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ドラマでも話題の「公正取引委員会」ってどんなことをする組織?

2022.08.27

フジテレビの月9ドラマ「競争の番人」では、公正取引委員会が舞台として取り上げられています。

公正取引委員会は、一般の方にはあまり馴染みのない行政機関です。ドラマで観て初めて知ったという方もいらっしゃるかと思いますが、どのような役割を担っているのでしょうか?

1. 公正取引委員会の役割

公正取引委員会の役割は、事業者による公正な競争が行われるような環境を整えることです。

事業者間で公正な競争が行われれば、商品・サービスのクオリティの向上、価格の適正化などによって、消費者の満足度が高まると考えられます。

さらに、事業者が競って技術開発等を行うことにより、社会全体のイノベーションが活性化される点も大きなメリットです。

しかし、一部の事業者による市場の独占や、下請事業者に対する「いじめ」などが行われると、事業者間の公正な競争が阻害されてしまいます。

公正取引委員会は、このような不当な競争制限行為を取り締まることで、公正な競争が行われる市場環境を確保する役割を担っているのです。

2. 公正取引委員会による規制の対象行為

公正取引委員会による規制の対象となるのは、独占禁止法または下請法に違反する行為です。

2-1. 独占禁止法違反

「独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)」は、事業者間の公正な競争を阻害する行為を禁止するルールなどを定めた法律です。

独占禁止法では、以下の行為等が禁止されています。

①私的独占

他の事業者の事業活動を排除し、または支配して、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為です。

(例)
・不当な低価格販売による競合他社の廃除
・株式取得による競合他社の支配

②不当な取引制限

他の事業者と共謀して、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為です。

(例)
・カルテル(商品やサービスの価格、販売数量、生産数量などを複数の事業者が話し合って決めること)
・入札談合(公共工事などの入札価格や受注者を、複数の事業者が話し合って事前に決めること)

③事業者団体による競争制限行為

複数の事業者によって構成された事業者団体による、一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為などです。

④競争を実質的に制限する企業結合

株式保有や合併などを通じて複数の事業者が一体化・グループ化することで、市場における競争を実質的に制限する行為です。

⑤独占的状態

市場規模が年間1,000億円超の事業分野において、過度な独占・寡占や新規参入の障害などが発生している状態です。独占的状態は一律禁止ではありませんが、公正取引委員会による規制の対象になる可能性があります。

⑥不公正な取引方法

事業者間の公正な競争を阻害する不公正な取引方法として、以下の行為が禁止されています。

・特定の事業者との取引を共同で拒絶する行為等
・不当な理由により、特定の事業者との取引を拒絶する行為等
・差別的な対価による取引
・取引条件等に関する差別的な取扱い
・事業者団体の構成事業者に対する差別的な取扱い
・不当廉売
・不当高価購入
・欺瞞的顧客誘引(景品表示法上の優良誤認表示・有利誤認表示に相当)
・不当な利益による顧客誘引
・不当な抱き合わせ販売等
・競合他社と取引しないことを取引の条件とする行為
・その他、取引に当たって不当な条件を付ける行為
・取引先の役員選任への不当干渉
・競合他社に対する不当な取引妨害
・競合他社に対する不当な内部干渉

2-2. 下請法違反

「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」は、親事業者が下請事業者に対し、立場の強さを悪用して不公正な対応をすることを禁止するルールなどを定めた法律です。独占禁止法を補完する法律と位置付けられています。

下請法4条では、親事業者の下請事業者に対する以下の行為が禁止されています。

①納品物の不当な受領拒否
②下請代金の支払遅延
③下請代金の不当な減額
④納品物の不当な返品
⑤買いたたき(著しく低い下請代金の設定)
⑥自社商品・サービスの購入・利用の強制
⑦公正取引委員会等への通報を理由とした不利益な取扱い
⑧原材料等の代金の前倒し控除
⑨割引困難な手形の交付
⑩親事業者に対する不当な経済的利益の提供要請
⑪納品物・サービスの内容を不当に変更し、または納品・提供をやり直させる行為

3. 公正取引委員会が行うことのできる主な行政処分

公正取引委員会は警察と異なり、独占禁止法等に違反した者を逮捕することはできません。独占禁止法違反に当たる行為には刑事罰の対象となるものもありますが、被疑者を逮捕するのはあくまでも警察の役割です。

その一方で公正取引委員会には、以下の行政処分を行う権限が与えられています。

①排除措置命令・競争回復措置命令

独占的状態以外の独占禁止法違反に当たる行為を認めた場合は、違反行為を排除するための必要な措置を命ずることができます(=排除措置命令)。

独占的状態がある場合は、事業の一部譲渡など、対象の商品・サービスについて競争を回復させるために必要な措置を命ずることができます(=競争回復措置命令)。

②課徴金納付命令

独占禁止法違反を犯した企業に対しては、対象期間における売上高に対して最大10%の課徴金の納付を命じることができます(課徴金の算定率は、違反行為の内容によって異なります)。

公正取引委員会は、これらの行政処分を効果的に活用することで、市場における健全な競争を確保する役割を担っているのです。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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