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NHK朝ドラ「ちむどんどん」でも話題!昭和を彩ったボンネットバスがブーム再燃の予感

2022.09.17

ボンネットバス復活の秘密に迫る

数年前から昭和レトロがブームになっている。特にアラウンド20のZ世代の間ではノスタルジックな純喫茶や懐かしのレコード、使い捨てカメラが人気だという。

40代の筆者にとっては「古臭い」「めんどくさい」というイメージのアイテム達が若者の間ではトレンドになっている。昭和を知らない世代にとって“アナログ”は新鮮でオシャレでレトロかわいい魅力で溢れているのかもしれない。

そんな昭和レトロの中でもう一つ、人気が再燃しているものがある。レトロバスだ。

郷愁を誘う外観と乗り心地、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が幅広い世代を魅了。

昔懐かしいボンネットバス、通称ボンバスのツアーも人気を集めているとか。ちなみにボンバスとはエンジンが車体前部にあるタイプで現代の一般的なバスより車内はかなり狭いが、逆にそれがいい!

さらに記憶に新しいのが、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に登場しSNSで話題になった「ちむどん号」。左ハンドルが特徴的なレトロバスは米ゼネラルモーターズがおよそ60年前に製造したもので、撮影中はわざわざアメリカから部品を取り寄せて整備していたという。国民的ドラマもレトロバス人気を後押しした。

ボンネットバスで巡る飛騨高山、伊豆の名所は非日常を味わえる大人の旅

時を超えて現代によみがえったボンネットバスツアーも魅力的だ。ここからは大人が楽しめるレトロバスの旅を紹介しよう。

【昔懐かしいボンネットバスで行く「飛騨高山」里山めぐりツアー】

濃飛乗合自動車株式会社の飛騨高山の里山巡りツアーは、昭和42年に製造されたボンネットバスで飛騨高山の里山を約1時間30分かけて堪能できる。

独特のエンジン音や木造の床板など、懐かしい音と匂いも体感できるツアーは全便事前予約制で大人子供1100円。毎回15名限定なので予約はお早めに!

ちなみにバスには冷房設備がないのでその辺はご了承頂きたい。これからの季節には最適なはず。

https://www.nouhibus.co.jp/hida/bustrip/bonnetbus_tour2022/

【映画ドラマにも使われた「伊豆の踊子号」で伊豆を周遊】

今年2月、105周年を迎えた東海自動車株式会社がシンボル的存在のボンネットバス「伊豆の踊子号」のリニューアル整備を実施。1964年(昭和39年)式の本物のボンネットバスを貸し切り、自分だけのツアーを楽しめる。

https://www.tokaibus.jp/images/1436.pdf

【予約なしでOK!広島県福山市の日本遺産「鞆の浦」を巡る旅】

国宝明王院・日本遺産鞆の浦を巡る定期観光バス。ボンネットバスにて福山自動車時計博物館、国宝明王院に立ち寄り、鞆の浦(2018年5月日本遺産認定)に向かう。福山自動車時計博物館では、珍しいボンネットバスが並ぶ姿を楽しむことができる。運行期間は2022年4月2日~12月11日の土・日・祝日(予約不要)。ボンネットバス以外にも路線バスが約30分ごとに運行している。

https://www.tomotetsu.co.jp/?page_id=1246

満55歳のボンネットバス「秘境の小便子僧号」がクラファンで復活!

今年8月、多くの人に愛されたボンネットバスの再生プロジェクトが実を結んだ。徳島県三好地域の生活の足として昭和初期から活躍し、去年引退した通称「秘境の小便子僧号」だ。

車両の老朽化が進み、運行が困難になったことから引退を余儀なくされたわけだが、老若男女に愛された“町のアイドル”は多くの復活の声を受け、大規模修繕のためのクラウドファンディングを実施。すると支援金は瞬く間に目標金額を達成し、小便子僧号が帰ってくることに。

今回、四国交通株式会社の谷口さんにレトロバスの魅力、ボンバス復活への軌跡について話を聞いた。

ーー復活の経緯を教えて下さい

「引退後、多くのファンから惜しむ声を寄せて頂き、弊社社員からも弊社のシンボルを存続して欲しいとの意見もありました。皆さんの愛ある声を受け検討を重ねた結果、2022年以降も動態として保存する事を決定。クラウドファンディングを活用した大規模修繕を実施する事を決めました」

ちなみになぜ「秘境の小便子僧号」と呼ばれているのかというと、これは徳島県三好市の断崖絶壁に立つ小便小僧像が由来。この像は近くの街道を舗装する作業員などが度胸試しのために、像のある岩周辺から小便をしたことにちなんで造られたものだという。

ーー「秘境の小便子僧号」の魅力は?

「昭和41年製で新車購入してから修理やオーバーホールを繰り返し大切に使用してきましたが、近代のバスに比べて乗り心地は決して良くはありません。でも、エンジン音、振動、匂いなどボンネットバスらしさを五感で楽しむ事ができます」

「なにより、見た目も愛嬌があって可愛い!ただ、パワーステアリングがないためハンドルは重たい上、ギアチェンジもダブルクラッチが必要。ですが、車からのレスポンスをダイレクトに受け取れるため『まるでボンネットバスと会話しているような感覚で運転できる』と話す乗務員もいます」

クラファンでは目標金額を大きく越え、約970万円の支援額で終了。ボンネットバス修復の現状を聞くと「本年度中の完成を目指して修理を依頼し、現在は修理工場に入庫中」とのこと。復活まではもうしばらく時間を要するようだ。

よみがえるボンネットバスについて谷口さんは…

「バスカラーを導入当時のデザインに変更します。これにより路線バスとしてご利用していたお客様や地元の方々に懐かしんでいただけるのではと楽しみにしています」

なぜ今、レトロバスが人気なのか?「不便」「古い」こそ魅力になる!

ーーレトロバス人気を身近に感じることはありますか?

「我々では当たり前、むしろ古いと感じているモノが平成生まれの方、昭和後半生まれの方には「新しい!」「斬新!」という声を聞いたときは不思議な感覚を感じました。不便、古いといったモノを見て頂く、乗って頂くためにわざわざ遠方からお越し頂くことが我々にとって嬉しい限りです」

かつて、こんなことがあった。

定期観光バスとして秘境を走っていた四国交通の「秘境の小便子僧号」。インバウンド効果で国内外の客が乗車し人気を博していたが…「バスの車内はポタポタと雨漏り、ボディには錆、電気系統の故障などのトラブルが相次ぎました」

ある日、運行途中で立ち寄った観光施設から出発しようとした。が、エンジンが掛からない。慌てた運転手はバスから降り、他社のバス運転手に押し駆けをお願いすることに。

するとそれを見た客も一緒にボンネットバスを押し始め、なんとかエンジンを駆けることに成功。客から苦情が出るかと思いきや「他のツアーでは絶対できない貴重な体験ができた」と逆に感謝の言葉を贈られたという。

乗り心地は良くない、エンジン音も煩い、車内には油のにおい…でも、そんなクセの強い魅力も包み込んで愛される、それがボンネットバスの真骨頂なのだ。

ーー今後のレトロバスブームに期待することは?

「当時、現役で運行していた時に乗られた方に再び当時のことを思い出しながら乗車してもらいたいですね。『あのときは…』といった様に懐かしく思って頂きたく思います。乗り物は様々な方の夢、希望といった想いも運んでいるモノなので再びその時の気持ちに戻って当時の事を思い返していただければ幸いです」

取材協力
四国交通株式会社
https://yonkoh.co.jp/

文/太田ポーシャ

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