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完売→再販を繰り返す大人気マスク「MASCODE」が仕掛ける売れ続けるための秘策と戦略

2022.10.07

コロナ禍初期のマスク不足が嘘のように、現在は市場にあふれている「マスク」。それにも関わらず「手に入りにくい」と人気を集めている商品が、サン・スマイルの自社オリジナル商品「MASCODE」だ。発売以来生産が追いつかないほどの売れ行きとなり、2022年9月には生産体制を強化。なぜほかのマスクではなく、MASCODEなのか――その理由を探った。

面白い商品を、世の中に。MASCODEを生み出した企業「サン・スマイル」とは

 サン・スマイルの自社オリジナル商品「Pure Smile」。

サン・スマイルはコスメや雑貨の卸事業と自社オリジナル商品の販売を行う企業。1997年の創業時は並行輸入業からスタートし、自社オリジナル商品の開発を開始したのは2009年頃の韓国ブームがきっかけだ。当時の代表が韓国旅行のお土産に皆がスキンケアをするフェイス用マスクを購入していたことにヒントを得て、100円で発売した「Pure Smile」が大ヒットしている。

 サン・スマイル マーケティング事業部の市来理恵さん。

「当時はフェイス用のシートマスクはエステなど特別な時に使うもの。今でこそ、プチプラのシートマスクは多く登場していますが、約10年前は画期的だったと思います」と話すのは、マーケティング事業部の市来理恵さん。それ以来いち早く情報をキャッチし、「面白いものを販売したい」という想いを軸に自社オリジナル商品の開発を進めている。

MASCODEは2020年11月にデビューしたマスクブランド。「マスクに、ドレスコードを。」というコンセプトのもと、ファッション性と機能性を両立させるマスクを自社ECやバラエティショップなどで販売開始したところ、SNSで瞬く間に広まった。デザインや品質の高さに定評があり、MASCODEを販売しているロフトの広報室 高橋祐衣さんは「入荷してもすぐに売り切れる状況でした」と話す。

高橋さん「20代~30代の若い女性を中心に支持されています。マスク本体と紐の色が違うバイカラーをいち早く取り入れた先駆け的存在で、ブランドとして認知されており、指名買いでいらっしゃる方が多いです。カラーバリエーションが豊富、肌の色味のタイプ別に似合うカラーを選べる、耳が痛くなりにくい、マスク内の色がベージュのためファンデーションがついても目立ちにくい。そういった声が届いています」

■前事業のノウハウを活かし、MASCODEの開発に踏み切る

2015年に発売したMASCODEの前身となるブランド「Maskiss」。

実はサン・スマイルがオリジナルマスクを販売したのは初めてではない。2015年にファッションマスクとして「面白い」「楽しい」を提供するマスクブランド「Maskiss」を展開していた。
 
市来さん「ほかとは違う、個性を表現したい方に向けた柄マスクを販売していました。カモフラ、ペイズリー、ヒョウ柄など約100種類から選べることが特徴で、一部の方からは熱い支持をいただいていましたが、生産中止に。そのような中で突然、新型コロナウイルスの感染が広がっていき、みなさんご存知のように白い感染防止用マスクが不足。その時白いマスクを開発するということも頭によぎりましたが、弊社らしくないということで白いマスクを企画することはありませんでした」

そして2020年5月頃、マスク生活が余儀なくされるマイナスの状況の中で、逆に“楽しむ”ことを提供できるのがサン・スマイルなのでは、という考えのもとMASCODEの企画がスタート。そしてMaskissのノウハウを活かしながら当時のトレンドに合わせた商品を開発し、2020年11月に、マスクと紐をバイカラーで楽しめるプリーツタイプのマスクを販売した。

また、当時3Dのウレタンマスクが人気だったこともあり、プリーツタイプのマスクの開発と同時に不織布の3Dマスクの開発にも着手。しかし不織布の3Dマスクは前例がほぼなく、発売までに1年超の時間を要したと市来さんは語る。

市来さん「3Dマスク開発にあたって、社内会議でマスクへの不満をリスト化しました。開発メンバーは女性が多く、つけていて息苦しく不快、ファンデーションがつくのが嫌、可愛くみせたいといった数々の意見があげられ、それらを1年以上かけて解決し、発売したのがMASCODEの3Dマスクです。品質へのこだわりは譲れません」

