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統合失調症VTuberが生み出したメタバースは、生きづらさを抱える人が寄り添う優しい場所だった

2022.09.10

もりのへやで撮影した画像

統合失調症であることを公表し、その経験や知識を動画で情報発信している、VTuberのもりのこどくさん。彼女は2022年4月にクラウドファンディングにより支援を集め、その資金をもとに、バーチャル空間上に統合失調症の人たちの居場所「もりのへや」を完成させた。過去3回の開催を通して彼女が感じた、バーチャル空間が作りだす、生きづらさを抱えた人たちにとっての新しい世界とは。

緑に囲まれた、自由に過ごせる場所

様々な理由で日常生活に生きづらさを感じている人たちが暮らしやすくなる社会――そのヒントは、メタバースにある。

統合失調症VTuber・もりのこどくさんは、統合失調症の人たちの居場所「もりのへや」を、2022年6月にメタバースプラットフォーム『cluster』内に開設した。もりのこどくさんによると、22年2月からクラウドファンディングで開設資金を募ったところ、目標金額の250万円を大きく上回る306万5000円の支援金が集まったそうだ。

「一般の方々のご支援はもちろん、特に印象的だったのは、統合失調症の方やそのご家族、そして精神科医をはじめとした医療従事者の皆様からご支援をいただいたことでした。統合失調症に関わる様々な方が応援してくださっているのだと実感して、とても嬉しかったです」

「もりのへや」の風景。参加者は切り株に座って話したり、自由に歩き回ったりできる。中央の大きな木には、支援者の名前が彫られている。

まず目に入るのが、緑に囲まれ、木漏れ日が差し込む、穏やかで温かい空間だ。参加者は「もりのへや」限定のアバターの姿となって、この空間内で過ごすことができる。

2022年7月に第1回「もりのへや」を開催した際は、定員30名の事前募集に応募が殺到。当日はたくさんの参加者で賑わった。

「常設ではなく随時参加者を募って開設している空間なのですが、過去開催した回では、特に企画などは設けませんでした。トークテーマだけ決めてはいたものの、テーマに沿わない話題でも自由に話してOK。お話をせず、ただこの空間で過ごしている方もいらっしゃいました。

参加者からは『離れているのに、実際に会っているような感覚で話せた』『同じ悩みを抱えた人と話せて嬉しかった』といった感想を頂きました。中でも嬉しかったのは『もう一つの居場所ができた』という声です。まさにそのために『もりのへや』を作ったので、願いが叶った瞬間でもありました」

バーチャルなら、離れていても一人じゃない

「もりのへや」開催を通じて、バーチャル空間でないと作れない世界があると確信したともりのこどくさんは振り返る。

「統合失調症の患者会は全国で行なわれていますが、同じ地域で悩みを抱えた仲間を探すのは大変だし、外出が難しい方や、顔や名前を知られたくない方もいます。

しかしバーチャルなら、参加者みんながアバターとなるので、安心して自分をさらけ出して話すことができます。スマホからでも参加できますし、VRゴーグルを使えば、本当に目の前に相手がいるような臨場感をさらに得ることができます。バーチャル空間は、現実世界の生きづらさを和らげる、もう一つの居場所となると思っています」

空間内に設置されている掲示板には、トークテーマが表示される。特に盛り上がったのは、共通の話題である症状などの体験談だったそうだ。

普段リモートによる取材が多い筆者も今回VRゴーグルを装着して参加したが、目の前に相手がいるような状態での会話は、リモートより遥かに距離感が近く感じた。それでいて、アバターを介しているので心理的安全性が担保された状態で会話ができた。移動の負担がなく、リアルに近いコミュニケーションが可能なバーチャルは非常に相性がいいと感じた。

現在「もりのへや」は第3回まで開催しており、今後は月一回、第一日曜日に定期開催する予定だ。

「『もりのへや』はこれからもゆるく長く続けて、悩みを抱えた人たちが同じ悩みを抱えた人たちと出会うことで安心したり、繋がりを作ったりできる場にしたいと考えています。また、統合失調症VTuber・もりのこどくとしての活動も引き続き行ない、統合失調症についてよりたくさんの人に知ってもらうきっかけを作りたいです」

もりのこどく
高校2年生、16歳で統合失調症を発症。その後精神科病棟への入院、通院、療養を経て、2021年7月に統合失調症VTuberとして活動を開始する。統合失調症のリアルを伝え、精神疾患への偏見のない、だれもが生きやすい社会の実現を目指している。メタバースにおける統合失調症患者の居場所「もりのへや」主宰。活動一周年を迎え、チャンネル登録者数は4000人を超えた。現在20歳の高校6年生。

取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド(現ウェルプレイド・ライゼスト)のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。


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