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勤続5年以上の社員70名の奨学金返済を肩代わりした企業ノバレーゼの画期的な取り組み

2022.09.14

■連載/あるあるビジネス処方箋

奨学金を受給する学生は半数近くに…

専門学校や短期大学、大学、大学院に通いながら、様々な事情で奨学金の支給を受ける学生がいる。奨学金には返済が不要なものと、返済が必要なものがある。今や、奨学金を受給する学生は全体の半数近くになる。日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査」によると、奨学金を受給している学生の割合は大学(昼間部)で47.5%、短期大学(昼間部)で55.2%、大学院修士課程で48.0%、大学院博士課程で53.5%。

背景には保護者である会社員の賃金が特に1990年代後半以降、伸び悩んでいることや、リストラや非正規の増加などで雇用が不安定になっている状況があると思われる。一方で、専門学校や短期大学、大学、大学院の学費は総じて高い傾向にある。各学校は値上げをしても、下げることはほとんどしない。

奨学金の支給を受けた学生は、通常は卒業後に一定の額を毎月返済し、完済する。月々の返済額と返済期間は、奨学金を借りた額により変わる。大学で4年間借りた場合、卒業後に月々1万数千円~2万数千円程度の返済が15年~20年続くケースが多い。卒業後に就職の状況や勤務する会社、就労の形態(正社員、派遣・契約社員、フリーターなど)、賃金額に関係なく、毎月一定額を返済することが求められる。

正社員に比べると、収入が相対的に少ない派遣・契約社員、フリーターや、正社員でも20代の頃は賃金が少ないために、毎月の返済ができなくなる社員が増えている。生活が苦しくなり、金融機関やファイナンス系の会社からお金を借りて返済するが、それができずに自己破産をする人もいるという。

しかし、政府や自治体の支援策は依然として不十分だ。企業や経済団体、労働組合、市民団体も支援が十分とは言えない。返済に苦しむ人たちを支える世論が強いとも思えない。

1人につき、最大200万円を肩代わり

今回から3回にわけて「奨学金返済支援制度」を設けている会社を紹介したい。ウエディングプロデュース・レストラン運営の(株)ノバレーゼ(東京都中央区、正社員688人、出向者を除く)は専門学校や短期大学、大学、大学院在学中の奨学金を返済する社員が一定の条件を満たし、申請した場合、勤続5年と10年の時点で返済の肩代わりをしている。

ノバレーゼが運営している結婚式場の一つ「アマンダンブルー鎌倉」

肩代わりをする額は1回につき、最大100万円。2017年9月に第1回目を実施し、2022年現在に至るまでに1年に1度のペースで試みている。

「勤続5年と10年の時点」は1人の社員につき、2回まで肩代わりをすることを意味する。例えば、2012年に入社し、2017年で勤続5年となり、会社に申請した場合、最大100万円まで肩代わりをする。その後、2022年で勤続10年となり、2回目の申請ができる。この場合も最大100万円まで会社が支給。1人につき、最大200万円となる。100万円以下の場合の額は、奨学金の残高金額とする。2回目の支給対象申請時に返済を終えているならば、2回目の支給はない。

2回目(勤続10年)の対象にならない場合は、次の通りだ。

・1回目(勤続5年)の支給時に返済をすべて終える
・1回目の支給時に100万円を支給し、その後も毎月返済を続け、2回目の申請時に完済済みの場合

「返済を肩代わりする」とは、会社が奨学金をそれぞれの社員が学生時代に支給を受けていた団体等に返済することを意味する。返済後に会社が個々の社員の給与から引き抜いたり、社員に返済を求めることは一切ない。

なお、「一定の条件」とは、新卒・中途採用を問わず、勤続5年と10年の時点で正社員として勤務していること、かつ、奨学金の返済を遅滞なく続けていることなどだ。配属部署、入社年次や年齢、役職(一般職、管理職であるかなど)、性別、勤務態度、賞罰、人事評価は問わない。

会社に恩返ししたい

1回目の2017年9月には勤続5年以上の社員27人が申請し、全員が認められた。会社が肩代わりをした合計の金額は、約2323万円。この場合もそれぞれの支給額に所得税と雇用保険、社会保険料が発生する。その合計約648万円も合わせて支給した。制度の満額に当たる 100 万円を支給したのは、27 人のうち 19 人(うち新卒入社 18 人)だった。

申請者は2018年9人、19年は8人、2020年は6人、21年は5人。22年は15人で、1回目支給:8人(うち新卒7人)、2回目支給:7人(うち新卒6人)。満額支給は、18年が6人、19年が5人、20年が4人、21年は5人、22年は8人。

制度を利用し、返済をした社員の一部の声は、次のようなものだった。

「大学卒業後 5 年で 100 万程度しか返済できていないので、今回の支給額 100 万円という金額の大きさを改めて実感する」
「卒業後に返済額を認識して、その大きさに愕然としたの で、ありがたい制度だと感じる」
「就職活動中に制度の話を聞いて、前例のないことに“本当か?” と驚いたのを、いま思い出している。会社に恩返ししたい」

次回(その2)では、制度を利用した社員(勤続10年)にインタビューをした内容を紹介する。

文/吉田典史


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