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コレステロールを低減させるスタチン服用者が患う筋肉痛の大半は薬剤と無関係、オックスフォード大学研究報告

2022.09.15

スタチン服用者の筋肉痛の大半は薬剤と無関係

コレステロールを低下するスタチンによる心血管イベント抑制効果には強固なエビデンスがあるが、しばしば筋肉痛を引き起こすと言われている。

しかし、スタチン服用者に見られる筋肉痛のうち、実際に薬剤が関与しているのは10%未満とするデータが報告された。英オックスフォード大学のColin Baigent氏らが欧州心臓病学会(2022年8月26~29日、スペイン)で発表するとともに、「The Lancet」に2022年8月29日、論文が掲載された。

Baigent氏は、「筋肉痛は加齢に伴い起こりやすくなる症状の一つであり、スタチンが処方される年齢の患者が筋肉痛を起こす可能性は高い。スタチンを服用し始めた患者が筋肉の痛みを感じた時、それを薬剤と関連付けて考える人もいるが、その痛みの大半はスタチンが原因ではないことが示された」と述べている。

また、「スタチンが筋肉痛を引き起こすという巷説は不当なものだ」とも語っている。

この研究は、これまでに実施されたスタチン関連の無作為化比較試験のメタ解析として実施された。

研究参加者数が1,000人以上、介入期間が2年以上の二重盲検試験を適格条件として論文を抽出。プラセボ対照試験が19件と、異なる治療強度を設定して比較した試験が4件特定された。

プラセボ対照試験の研究参加者数は合計12万3,940人で、平均年齢63±8歳、女性27.9%であり、糖尿病が18.5%で、48.1%は血管イベント既往者だった。

加重平均4.3年(中央値)の追跡期間中に、スタチン群の27.1%、プラセボ群の26.6%が、筋肉痛・筋力低下を報告していた〔率比(RR)1.03(95%信頼区間1.01~1.06)〕。

割り付けから1年で、スタチン群では筋肉痛・筋力低下の7%の相対的な増加〔RR1.07(同1.04~1.10)〕が認められた。

これは1,000人年あたりでは11(同6~16)件の過剰発生に相当するが、スタチン群で報告された筋肉痛・筋力低下の15分の1程度〔(1.07-1.00)÷1.07〕にとどまることを意味している。

また、2年目以降の筋肉痛・筋力低下の報告数は有意差がなかった〔RR0.99(95%信頼区間0.96~1.02)〕。

異なる治療強度で比較した試験の研究参加者数は合計3万724人で、平均年齢62±9歳であり、全員が何らかの血管イベント既往者だった。

強力なスタチン療法(アトルバスタチン40~80mg/日またはロスバスタチン20~40mg/日)での筋肉痛・筋力低下の報告は、対プラセボで8%多かったのに対して〔RR1.08(95%信頼区間1.04~1.13)〕、低~中強度のスタチン療法では対プラセボで3%の過剰発生だった〔RR1.03(同1.00~1.05)〕。

ただし2年目以降の発生率は、強力なスタチン療法群でもプラセボ群と変わらなかった〔RR1.05(同0.99~1.12)〕。

この研究結果に対して、米国心臓病学会(ACC)のEugene Yang氏は、「スタチン服用者に見られる筋肉関連症状のうち実際に薬剤に関連しているのは10%未満であるとするこの結果は、これまでに報告された他の研究結果と一致している。つまり、スタチン服用後に筋肉に痛みを感じたとしても、それはスタチンのせいではない可能性が高い」と話す。

また、米デューク大学のManesh Patel氏も、「この研究結果は、医師のスタチン治療開始の提案にあまり乗り気でない患者を説得する際に役立つ」と、前向きに評価している。

一方、依然として慎重なスタンスを崩さない専門家もいる。米クリーブランド・クリニックのSteven Nissen氏は、「多くの医師が、スタチン処方後に患者から副作用症状の相談を受けているのではないか。そのような時、医師にはスタチン以外の脂質低下薬を処方する、または、スタチンによる筋肉痛は実際には少ないものであることを納得させるという二つの方法がある。ただし、患者の訴える症状がスタチンの副作用か否かは分からないにしても、患者の訴えは100%真実である。よって私は患者が服用したくないと言う以上、スタチンを用いない」と述べる。

また、Nissen氏や米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のRobert Rosenson氏は、臨床試験では併存疾患などのために既に複数の薬剤を服用している人は対象から除外されるため、副作用の出現率が実臨床よりも低い可能性があると指摘する。

またRosenson氏は、「今回の研究では、筋肉の分解の程度を表すクレアチンキナーゼがスタチン群でも顕著には上昇していない。しかし副作用のためにスタチンを服用できない『スタチン不耐症』の患者の多くは、クレアチンキナーゼのレベルにかかわらず、痛みや脱力を訴える」としている。

他方、Yang氏もまた、解析対象とされた研究の参加者の80%以上が白人であり、約4人に3人が男性であったことから、女性や黒人、ヒスパニック系、アジア系の人々などを対象とする研究の必要性を指摘している。(HealthDay News 2022年8月29日)

Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)01545-8/fulltext

Press Release
https://www.ox.ac.uk/news/2022-08-30-new-study-shows-muscle-pain-not-due-statins-over-90-those-taking-treatment

構成/DIME編集部


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