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今年8月期の企業倒産件数は493件で増加傾向、 最も多く倒産している業種は?

2022.09.14

歴史的な円安と物価高が続いている。こうした中、企業の倒産件数はどのように推移しているのだろうか。

帝国データバンクはこのほど、2022年8月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行なった。

7業種中5業種で前年同月比増加、建設業は4か月連続で増加

業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。建設業(前年同月78件→98件、25.6%増)では、土木工事など設備工事業(同17→26件)で大幅増となり、全体でも2020年4月以来の4カ月連続増加となった。

ドライバー不足や燃料価格高騰の影響が続く運輸・通信業(同20件→33件、65.0%増)では、トラック運送など道路貨物運送(同10→22件)が倍増。サービス業(同99件→133件、34.3%増)では、経営コンサルタントなどの専門サービス業(同12→25件)で倍増し、全体でも30%以上の増加となった。不動産業(同11件→22件、100.0%増)は、不動産代理・仲介業(同2→11件)で大幅増、全体の件数を押し上げた。

一方、小売業(前年同月114件→76件、33.3%減)は、スーパーなど各種商品小売業(同9件→2件)や飲食店(同49件→32件)の減少もあり、6カ月連続で前年同月比2ケタ減。

倒産主因別/「不況型倒産」は366件、構成比は74.2%

主因別にみると、「不況型倒産」の合計は366件(前年同月352件、4.0%増)で4カ月連続の増加、構成比は74.2%(対前年同月4.1ポイント減)だった。

最多は「販売不振」の362件(前年同月345件、4.9%増)で、構成比は73.4%(対前年同月3.4ポイント減)を占めた。「業界不振」(同6件→4件)は6カ月ぶりの前年同月比減少。

このほか、「放漫経営」(前年同月11件→21件、90.9%増)は2020年7月以来の20件台を記録したほか、「その他の経営計画の失敗」(同19件→17件、10.5%減)は2カ月ぶりの前年同月比2ケタ減少。「経営者の病気、死亡」(同15件→25件、66.7%増)は、3カ月ぶりの前年同月比2ケタ増となった。

※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計

倒産態様別/「清算型」倒産は467件、民事再生法は1年5か月ぶりの20件超え

倒産態様別にみると、破産と特別清算を合わせた「清算型」倒産は467件(前年同月431件、8.4%増)で、5カ月連続の前年同月比増加となった。また、民事再生法と会社更生法を合わせた「再生型」倒産も26件(同18件、44.4%増)で、4カ月連続の前年同月比増加。

倒産態様ごとに見ると、破産は451件(前年同月413件、9.2%増)で、2019年9月から2020年4月(8カ月連続)以来の5カ月連続増加。特別清算は16件(同18件、11.1%減)と、2カ月ぶりに減少した。一方、民事再生法は26件(同18件、44.4%増)で、2021年3月以来1年5か月ぶりに20件を超えた。このうち、12件を法人が占め、法人が10件以上となるのは2021年8月以来1年ぶり。

規模別/負債「5億円未満」は2か月連続の大幅増、1~10億円の中規模倒産が増加

負債規模別にみると、負債「5000万円未満」の倒産は266件(前年同月259件、2.7%増)で、構成比は54.0%を占めた。一方、「5億円未満」は137件(同89件、53.9%増)と、2カ月連続で前年同月比50%以上の大幅増だった。「10億円未満」でも21件(同18件、16.7%増)と2カ月連続での2ケタ増となり、負債1~10億円の中規模クラスの倒産が増加した。

資本金規模別では、「個人+1000万円未満」が311件(前年同月284件、9.5%増)発生した。

業歴別/全業歴で前年同月比増加、最多は業歴「30年以上」の172件

業歴別にみると、2021年5月以来1年3カ月ぶりに全業歴で前年同月から増加した。

最多となったのは業歴「30年以上」の172件(前年同月163件、5.5%増)で、このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は5件発生した。また、「3年未満」(同14件→22件、57.1%増)、「5年未満」(同32件→37件、15.6%増)、「10年未満」(同70件→74件、5.7%増)といった業歴10年未満の新興企業(同116件→133件、14.7%増)の倒産も総じて増加。このうち、69.2%の企業が負債額5000万円未満の小規模倒産だった。

