近隣との騒音トラブルに悩まされる人は日本でも少なくない。
海を越えて共感できるテーマでありながら、ブラジルならではの要素が加わりさらに面白さが増しているのが、 2022年9月1日よりNetflixで独占配信中の『ネイバー大戦争 ~隣の芝はサンバの香り~』。
ブラジルで製作されたコメディ映画だ。主演は、Netflix『悩める恋の測り方』レアンドロ・ハッサム。
あらすじ
都会の楽器店で働いていたヴァルテル(レアンドロ・ハッサム)は、月間優秀社員に選ばれるほど真面目な働きぶりだったが、ある日過労とストレスで倒れてしまう。
医師の診断によると、ヴァルテルの神経はかなり疲労しており、これ以上騒音を浴び続けると命取りになるという。
ヴァルテルはさっそく、妻ジョアナと一緒に自然豊かな街に移住する。
家庭菜園をしたり、近所をのんびり散歩したりと新しい環境を満喫するヴァルテルだったが、静かで幸せな日々は長くは続かなかった。
ある日ヴァルテル夫妻は、けたたましいサンバホイッスルの音と激しいリズムで目覚める。
隣人トニーニョ・ダ・ヴィラが、隊長として率いているサンバチームの練習を始めたのだ。
見どころ
店で楽器を試しまくる喧しい客に疲れて閑静な田舎に引っ越したと思ったら、隣人がサンバの練習をスタート……。
あらすじを読んだだけで笑ってしまったが、もし自分がヴァルテルの立場だったとしたら、きっと耐え難い苦痛を感じるだろう。
さすがカーニバルの本場だけあって、とにかく騒がしさのレベルが日本とはケタ違いだ。
自宅のプールサイドに大勢のサンバ仲間を集め、ドラムやホイッスルで思いっきり演奏。
練習が終わったあとは、チームみんなでバーベキューをワイワイと。
しかもトニーニョは動物が大好きで、鳥や犬猫、ハムスターなどをペットとして飼育しており、ワンワンニャーニャーコケコッコーと動物たちの鳴き声もサンバと一緒に絶えず響き渡っている。
そして、喧しいのはトニーニョのサンバだけでない。
トニーニョの妻ケリーは大のお喋り好きで、声も大きい。
息子や娘たちもそれぞれドラムやチューバなどの楽器を練習している音楽一家だ。
根っからの悪人ではなさそうだが、とにかく楽しいこと(サンバ、バーベキュー等)最優先で周りの迷惑なんてお構いなしのトニーニョ一家。
映画として観ている分には面白いし笑えるけれど、やっぱり自分の家の隣に住んでいたらかなり嫌かもしれない……。
同じく南米を舞台にド派手なご近所トラブルを扱ったコメディとしてはNetflix『お隣さん戦争』がある。
こちらもギャグ漫画をそのまま実写化したような暴れっぷりが痛快。
Netflix『ネイバー大戦争 ~隣の芝はサンバの香り~』
独占配信中
文/吉野潤子