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国際線の予約は回復傾向、2023年にかけての出張費も上昇の予測

2022.09.16

2023年にかけての出張費は上昇予測、航空券は8.4%、宿泊費8.2%アップ

グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)が8月10日に発表した報告書「グローバル・ビジネス・トラベル」によると、2022年後半から2023年にかけて、燃料や物資の高騰、人手不足により海外への渡航費アップが見込まれている。

2022年の年末にかけては航空券が48.5%、宿泊費18.5%の上昇。2023年にはさらに、航空券8.4%、宿泊費8.2%の上昇が予想されている。

過去のデータを見ると航空券の伸びが2020年で12%、2021年が26%。宿泊代は2020年で13.3%、2021年で9.5%であった。

ビジネストラベルのマネジメントを手がけるCWTによると「出張の需要はすさまじい勢いで回復している。旅行業界全体で人手が不足しており、物資は高騰しているにも関わらず、全体的には2019年の水準と同程度の価格が期待されている」という。

概要

2020年、パンデミックの影響により世界経済は3.4%縮小した。これは第二次世界大戦以来、最悪の縮小率である。旅行業界への打撃は特に大きかったものの、世界経済は素早い回復を見せ、2020年のどん底から2021年には5.8%の伸びを見せた。

経済の成長ぶりは回復期が長くなるにつれて緩やかになるが、早くも次なる景気後退が見え始めている。2022年の年末までは3%の伸び、2023年は2.8%の伸びというのが現段階での基本的なシナリオである。

2023年の経済とビジネストラベル業界に影響を与えるポイントは3つ。ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う地政学的な不安定さ、インフレ、コロナの再度のアウトブレイクである。

一方、気候変動対策の重要性が増す中で、グローバル・ビジネス・トラベルのレポート内でも環境負荷の低いオプションが選ばれる確率が上がっていることがわかる。企業のサステナビリティ指向は、確実に優先順位を上げてきているのだ。

さらにカーボンフットプリントを意識するなど、環境への影響を考慮する行動が明確になってきていることが指摘されている。

会議、イベント

2年以上にわたって取りやめられていた会議や、直接顔を合わせて行うイベントに対する需要の増加、また先行き不透明な経済などの影響から、あらゆる領域のほぼすべてのものが値上がりしている。会議やイベントに参加する際の1人あたりの予算は、2019年に比べて2022年は約25%アップ、2023年にはさらに7%上昇すると見込まれている。

2020年からキャンセルになっていた会議やイベントが一斉に開催され、さらにパンデミックが明けたことで新たなイベントが企画され始めたため、企業のイベントは、これまでに例のない数の競合状態にある。

またパンデミックの間に多くの企業がオフィススペースを解約しリモートワークに切り替えたため、社員が実際に顔を合わせる際にはミーティングスペースを借りる必要があり、また、社員の移動のためにさらに燃料が必要となっている。

従来、半年から1年をかけて行われていたイベントの準備は、1〜3か月へと変化してきている。この傾向はアジア諸国で特に顕著に見られ、その理由はパンデミック明けがほかの地域に遅れたことにより、確実で早急なイベントの開催が求められていることにある。

航空券

ビジネストラベルでの航空券の価格は2020年には12%下落したが、2021年にはさらに26%の下げ幅となった。エコノミークラスでは2021年までに24%落ち込み、プレミアムチケットは33%下げとなった。

パンデミックが落ち着いたと判断された2022年9月以降は48.5%の上昇が予測されているが、この急上昇にも関わらず、価格は2023年になってもパンデミック前のレベルには届かないとされる。2023年にはさらに8.4%のアップの見込み。

需要の伸びと燃料費の上昇により、航空券は2倍以上に膨れ上がっているケースもある。

2019年にはプレミアムチケットは全チケット販売総数の7%以上を占めていた。2020年にはこの割合が6.5%に、2021年には4.5%までダウンしたものの、2022年には再び上昇を始め、2022年の前半には6.2%まで回復。プレミアムクラスの航空券の割合が高くなれば、エコノミークラスとの合算した航空券の平均価格はアップする。

ウクライナ危機に関わらず、国際線の予約はほぼすべての地域で回復基調であり、国際線のチケットの割合が高まればそれに伴ってチケットの平均販売価格も上がる。

過去2年間、出張費用が最小限に抑えられていただけに、出張者は航空券により多くの予算を使う傾向がある。スタッフの不足によって便数が減っているため、航空券の価格は上昇している。また、航空券の価格上昇にはワクチンが広く行き渡ったこと、国境が再開したことが大きな影響を与えている。

ホテル 

ホテルの宿泊費用は2020年に13.3%下落、2021年にはさらに9.5%ダウンしたが、2022年には18.5%、2023年には8.2%の上昇が予想されている。宿泊費はヨーロッパや中東、アフリカ、北米ではすでに2019年の水準を上回っているとレポートされており、2023年には世界的に同じことが起こるだろうと言われている。

宿泊費用は北米などで急激な上昇を見せ、地域によっては22%上昇したところも。旅行者の急激な回復と受け入れ能力の制約により、ヨーロッパや中東、アフリカでは今後、31.8%ものアップが見込まれている。

2021年の宿泊費用の上昇は観光客の増加によるものであった。会議やミーティング、イベント参加を目的とするビジネストラベルもまた穏やかながら回復を見せているため、宿泊費アップの役割を担うこととなるだろう。

参考:

Business travelers set to see air fares rise by 8.4%, hotel rates by 8.2%, and car rental charges by 6.8% in 2023|CISION

GLOBAL BUSINESS TRAVEL FORECAST 2023|CWT

文/森野みどり

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