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ストライキを適法に行なうための条件と想定されるリスク

2022.08.28

近年は少なくなった印象の労働組合による「ストライキ(同盟罷業)」ですが、依然として毎年ある程度の件数が発生しています。

労働者(労働組合)にとっては、労働条件などを使用者と交渉するに当たって、ストライキは切り札になり得ます。ただし、ストライキを実施するに当たっては、法律上の要件を遵守しなければなりません。

今回はストライキについて、最近の発生状況や、適法に行うための要件などをまとめました。

1. 最近のストライキの発生状況

ストライキを含めた争議行為の件数自体は、1970年代から1980年代をピークとして、その後は明確な減少傾向にあります。

しかし直近の10年間程度に限ってみると、件数はほぼ横ばいで推移している状況です。

1-1. 1951年~2021年のストライキの発生状況

1951年から2021年までの70年間につき、争議行為を伴う労働争議およびストライキ(同盟罷業)の発生状況を10年おきに見てみると、以下のように推移しています。

ストライキを含めた争議行為は、1970年代から1980年代をピークとして、その後は明確な減少傾向にあることがわかります。

<争議行為を伴う労働争議の件数>

件数

1951

670

1961

1788

1971

6082

1981

7034

1991

935

2001

246

2011

57

2021

55

<ストライキ(同盟罷業)の件数>

半日以上の同盟罷業の件数

半日未満の同盟罷業の件数

1951

560

1961

1,386

1971

2,515

4,653

1981

950

6,440

1991

308

730

2001

89

176

2011

28

35

2021

32

36

出典:令和3年労働争議統計調査の概況|厚生労働省
出典:早わかり グラフでみる長期労働統計 Ⅶ労使関係 図2-1労働争議|独立行政法人労働政策研究・研修機構

1-2. 2011年~2021年のストライキの発生状況

2011年から2021年にかけて、争議行為を伴う労働争議の件数は以下のとおり推移しています。直近10年程度の期間で見ると、ストライキを含めた争議行為の件数は毎年増減しており、明確な減少傾向にあるとはいえない状況です。

<争議行為を伴う労働争議の件数>

件数

2011

57

2012

79

2013

71

2014

80

2015

86

2016

66

2017

68

2018

58

2019

49

2020

57

2021

55

出典:令和3年労働争議統計調査の概況|厚生労働省

<ストライキ(同盟罷業)の件数>

半日以上の同盟罷業の件数

半日未満の同盟罷業の件数

2011

28

35

2012

38

52

2013

31

49

2014

27

61

2015

39

60

2016

31

47

2017

38

46

2018

26

42

2019

27

33

2020

35

34

2021

32

36

出典:令和3年労働争議統計調査の概況|厚生労働省
出典:早わかり グラフでみる長期労働統計 Ⅶ労使関係 図2-1労働争議|独立行政法人労働政策研究・研修機構

2. ストライキを適法に行うための要件

ストライキを適法に行うためには、以下の要件をすべて満たさなければなりません。

①労働組合が主体となること

ストライキは、労働組合が主体となって行う必要があり、一部の労動者が独断でストライキを行うことはできません。

②ストライキが労働組合の目的に沿っていること

ストライキは、労働環境や労働条件の維持・改善など、労働組合の目的に沿った理由で行われなければならず、いわゆる「政治スト」などは認められません。

③手段・態様が正当であること

ストライキの実施に当たって、暴力を行使することは違法です(労働組合法第1条第2項但し書き)。

④労働組合員等の決議に基づいて行われること

ストライキを実施する場合、直接無記名投票の方式により、以下のいずれかの者の過半数によって実施を決議しなければなりません(労働組合法第5条第2項第8号)。

・労働組合員
・労働組合員の直接無記名投票により選挙された代議員

⑤使用者側との協議を尽くしたこと

ストライキは労使交渉における最後の手段であるため、使用者側との協議が尽くされてない場合や、すでに労動者の主張の大部分が受け入れられている場合には実施できません。

⑥労働協約を遵守すること

会社と労働組合の間で労働協約を締結していれば、ストライキは労働協約の規定に従って実施しなければなりません。

⑦ストライキが法律で禁止されていないこと

国家公務員や地方公務員によるストライキなど、法律で禁止されているストライキは実施できません(国家公務員法第98条第2項、地方公務員法第37条第1項など)。

3. ストライキを行うことのリスク

労働者側(労働組合)にとって、ストライキは使用者への強力な対抗手段である一方で、以下のリスクがある点に十分注意しなければなりません。

①ストライキ期間中は無給になる

ノーワークノーペイの原則に従い、ストライキによって仕事をしない期間中は無給となります。

②使用者からロックアウトを受ける可能性がある

過激な態様でストライキが行われるなど、使用者側が著しく不利な立場となるおそれがある場合には、使用者によるロックアウト(作業所閉鎖)が認められる可能性があります(最高裁昭和50年4月25日判決)。

ロックアウトが適法に行われた場合、その期間中は賃金の支払いが不要となるため、労働者にとっては無給の期間が増える点に注意が必要です。

ただし統計データ上は、2005年以降ロックアウトは1件も確認されていません。

出典:令和3年労働争議統計調査の概況|厚生労働省
出典:早わかり グラフでみる長期労働統計 Ⅶ労使関係 図2-1労働争議|独立行政法人労働政策研究・研修機構

③違法なストライキに参加した場合、懲戒処分を受ける可能性がある

ストライキが違法である場合、参加した労働者は無断欠勤その他の服務規程違反に該当し、懲戒処分を受ける可能性があります。

ただし、単にストライキへ参加しただけの労働者に対して、懲戒解雇などの重い懲戒処分を課すことは違法と判断される可能性が高いです(労働契約法15条、16条)。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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