今年の夏は猛暑が長く続いたこともあり、いつもよりも紫外線を浴びる機会が増えたのではないだろうか。頭皮や髪も、紫外線ダメージを受けるといわれているため、通常よりもダメージを受けている可能性が高いと考えられる。夏に浴びた紫外線による日焼けや、蒸れなどによる頭皮ダメージは、放っておくと抜け毛・薄毛などのトラブルになるといわれている。
そこで頭皮ダメージリスクと頭皮ケア方法について、薄毛・AGA治療のDクリニック新宿院長 小山太郎氏にインタビューを行った。
抜け毛・薄毛は紫外線による頭皮ダメージに関係している?
【取材協力】
Dクリニック新宿院長 小山太郎氏
2001年慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学形成外科を経て2009年にDクリニック東京(旧 城西クリニック)に入職。以来、AGA(薄毛)の診療実績を積み上げてきた。診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、常に最新の知見に基づいた診療を心がけている。2021年よりDクリニック新宿院長に就任、日本臨床毛髪学会評議員、日本メンズヘルス医学会幹事なども務めている。
Dクリニック新宿:https://www.dclinic-shinjuku.or.jp/
――抜け毛や薄毛などのリスクは、紫外線による頭皮ダメージに関係しているものですか?
「抜け毛、薄毛のリスクの一つとして、紫外線による頭皮ダメージが挙げられます。紫外線による頭皮ダメージは2つあります。一つは、激しい太陽光、紫外線により、頭皮に熱傷が起こるパターンです。これを体の日焼けに例えると、皮がむけたり、水ぶくれになる状態です。もう一つは、長く遺伝子に損傷を与えるパターンです。体に例えると皮膚ガンになるケースです。
前者では夏に紫外線を浴びて秋に抜け毛が増える可能性があります。後者は、薄毛のリスクとなるのかは現時点では不明ですが、白髪の原因の一つになりうるとの論文はあります」
――夏場、紫外線を浴びてしまった頭皮をケアする方法をお教えください。
「頭皮の負担を減らすために、洗髪は爪を立てず、指の腹や手のひらで優しく行ってください。泡立ちのよいシャンプーをおすすめします。スカルプケアを謳ったシャンプーやコンディショナーで洗髪するのが好ましいです。スカルプケアのコンディショナーは保湿など頭皮のバリア機能を高める機能を備えているものがあります」
頭皮の蒸れにも注意!日頃のケア方法は?
抜け毛や薄毛リスクが高まる頭皮ダメージは、紫外線だけが原因ではない。小山氏は、頭皮の蒸れが原因で薄毛になるケースがあるという。
「皮膚常在菌の繁殖により、脂漏性皮膚炎など頭皮に炎症が発生することがあります。皮膚炎が悪化すると脱毛につながります。また皮膚炎が軽度でも掻痒感(かゆみ)で頭皮をかいていると毛が抜けます」
●日頃の頭皮ケアの方法
抜け毛や薄毛予防のための、日頃の頭皮ケアの方法を聞いた。
「一日一回の洗髪を行いましょう。可能であればスカルプケア用のシャンプーを使用してください。お風呂では、頭皮の血流を高めるマッサージを行うとよいでしょう。ワックスなどのスタイリング剤を使用する際には、頭皮に負担の少ない商品を選ぶのをおすすめします」
頭皮ケアアイテムのトレンド
スカルプシャンプーなどの頭皮ケアアイテムは、薄毛などを予防するのに役立つアイテムだ。頭皮ケアアイテムと言っても、現在は多様化している。自分自身に合ったものを見つけよう。筆者がリサーチしたアイテムを紹介する。(※医師が推奨するものではありません)
「スカルプD メディカルミノキ5」[第1類医薬品] 60mL 7,800円(税込)
アンファーの「スカルプD」はDクリニックのドクターが監修するシリーズ。「健康な頭皮環境が、健康な髪を育てる」をコンセプトとし、髪質で選ぶのではなく、頭皮で選べるようにシャンプーを開発している。
壮年性脱毛症における発毛、育毛及び抜け毛の進行予防ができる発毛剤の「スカルプD メディカルミノキ5」[第1類医薬品]のほか、シャンプー・コンディショナー、オーガニックシャンプーとさまざまなラインアップがある。注目なのが、メンズパーソナルシャンプー「Personal SCALP D」だ。一人一人異なる髪質・頭皮・趣味嗜好に合わせたシャンプー・パックコンディショナーを、専門家が提案する。
「3Dボリュームアップ シャンプー EX [超立毛] 」460mL 1,650円(税込)
ネイチャーラボの「MARO」ブランドには、髪をボリュームアップしながら、健やかな地肌に導くシャンプーがある。シャンプーに配合された美容成分が、まるでスタイリング剤のような働きをし、特徴的な使用感を実現。洗い流すときに泡の中から、スタイリング/ヘアボリューム成分が髪全体を薄いヴェールで包み込み、根元から立ち上がる髪へ導く。
また3種の補修成分が加齢やダメージの影響で弱く細くなった毛髪の擬似的な軸となり、内側まで髪を強く支える。
頭皮ケアアイテムは、スカルプケアのできるシャンプーから育毛剤、髪のボリュームに配慮したものなど、多様化している。自身にとって最適なものを見つけてほしい。
今年の夏を振り返ってみて、外回りやゴルフ、レジャー、旅行などで紫外線を頭皮にたっぷり浴びた記憶がある人は、ぜひ頭皮ケアを意識して将来のトラブルを防ごう。
取材・文/石原亜香利