ほかとは別格のマスクブランドに成長。価値を高める販売戦略

ファッション性の高いヴィジュアル。

2021年9月に発売した3DマスクはMサイズが5カラー、Lサイズが3カラー。顔の大きさに合わせて選ぶことができ、Lサイズはブラック、グレー、カモフラと落ち着いた色味で男性からも注目を集めた。中でもMサイズの「モカブラウン」は爆発的な人気で、どこで購入できるのか社員も不明なほどの「幻のマスク」に。ヴィジュアルも「マスクの広告」とは思えないほどファッション性が高く、価値のあるブランドとしての地位を確立した。

また、バラエティショップに注力して販売したことも、MASCODEのブランド化に成功した要因だ。

市来さん「MASCODEがデビューした時、面白い商品と賛同いただいた、ロフトやプラザなどのバラエティショップを中心に置いていただきました。ドラッグストアは安く、良いものが欲しいという行動心理が働きますが、バラエティショップは、安さよりも面白いものを求めて購入されるお客様が多い傾向にあるため、弊社の商品にフィットしました」

要が高いのであれば、売り切れる前に「生産ラインを増やせば良いのではないか」と思うが、そこにもサン・スマイルのこだわりが宿る。

市来さん「ただ生産ラインを増やすことはすぐに可能です。しかし、同じ品質を担保できるかというと難しいのです。MASCODEの工場は中国にあり、コロナの影響を受けにくくなった約半年前から、代理人を通じて機械の設置や現地の工員の教育に着手し、やっと2022年9月に生産能力をあげることができました。品質管理は大切にしているからこそ壁も多く、現在も毎日のように製造担当が調整を続けています」

今季新作の「モカブラウン(1袋7枚入り 550円 税込)」。ブラック紐は自社EC限定。

MASCODEの思い切った戦略の一つが、人気商品の販売中止。2021年9月に発売し人気が継続していたMサイズの「モカブラウン」を、2022年の春に販売するのを止めたのだ。

市来さん「MASCODEはマスクをファッションとして楽しんでいただくことが目的。そのため、春夏秋冬のトレンドを提供することに重きを置いています。モカブラウンは販売中止時も売り上げを伸ばしていましたが、春らしいカラーではありません。そのため、春には販売せず、2022年9月20日に紐のカラーをボルドーにしたモカブラウンをバラエティショップ等で販売開始。自社ECではほかの紐のカラーも購入できるようにしています」

2022年9月20日に全国販売開始した新作は、生産能力の向上もあってさらに好調な売れ行き。2020年9月と比べて、約10倍もの売り上げになっているという。MASCODEを販売するロフトも、その好調ぶりを実感している。

高橋さん「MASCODEの3Dマスクの新作はロフト先行で8月末より販売し、1カ月間でロフト全店合計約8万6千個も売れています。ロフトで一番人気色のグレージュに関しては、渋谷ロフトで一般的な白いマスクに比べて約10倍も売り上げる週がありました」

ついにマスク生活にも終わりが見えてきた今。MASCODEが目指すのは、必要だからつけるのではなく、ファッションとしてのマスク。

市来さん「私たちは当初から、マスクを外した時代を念頭においています。弊社の3Dマスク販売開始後、より安い価格の類似商品が多く販売されましたが、低価格は大量生産・大量消費が必要です。マスク需要が減る次の時代に、生き残る商品は少ないと考えています。

また、『類似商品もあるけれど、やっぱりMASCODEだよね』とお客様に言っていただけていることが、何よりの喜びです。コロナが理由ではなくマスクをつけたい時に、MASCODEを選んでいただける努力を行い、ファッションとしてみなさんに楽しんでもらえたら嬉しいです。これからも、みなさんが出かける場面、会う方を想像してマスクにドレスコードを取り入れる。そういった楽しさを広げていきたいと思います」

MASCODEが売れている理由――それは、商品への強いこだわり。品質への自信があるからこそ、別格のマスクブランドとしての価値向上に成功している。世の中に無い面白いものを生み出してきたサン・スマイルが、次の時代にどのような新しい商品を提案するのか、今後も期待したい。

・MASCODE
https://sunsmarche.jp/collections/mascode

取材・文/小浜みゆ


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