は約4.5倍、「武雄温泉駅」は約4倍検索が増加している。
また、西九州新幹線の停車駅ではないものの、「ハウステンボス駅」や「佐世保駅」など長崎県内の鉄道駅の検索も約1.5倍増加している。
以上の結果から、西九州新幹線の開業により沿線エリアはもちろん、長崎県内他エリアへの来訪も予測され、経済波及効果も期待される。
九州各県を目的地とした検索は「公共交通」が軒並み増加傾向
九州各県を目的地とした交通手段別の検索数増加率を比較すると、各県とも「公共交通」による検索が増加していることがわかる。こちらも移動制限が解除された影響もあるが、西九州新幹線の沿線である長崎県では約2倍増加している。以上の結果から、西九州新幹線の開業により沿線エリアへの来訪時に新幹線を含む公共交通をメインとした移動需要が多く見込まれることが示唆される。
出典元:株式会社ナビタイムジャパン
構成/こじへい