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ラスベガス市は米国で最も広範なプライベートネットワークを展開することに
NTTはこのほど、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで実施されたMobile World Congress Las Vegas 2022(以下、MWC Las Vegas)の開催に合わせ、ラスベガス市向けのローカル5Gネットワーク構築に向けた提携について発表した。このプロジェクトにより、ラスベガス市は、米国で最も広範なプライベートネットワークを展開することになる。
本ネットワーク構築の目的は、地元企業、政府/教育機関が利用できるオープンプラットフォームとして機能し、ラスベガス市の市民や訪問者の生活をより豊かにする革新的なソリューションを提供すること。
NTTはラスベガス市全体のネットワークアクセスポイント(AP)の数を2倍以上に増やすため、パートナーと協力している。ビル内または産業用の市民ブロードバンド無線サービス(Citizens Broadband Radio Spectrum、CBRS)展開とは異なり、このネットワークは公共スペース全体に構築される。
また、第三者のAPとエンドユーザーのデバイスに開放されるネットワークとしては、米国では初となる。これにより、ラスベガス市は、市民や市内の組織のテクノロジーのハブとなることができる。
NTTのNew Ventures and Innovation部門のGroup EVPであるShahid Ahmed氏は、「ラスベガス市のネットワークはイノベーションを推進し、世界中の都市やビジネスのモデルとなるでしょう。実装されれば、米国で最大のオープンな自治体ネットワークCBRS展開となります。NTTのカスタマイズされたサービスにより、地方組織は独自のデバイスを使用して、ネットワーク上でアプリケーションを開発できます。居住者と訪問者は、市の至る場所で、より高品質な接続性と安全性、セキュリティを確保した上で、医療やその他の重要なサービスへのアクセスが可能となります。」と述べている。
このネットワークを通じて、既存および新しいアプリケーションのさまざまな要件に適合させるために、フルスタック、エッジ、またはスマートソリューション向けにネットワークサービスのカスタマイズが可能となる。当面のユースケースには以下のようなものが含まれる。
・教育/クラーク郡学区の学生向けに改善されたリモート学習接続とアプリケーション
・安全/警察向けの公園、イベント会場、交通渋滞地域、およびその他の都市の場所で、動作検知カメラを含むインテリジェントな監視システム
・健康管理/遠隔医療などのより多くのサービスにアクセスが可能となるより高品質な接続性
ラスベガス市やその関係者、産業界は、超低遅延、高い信頼性、大容量、シームレスなセキュリティ、柔軟な管理など、ローカル5Gネットワークの能力から恩恵を受けることが期待されている。
ユースケースが増えるにつれ、ネットワークの維持、拡張、および強化をしながら、ネットワークが都市の収益を改善できる収益創出のフレームワークになる。このネットワークモデル、およびラスベガス市で開始された新しいサービスとアプリケーションは、米国中の都市で展開や販売ができる。
ラスベガス市のChief Innovation OfficerであるMichael Sherwood氏は、「私たちの目標は常に、教育、労働力開発、安全を強化することにより、ラスベガス市を居住者と訪問者にとって可能な限り最高のコミュニティにすることです。これを達成するには、ワイヤレス機能と都市全体の接続を拡張する必要がありました。それが、ラスベガス市がNTTとの提携を選択した理由です。NTTは、その幅広い機能により、ラスベガス市が重要なテクノロジーの中心および強力な経済基盤になることを可能にします」と述べている。
複数の関係者やプロジェクトのリーダーとして、NTTはローカル5Gプラットフォームを提供する。このLTE/5GNetwork-as-a-Serviceは、セキュリティ、制御、およびプライバシーを設計によって統合し、企業やその他の顧客がネットワークを柔軟に保護、拡張、およびセグメント化できるようにする。
このプロジェクトでNTTはローカルP5GLANのプロバイダーであるCelonaと提携
このプロジェクトでNTTは、ローカルP5GLANのプロバイダーであるCelonaと提携している。Celonaは、市場をリードするデバイスおよびアプリプロバイダーのオープンエコシステムの主要業績評価指標を追跡できるソフトウェア定義の運用モデルで貢献している。Celonaの創設者兼CEOであるRajeev Shah氏は、「NTTとの継続的な協業と、ラスベガス市の拡大するP5Gネットワークのエンドユーザーに独自の運用の俊敏性と効率性を提供する機会を楽しみにしています」と述べている。
ラスベガス市は2018年にNTTとの提携を開始し、NTTスマートソリューションを活用して、センサー、IoT、ビッグデータ、予測分析を使用して市内の安全性、状況認識、交通渋滞、逆走を改善した。
また、2020年にはNTTとラスベガス市は、公共の安全を改善し、市民と訪問者により良い体験を提供するのに役立つ、複数の場所でのスマートパークのユースケースを含む、スマートプロジェクト強化の拡大について発表した。
NTTスマートソリューションは、ラスベガスを真のスマートシティに変え、より安全、包括的で持続可能な環境の構築に貢献してきた。今回のローカル5G上のオープンネットワークにアプリケーションを展開することは、オープン性とスケールの点で米国初の取組みとなる。
本スマートソリューションによるラスベガス市民にとってのメリットの1つは、新たな公園により安全とよりよいサービスを提供し続けることが可能になることだ。
関連情報
https://group.ntt/jp/corporate/overview/
構成/こじへい