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要介護認定に不服がある場合、どこで不服申立ての手続きを行うべきか?

2022.09.16

介護サービスを必要とする方は、区市町村の認定を受けることによって、介護保険から給付を受けることができます。

ただし、区市町村による審査の結果、適正な水準を下回る要介護度が認定されるケースや、認定を受けられないケースもあるのが実情です。もし要介護認定の結果に不服がある場合は、審査請求や取消訴訟を通じて不服申立てを行いましょう。

今回は、要介護認定に不服がある場合の対処法をまとめました。

1. 要介護認定とは?

要介護認定(要支援認定を含む。以下同じ)とは、介護サービスを必要とする方について、介護保険からの給付内容を決定するために、区市町村が行う認定です。

1-1. 要介護認定の手続き

要介護認定を受けるためには、介護保険の被保険者証を添付した申請書を、居住地の区市町村に提出する必要があります。申請書の作成方法などは、区市町村の窓口へご確認ください。

要介護認定の申請を受理した区市町村は、まず認定調査員による心身の状況調査および主治医意見書に基づき、コンピューターの推計による一次判定を行います。

その後、一次判定結果を介護認定審査会に回付し、保健医療福祉の学識経験者(5名程度)がダブルチェックをする形で二次判定を行います。

このように要介護認定は、機械的・統計的な一次判定と、学識経験者による個別的な二次判定の2段階で実施されています。

1-2. 要介護認定の基準

介護保険では、要介護状態については5段階(1~5)、要支援状態については2段階(1、2)の状態区分(要介護度)が設けられています。

要介護度は、以下の5種類の介護等を必要とする1日当たりの時間(=要介護認定等基準時間)に応じて認定されます。

<要介護認定等基準時間に算入する行為>

①直接生活介助
→入浴、排せつ、食事等の介護

②間接生活介助
→洗濯、掃除等の家事援助等

③問題行動関連行為
→徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等

④機能訓練関連行為
→歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練

⑤医療関連行為
→輸液の管理、じょく瘡の処置等の診療の補助等

要介護度

要介護認定等基準時間(1日当たり)

要支援1

25分以上32分未満

要支援2

32分以上50分未満

要介護1

32分以上50分未満

※要支援2と同じ

要介護2

50分以上70分未満

要介護3

70分以上90分未満

要介護4

90分以上110分未満

要介護5

110分以上

日常生活の基本的な動作をほぼ自力で行える場合は、軽度と判断され、要支援1・要支援2・要介護1のいずれかが認定される可能性が高いです。

状態が不安定な場合や理解力の低下が見られる場合は要介護1、そうでなければ要支援1または要支援2が認定される傾向にあります。

排泄や食事、移動や立位保持などが自力でできない場合は、中度と判断され、要介護2・要介護3のいずれかが認定されることが多いです。

排泄や食事、移動や立位保持などが自力でできないうえに、多くの問題行動や全般的な理解の低下が見られる場合は、重度と判断され、要介護4が認定される可能性があります。

その状態がさらに進行すると、最重度と判断され、要介護5が認定されます。

1-3. 介護保険の支給限度額|要介護度によって異なる

要介護または要支援の認定を受けた方は、一定の介護保険サービスを自己負担率1割~3割で利用できます。ただし要介護度に応じて、以下のとおり1か月当たりの利用限度額が設定されています。

要介護度

利用限度額

自己負担(1割)

自己負担(2割)

自己負担(3割)

要支援1

50,320

5,032

10,064

15,096

要支援2

105,310

10,531

21,062

31,593

要介護1

167,650

16,765

33,530

50,295

要介護2

197,050

19,705

39,410

59,115

要介護3

270,480

27,048

54,096

81,144

要介護4

309,380

30,938

61,876

97,814

要介護5

362,170

36,217

72,434

108,651

※40~64歳の方、生活保護受給者、市民税非課税者は1割負担
※65歳以上の方は、所得等に応じて1~3割負担

なお、要介護の場合は介護サービス全般が利用できるのに対して、要支援の場合は夜間対応型訪問介護の利用や一部介護施設への入居が認められないという違いがあります。

2. 要介護認定に不服がある場合の対処法

要介護認定に不服がある場合は、都道府県の介護保険審査会に対する審査請求を行うことができます。さらに、審査請求の裁決に不服がある場合には、裁判所に取消訴訟を提起することが可能です。

2-1. 審査請求を行う

審査請求とは、処分を行った行政庁とは別の機関が、処分の適法性・妥当性を審査する手続きです。

要介護認定については、区市町村の介護認定審査会が行った認定に係る処分を、都道府県の介護保険審査会が改めて審査する形となります(介護保険法183条1項)。

審査請求は原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、文書または口頭で行わなければなりません(同法192条)。

なお、審査請求の文書については、都道府県の介護保険審査会の事務局のほか、区市町村の窓口でも受け付けている場合があります。

2-2. 取消訴訟を提起する

介護保険審査会による審査請求の裁決について不服がある場合は、裁判所に取消訴訟を提起することができます(行政事件訴訟法8条1項)。

取消訴訟は原則として、審査請求に対する裁決を待って行う必要があります(介護保険法196条)。

ただし、審査請求を行った日から3か月経過しても裁決がない場合などには、裁決を待たずに取消訴訟を提起することも可能です(行政事件訴訟法8条2項)。

取消訴訟では、要介護認定が法令の手続きに従っていないことや、事実認定に誤認があることなどを主張・立証する必要があります。きわめて専門性が高い手続きですので、弁護士を代理人として対応することをお勧めいたします。

3. 要介護認定の不服申立てを行う場合に必要な準備

要介護認定の不服申立てを行う場合、審査過程における手続き違反や事実誤認があることを説得的に主張しなければなりません。

そのためには、どのような過程で審査が行われたのかを知ることが先決です。所定の手続きを行えば、審査に用いられた資料などの開示を受けられますので、区市町村の窓口に問い合わせてみましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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