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なぜ、リスクの高い勝負に挑みたくなる?VIPギャンブラーに宿るアントレプレナーの精神

2022.09.18

【短期集中連載:Vol.7】カジノ&ギャンブルの深層『カジノ&ギャンブル VIPギャンブラーにはアントレプレナー精神が宿っている』

ナマステ。カジノライターのかじのみみです。突然ですが、皆さんの回りには「アントレプレナー」はいらっしゃいますか?アントレプレナーとは、「何もないところから事業をスタートさせる人々」として使われる言葉。VIPギャンブラーとなにか関係はあるのでしょうか?シリーズ⑦ではそのことを探ってみました。タイトルは、「VIPギャンブラーにはアントレプレナー精神が宿っている」です。

VIPギャンブラー1回の軍資金は500万円~1000万円

10年以上前のことになる。近年のコロナ禍生活を想像することはまったくなく、海外のカジノでVIPギャンブラーをアテンドしていた際に頭に浮かんだことがあった。それは、VIPギャンブラーには、アントレプレナー精神(起業家精神)が宿っているのではないか、という考えである。

海外有名カジノのVIP施設を訪れるプレーヤーたちは実際に起業している方は多いと考えられるが、会社役員、スポーツ選手、作家、文化人、各国の俳優、歌手、タレントなどもハイローラー施設に姿を現している。

『モナコカジノのエントランスに並ぶ高級車 2006年撮影』

世間一般では、「VIPにはお金があるから」や「お金に余裕があるから」カジノのVIP専用ルームで遊ぶことができると考えられている。確かに、それはその通りである。多くのVIPギャンブラーは経済面で成功者であり、社会に何らの影響を与えている場合も少なくない。

活動が世間で評価につながり金銭的な豊かさを享受しているのだろう。(ときどき他人のお金でプレーしているVIPもいるが)

海外カジノを訪れる国内のVIPギャンブラーは概ね500万円から1,000万円を1回の渡航の軍資金として念頭に置いている方が多いと思われる。中には5,000万円や1億円といった大金を使う大型プレーヤーもいるが、全体の割合で見ると「1,000万円」という金額が日本におけるVIPギャンブラーの一つのラインであるだろう。

では、1,000万円というお金はVIPにとってどれくらいの価値なのか?次に、頭の中ではそのような疑問がよぎった。

(どのような立場のVIPにとっても1,000万円は大金ではないのか?)という考えがある一方で、(いやいや。年収を何億円も受け取っている方にとって1,000万円は、はした金ではないのか)という考えも巡ってくる。

個々のVIPギャンブラーのマインドの奥はアテンド側からは計り知れない。しかしながら、一回の渡航で1,000万円を失ってしまったプレーヤーの中で、悔しさをにじませない人を見たことがないのだ。皆熱がっている。ハートはきっとアッチッチーだ。

『大勝負の対象となることが多いバカラのゲームテーブル』

勝負に負けたVIPギャンブラーは、敗因の理由をアレコレ探し、反省会をおこないながらも発言にとげが出てくる。ときにはディーラーを責め、同じテーブルにいた勝利者をののしり、しまいにはカジノの設定温度にまで文句をいう。

部屋が寒い、コーヒーが濃い!など考えつく一通りの理由を列挙した後、「しばらくカジノは休憩だな」と日頃のうっぷんも交えてアテンダーに語ってくれる。

だが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」かの如く、1週間ほど経ったらまた大金を持ってカジノに戻って来るVIPもいる。リベンジなのか。イライラが募りプレーが恐ろしく走ることもあれば、キラキラとしたオーラを発しギャンブルに専心されていることもある。

このような一連の行為を繰り返し、VIPギャンブラーは自問自答をしながら自身のインナーセルフへと回帰しているように映った。それはまるで、見えない所から「メッセージ」を受け取るための準備期間。移行期のステップ・・・

そして、ある日突然「よし!そろそろ次にいくか!」とハングリー精神に火がつくようである。

『美しい画が施されたルーレットウィール』

ここでもう一度、シリーズ①でご紹介したドストエフスキーの例を取り上げたい。ドストエフスキーはルーレットの倍々プッシュゲームに何度もいどみ敗れ散った。彼はカジノに勝っていたこともあったのだ。現在のお金に換算して数千万円の勝ちがあったときでも彼は賭けをやめなかった。

ギャンブルは諸悪の根源なのか?カジノの歴史とドストエフスキーもハマったルーレットの魔力

【短期集中連載:Vol.1】 カジノ&ギャンブルの深層  ギャンブルって諸悪の根源? ナマステ&はじめまして。カジノライターのかじのみみです。 カジノ、ゲーミン...

カジノチップがなくなるまでやめなかった。このどうしようもない破綻行為が、結果的にではあるが創作意欲に火をつけた!ドストエフスキーはギャンブルで大敗して追い込まれ、代表作『賭博者』を世に送り出したのである。故岡本太郎氏のような言葉で表現するならば、まさに「エネルギーの爆発」があったのだろう。

『ルーレットテーブルとバラの花束』

アントレプレナーシップ、起業家精神、発明家、ウェイショワー(wayshower)。

どのような呼び名にしろ、新しく何かを生み出すときには「憤りのような感情」が必要になる場合がある。悔しさ、みじめさ、怒り、絶望感といった、負の感情をみごと昇華させ、それを力に変え、触媒として「感情エネルギー」は活用できるのだと思う。

VIPギャンブラーは勝負で責め倒れる人もいるが、短期間で立ち上がってくる人も多い。倒れた後に再度立ち上がるには「力(生命力)」が必要である。

大きな商談、大プロジェクト、創作意欲に火をつけ頭を整理するために、あるいは勝負脳をクールダウンさせるためにVIPギャンブラーは勝負をするのかもしれない。そしてときどき、(いや頻繁に)ゲームで大敗をすることだろう。

人間は物質的にハッピーになりすぎると創造性や創作意欲が衰える傾向がある。金銭的に成功をすると一生懸命やらなくても大丈夫な環境が整うためだ。そうなると若かりし頃のがむしゃらな気持ちは物欲とともに失われてしまう可能性はある。

強いVIPギャンブラーは、意識的・無意識的にも、自己の創造性を生み出し続けるためにリスクの高いギャンブルに講じているのではないだろうか。

取材・文/かじのみみ
カジノライター/ カジノコンサルタント

カジノIR・ゲーミング業歴31年。カジノディーラー歴25年。10歳から15歳までインドのボンベイで育つ。2001年、米ラスベガスのPCIディーラーズスクールにて日本人初としてブラックジャック・ルーレット・バカラのディーラーライセンス取得。国内カジノメーカーでの広報・カジノイベント企画運営責任者、米系大手カジノ事業主のVIPマーケティング業を得て、2013年8月フリーとなる。2012年  立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBA)修士課程修了。2019年 マカオ大学 グローバルリーダーシップ育成プログラム 国際統合型リゾート経営管理学(IIRM) 修了。


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