アメリカでは「大離職時代の到来」など言われている昨今だが、日本も他人事ではない。特に若手の早期離職に関しては問題視されており、厚生労働省の「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、大学卒の約3割が離職しているといった結果も出ている。
そこでラーニングエージェンシーでは2022年3月31日~5月13日の期間、2022年入社の新入社員4,659人を対象にした「働くことに関する価値観の調査」を実施。その中から本稿では、離職意向別の集計結果を紹介する。
キャリア支援について求めること〜離職意向に関係なく「上司への相談機会」が1位
新入社員に対し「キャリア形成支援について会社に期待すること」は何か尋ねたところ、離職意向なし組は「上司に相談できる機会をつくってほしい(56.9%)」が1位だった。離職意向あり組においても、なし組と15.3ポイントの差があるものの、上司に相談できる機会(41.6%)が1位となった。
その他、離職意向なし組では「キャリア形成についてのセミナーや勉強会などを開催してほしい(36.7%)」が2位、「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい(35.6%)」が3位に。
離職意向あり組では、キャリア形成についてのセミナーや勉強会など(36.2%)が同じく2位、続いて「社外の人の意見を聞ける場を設けてほしい(33.9%)」と、こちらは離職意向なし組より10ポイント程高く3位に入る結果となった。(図1)
コメント欄でも「自分が体験する大変な企画よく思いつくなーって思う」「車走らせることで宣伝なるしこんな楽しいパンチのある企画立ててくれたら企業もプロモーション依頼してよかったーって思うだろうなー」「はじめんの企画はプロモーションだとしてもおもしろすぎる」などの称賛の声が相次いでいる。
仕事を通して成し遂げたいこと〜離職意向なし組「安定」、あり組「成長」
仕事を通して成し遂げたいことに関する質問では、離職意向なし組では「安定した生活を送りたい(66.1%)」が1位となり、あり組よりも8.1ポイント高い結果だった。あり組では「自分を成長させたい(64.6%)」が1位となり、順位が逆転した。
「家族に恩返しをしたい」「社会に貢献したい」といった項目においては、どちらも離職意向なし組が10ポイント近く高くなり、逆に「大金を稼ぎたい」についてはあり組が16.4ポイント高い結果となった。(図2)
働き続ける条件〜離職意向なし組「職場の人間関係、安定」、あり組「給与、やりたい仕事」
次に「どのような状況であれば、今の会社で働き続けたいと思うか」尋ねた。離職意向なし組では「職場の人間関係が良い(70.8%)」が1位となり、あり組よりも17.1ポイント高い結果となった。離職意向あり組では「高い給与・賞与をもらえる(66.7%)」が1位となり、なし組よりも17.3ポイント高く、順位が逆転した。
その後も順位は多々入れ替わり、両者の間で大きな差が出た項目は「業績が安定している」「頑張りを認めてもらえる」で、離職意向なし組のほうが15ポイント前後高くなった。一方、「やりたい仕事ができる」「働く時間が少ない」では、あり組のほうが10ポイント以上高い結果だった。(図3)
最後に「今後どのような仕事をしていきたいか」を複数回答で尋ねたところ、離職意向なし組、あり組ともに1位「楽しくてやりがいのある仕事」、2位「自身の成長につながる仕事」、3位「楽しく取り組める仕事」だった。
4位以降は大きく順位が変わり、両者の間で特に差が出た項目を見てみると、「チーム一丸となって取り組む仕事」では離職意向なし組のほうが7.5ポイント高い結果に。一方「成果次第で給与が上がる仕事」「発想力 アイデアが求められる仕事」はあり組のほうが10ポイント前後高い結果となった。(図4)
出典元:ラーニングエージェンシー「新入社員意識調査(離職意向別編)
構成/こじへい