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〝もっと地球を知る〟ためにソニーグループが進める最新プロジェクト「SPACE SHOOTING LAB」

2022.09.22

9月15日にソニーグループの本社で開催されたサステナビリティ説明会では、現在、私たちが抱える地球上のさまざまな問題を解決するために、最新のテクノロジーによる数々の取り組みが紹介されていた。いずれも現在、具体的に進められているプロジェクトばかり。たとえば、「地球みまもりプラットフォーム」は、衛星から地球上の変化を常に観察し、AIにより地球上の異変などを事前に予測して、対応を提案するネットワークシステムだ。

また、拡張生態系の実験として、「協生農法」と呼ばれるリ・ジェネラティブ・オーガニック(環境再生型農業)に取り組み、砂漠を緑化して作物を収穫できるような新しい農業を実践している。まさに、地球環境の変化や食の問題を視野に入れた、環境再生と人類の共生のテクノロジーと言えるだろう。

今回、ソニーグループは環境負荷の低減や改善を目指すさまざまな技術を、地球、社会、人の、三つのスケールに分けて紹介していた。1番目に挙げているのは、「もっと地球を知る」ということだ。2番目に「社会のシステムを考え直す」、そして「一人ひとりが行動する」と謳われているが、地球が第一だ。

サステナビリティ説明会の会場で一際目を惹く独創的なモジュールは、今回、初めて披露された「SPACE SHOOTING LAB」。「もっと地球を知る」ために「宇宙の視点」を体験できるシミュレーターだ。

「SPACE SHOOTING LAB」は、宇宙に浮かぶスペースシップから地球を見ているような不思議な体感が身体を包む。子ども時代に誰もが憧れたような超未来的なモジュールの前に立ち、右手のダイアルと左手のスティックで操作し、衛星軌道上から、自分たちで自由に観察できるシミュレーション・システムだ。

この「SPACE SHOOTING LAB」は、@DIMEでも以前に紹介した衛星撮影サービス「STAR SPHERE」プロジェクトの一環のモジュールである。人工衛星のカメラを誰もがパソコンなどから操作して、宇宙の星や地球を簡単に撮影できる「STAR SPHERE」は、衛星が搭載されたロケットが、今年の冬、打ち上げられて、3月には一般利用がスタートする予定だ。

「STAR SPHERE」は、宇宙から自由に衛星からの映像を撮影し俯瞰することで、地球の自然環境や地球に暮らす人々の多様性に思いを馳せたり、心を豊かにするパーソナルなサービスだが、この「SPACE SHOOTING LAB 」は、多くの人が同時にブースの中で宇宙視点を共有できる体験型コンセプト・プロトタイプとして開発された。

会場で「SPACE SHOOTING LAB」を説明するソニーグループ株式会社の本村謙介氏は、「宇宙からの視点を通じて物事を改めて考え直し、そこでいろんな人と考えたことを共有し、他の人の宇宙の視点も学びつつ、みんなで議論したり意見を聞くことで、地球を改めて自分たちの問題として考え直すことができるお手伝いができればいいと考えています」と語る。

この「SPACE SHOOTING LAB」は、今後イベントなどを通じて一般公開されて、一般の人も体験できる予定だという。

テレビや新聞では、パキスタンの国土の3分の1が冠水し、ヨーロッパでは500年で最悪な旱魃が起こっているなど、日々、気候危機のニュースが報じられているが、問題が大きすぎて自分の日常とは関係ない遠くの出来事のように感じられる人も多いかもしれない。食糧も現在の全人類を養うには充分でなく、気候危機によってますます世界中で食料が行き届かない人がたくさん存在するだろうと報道されているが、日本のスーパーには食品が溢れ、目の前の光景は一見、普段通りに見える。それでも、「地球を知る」という観点から見れば、環境と食は地球規模でつながっているのだから、将来、私たちの生活への影響を無視することができないことは明らかだ。

生物の歴史上、カンブリア紀にはじめてを持った生物が生まれてカンブリア爆発(今日見られる動物の「(ボディプラン)」が突如として出そろった現象)という進化が起こったように、新しい視点で「地球を知る」ことで社会を見直し、個人の行動の変化が起こるには、ソニーグループが提案するように、宇宙から一緒に地球を見つめて、宇宙視点で感じたことをたくさんの人とシェアして考えていくことが必要なのかもしれない。

気候危機にしても環境問題にしても、私たち地球に住んでいる人間の意識が変わらなければ、根本的に変わらない。しかし、新しい視点を共有するテクノロジーによって地球を知ることは、自分たちが地球とひとつであること、地球環境問題は自分たちとつながっていることの理解を促し、地球を守る意識を持つ新しい地球人としての行動が、社会システムに変革をもたらすかもしれない。

情報はあっという間に風化してしまうが、新しいテクノロジーによる新しい体験で人と共振するような個人的な感動は色褪せないだろう。自分と地球をより大きな視点から見直し、新しい世界観をみんなで作っていけるようなインタラクティブでエンタメ性が高いテクノロジーの進化は、新しい可能性を感じさせてくれる。自分たちで地球を再発見し、考えていく共感型のコミュニティを生み出す可能性も考えられる。宇宙の視点をみんなで共有して、地球の守り手として語り合うことができる日も遠くないかもしれない。

Text by 尾崎 靖(エディトリアル・ディレクター)


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