このほか、「15年未満」(前年同月48→57件、18.8%増)は2カ月連続で前年同月比2ケタ増、「20年未満」(同50件→56件、12.0%増)では2か月ぶりの2ケタ増となった。

地域別/9地域中5地域で前年同月比増加、東北は約14年ぶりの7か月連続増

地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。関東(前年同月171件→186件、8.8%増)では、建設業(同31件→42件)や卸売業(同22件→32件)の増加もあり、全体の件数を押し上げた。近畿(同103件→129件、25.2%増)は、大阪(同51件→76件)が前年同月から大幅に増加し、全体でも5か月連続の増加。東北(同21件→22件、4.8%増)は、8カ月連続で増加し、連続期間は東日本大震災以降で最長となった。

一方、北陸(前年同月18件→15件、16.7%減)、中国(同20件→17件、15.0%減)、四国(同13件→5件、61.5%減)の3地域は減少。特に、中国では小売業で前年同月比60%以上の大幅減、四国は愛媛(同6件→0件)で4年7か月ぶりに倒産が発生しなかった。

注目の倒産動向

円安倒産:「スピード円安」で急増 8月は「6年ぶり」高水準

「円安倒産」が急増している。円安による輸入コストの上昇などが直接・間接要因となって倒産した円安倒産は、2022年8月で7件発生した。8月としては2年ぶりの発生となったほか、前月(1件)から大幅に増加した。

また、2022年1~8月の累計件数は9件となり、既に前年(5件)を超え、3年ぶりの前年比増加となる。業種別では、食料品や繊維製品、機械部品の製造や卸売といった産業が中心で、いずれも急激に進んだ最近の円安が倒産要因として挙げられた。

円安倒産は2014~16年にかけて、月平均20件ペースで発生。しかし、その後1ドル110~120円で安定したこともあり、2017年以降は月1~2件程度にとどまるなど落ち着きをみせていた。

しかし、2022年に入り円安が急速に進行しており、9月には24年ぶりの1ドル140円台を記録した。1年で30円近く下落した「スピード円安」で発生した予期しないコスト増が重荷となり、単月としては2016年5月(12件)以来6年ぶりの高水準を記録した。

帝国データバンクが8月に実施した調査では、企業の約8割が急激な円安によるコスト増加を実感していると回答した。足元では燃料費や電気代のほか、2万品目に上る食料品、木材といった建設資材など幅広い分野で価格が引き上げられる。一方、中小・零細企業の多くで販売価格への転嫁が十分とはいえず、円安倒産は今後増加傾向に転じる可能性がある。

コロナ融資後倒産:2022年8月は34件発生、コロナ融資損失総額は推計263億円

コロナ融資後倒産は、2022年8月において34件(前年同月15件、126.7%増)発生した。2022年の累計件数は253件となり、前年(166件)を大幅に上回っている。実際の融資額が判明した約140社のコロナ融資借入額平均は約6000万円だった。コロナ融資損失総額は推計263億2000万円にのぼり、国民一人当たり220円の負担が既に発生している計算になる。

人手不足倒産 / 後継者難倒産:人手不足倒産は13件、2か月連続で増加 後継者難倒産は3カ月ぶりに増加

人手不足倒産は、2022年8月において13件(前年同月10件、30.0%増)発生し、2カ月連続で前年同月を上回った。人手不足倒産は緩やかに増加が続いている。

後継者難倒産は、2022年8月において34件(前年同月29件、17.2%増)発生し、3カ月ぶりに前年同月を上回った。

今後の見通し

倒産件数は4か月連続増 長く続いた減少基調から一転、緩やかな増加局面へ

2022年8月の企業倒産は493件となり、前月(499件)を6件下回ったものの、前年同月(449件)を44件上回り、4カ月連続の前年同月比増加となった。人流回復で小売業の倒産が減少する一方で、建設、サービス、運輸・通信の3業種の増加が目立った。600~700件台で推移していたコロナ禍前に比べると件数は依然低いものの、長らく続いた減少基調から一転して緩やかな増加局面に入りつつある。

