2022年上半期、日本酒は世界の国々でどれくらい飲まれたのだろうか?
全国約1,700の酒類メーカーが所属する日本酒業界最大の団体である日本酒造組合中央会はこのほど、2022年度上半期(1~6月)の日本酒輸出総額を発表した。
通年ではなく、上半期で区切って数字を発表するのは初めての取り組み。同時に金額・数量とも堅調に伸びていることから、通年の輸出総額の着地も好調であると予想される。
2022年1~6月期の輸出数量も前年比119.8%の17,901kLに
※単位は数量ベースではキロリットル・%、金額ベースでは百万円・%
1~6月で過去最高の輸出金額を記録し、総額は前年比133.7%にあたる約233億円に達した。この結果は、2019年の通年輸出総額(234億円)とほぼ同等となる。また数量においては、1~6月で前年比119.8%となった。
金額、数量とも伸長を見せていることから、2022年の日本酒輸出総額の伸びも期待される。
ちなみに、1~6月の輸出量17,901キロリットルを4合瓶に置き換え、4合瓶を隙間なく並べた場合、その面積は東京ドーム約3個分に相当する。
好調の要因としては、コロナ禍を経て日本より早く営業再開した海外のレストランで、和食の人気とともに、日本酒が注目されていることなどが挙げられる。
加えて、日本酒造組合中央会はフランスソムリエ協会に加え、国際ソムリエ協会との連携を図るなど、日本酒のブランド力向上に取り組んできた。各国の専門知識を持った現地のレストランやバーなどでの人材の育成と品質管理が進み、日本酒ファンが増加していると考えられる。
世界各国で高価格帯の日本酒の需要が高まる
※単位は数量ベースではキロリットル・%、金額ベースでは百万円・%
※財務省貿易統計による。
国別の輸出量を数量・金額ベースで見たところ、量より金額の伸びが大きく、高価格帯の日本酒の需要がさらに高まっていることがわかった。また、米国、中国、香港、シンガポール、カナダ、オーストラリア、英国、マレーシアで1リットルあたりの輸出単価が1,000円を超えていた。
米国及び英国では金額・数量ベースともに伸びをみせ、幅広く日本酒に対する理解が進んでいると予想される。
アジアでは、韓国が2018年の水準まで回復、マレーシア、タイ、ベトナムなどにおいては日本への旅行制限のあるなか、日本食・日本酒への高い関心が続いている。
こうした結果を受けて、日本酒造組合中央会理事の宇都宮 仁氏は「国内飲食需要が、感染拡大の波に翻弄されているなか、順調に輸出が伸びていることが蔵元の励みになっている。徐々に海外渡航しての営業が可能となってきており、さらなる伸長を期待している」とコメントしている。
出典元:日本酒造組合中央会
構成/こじへい