タイで起こった実話を元に洞窟に閉じ込められた少年たちの救出劇を描いたAmazon Prime Videoの話題作「13人の命」
2022.08.272018年にタイで起こったタムルアン洞窟遭難事故。
世界屈指のレスキュー・ダイバーらは、絶体絶命の状況から、いかにして少年ら13名の命を救ったのか。
2022年8月5日よりAmazon Prime Videoで独占配信中Amazon Original『13人の命』は、アメリカで製作されたアクション&ヒューマン映画。
アメリカでは7月末に劇場公開された。
監督は『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズのロン・ハワード。
主演は『グリーンブック』『ロード・オブ・ザ・リング』のヴィゴ・モーテンセン。
あらすじ
2018年6月23日、チエンラーイ県。サッカーチームの少年たちは、練習後に軽い気持ちでタムルアン洞窟の探検に出かけた。
しかし大雨が降り、少年たちとコーチの計13名が洞窟の中にいる間に水面が大幅に上昇。
その結果、洞窟の中に取り残されてしまう。
水没した部分は狭い迷路のような構造になっており、素潜りで脱出するのは困難な状況。
タイ政府の要請により、世界最高レベルのダイバーによる救助チームが急きょ結成される。
イギリス出身のリック・スタントン(ヴィゴ・モーテンセン)とジョン・ボランサン(コリン・ファレル)は、世界中で洞窟レスキューを行ってきたプロのダイバー。
タイ海軍特殊部隊やボランティアと連携を取りながら、命がけの救助活動を行う。
見どころ
本編では、洞窟の地図が何度も画面に表示されるのだが、細長く曲がりくねった構造を見ながら実際の現場を想像すると、背筋がゾッとする。
洞窟の入り口から少年たちがいる場所までの距離は約2キロメートルにも及び、しかも真っ暗で水の流れが速い。
しかし救助チームの人々は自らの危険も顧みず、13人を救うため、狭く暗く冷たい洞窟の中を懸命に潜り続けた。
プロのレスキュー・ダイバーですら行き来するのに一苦労な細長い洞窟の中を、子どもたちを生きたまま運び出すという、まさに“ミッション・インポッシブル”な状況。
雨季にうっかり洞窟に入ってしまったのは間違いだったが、少年たちもこの恐ろしい状況によく耐えたものだと感心した。
日頃サッカーの練習で培った体力と精神力、そして団結力が発揮されたのだろう。
国内外から集まった人々が一丸となり、まるで自分の家族のことのように心配したり無事を喜んだりする様子を観ていると、心が温かくなる。
本作の主人公はイギリス出身の洞窟レスキューダイバーであるリック&ジョンだが、救助作業中に殉職したタイ海軍特殊部隊の兵士や、“不可能を可能にした”麻酔科医、バンコクからボランティアとして参加した水道技師、子どもたちの命を救うため田んぼを犠牲にした地元農家など、大勢の人々の貢献があったことも忘れてはならないと思った。
Amazon Original 『13人の命』
Prime Videoで独占配信中
(c)Amazon Studios
文/吉野潤子