負債総額は1059億600万円で、前月(903億9300万円)、前年同月(946億2100万円)をそれぞれ上回り、3カ月連続で増加。倉庫業の日本ロジステック(東京都、負債151億300万円)、インポートアパレル販売の三崎商事(大阪府、同44億2000万円)など、負債30億円を超える大型倒産が相次ぎ発生、8月としては4年ぶりに1000億円を超えた。1社当たりの負債額平均も近時は増加傾向にあり、コロナ禍前の水準を上回る状況が続いている。

消費者に身近な分野に「物価高倒産」の影 円安倒産も6年ぶり高水準

「物価高倒産」が急増している。燃料や各種原材料の「仕入れ価格上昇」のほか、取引先への値上げ交渉の不調等で価格転嫁できない「値上げ難」により、収益が維持できず倒産した物価高倒産は、8月は34件判明。

昨月(31件)を上回り月間最多を更新したほか、2022年1~8月の累計は150件に達し、調査を開始した2018年以降で最多だった2021年(138件)を上回って年間最多も更新した。

8月には、「クリームシチューパン」などで地元客に親しまれていたベーカリーのマミーブレッド(東京都、8月事業停止)が、原材料費高騰に耐え切れず事業継続を断念するなど、消費者に身近な分野でも物価高倒産の影が忍び寄っている。ただ、こうしたケースはあくまで氷山の一角に過ぎず、実際にはより多方面に物価高の影響が広がっている。

円安も止まらない。9月6日には外国為替市場で1ドル=143円まで下落、115円台で推移した年初から28円円安が進んだ。1998年8月以来24年ぶりの円安水準となるなか、円安による輸入コストの上昇などが直接・間接の倒産要因となった「円安倒産」は8月に7件判明。いずれも直近の「スピード円安」による予期しないコスト増が原因だった。

月間20件ペースで推移した2016年頃の水準に比べると少ないものの、発生がなかった前年同月(0件)からは大幅増となるなど、円安がもたらす中小企業への悪影響は急速に大きくなっている。今後は物価高との複合要因により倒産に追い込まれる「円安倒産」が増える可能性がある。

こうしたなか、岸田首相はガソリンや電気・ガスの価格安定、輸入小麦の価格据え置きといった物価高対策を表明。企業でも「値上げ」「再値上げ」といった、コストアップを売価へ転嫁する動きが広がりを見せている。ただ、累計2万品目を超える飲食料品の値上げや、電気・ガス料金の上昇がもたらす物価高の影響は、むしろこれから本格化する。年末にかけて、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続を断念せざるを得ない中小企業が増加していくだろう。

日野自動車、国内向け生産全停止へ 国内取引1兆円消失リスク、下請への影響甚大

今後の企業倒産は、物価高・価格転嫁の動きに加え、円安の進行や新型コロナウイルスの感染動向などを織り込みながら、年末にかけて緩やかに増加していくとみられる。

倒産増が懸念される注目業界としては、人手不足や物価高の影響が大きい①サービス業・②建設業・③運輸業の3業種が挙げられよう。特に、木材など資材高の影響が色濃く残る建設業は4カ月連続で前年同月を上回るなど増加トレンドに入っており、倒産件数の押し上げ要因となる可能性がある。

日野自動車のエンジン不正問題による、部品メーカーなど④製造業への影響も懸念される。現時点で生産停止した中大型トラックに加え、生産を続ける一部車種についても国内向け生産をストップする方針が報じられた。

帝国データバンクの試算では、日野自の生産が全面停止した場合、年最大1兆円の国内取引が消失するリスクに晒されると判明。日野自向けが自社売上高の30%以上となる企業も170社超判明し、取引先の業績に与える影響は極めて大きい。

既に経営難に陥った日野自向け部品メーカーもあるなかで、生産停止が長期化すればサプライヤーの倒産や廃業といったケースが増加する可能性が大きく、事態の注視が求められる。

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい


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