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離婚後に発生しやすい養育費トラブルをスムーズに解決する方法

2022.08.28

離婚後に養育費が不払いとなったり、養育費の支払いに関する協議が難航したりすると、親権者の側は経済的な苦境に陥る可能性があります。

1日も早く養育費トラブルを解決するためには、裁判所の法的手続きの利用もご検討ください。

今回は、離婚後の養育費トラブルを解決する方法についてまとめました。

1. 離婚後に発生しやすい養育費トラブルの例

離婚後の養育費トラブルの多くは、以下の2パターンに大別されます。

①取り決めた養育費が支払われない

協議や法的手続きによって養育費の支払い義務が確定したにもかかわらず、決まった養育費が支払われないケースが後を絶ちません。

②養育費に関する取り決めがない

養育費を取り決めないままに離婚した場合、離婚後の養育費に関する協議が難航するケースがよくあります。合意等が成立するまでは養育費の支払いを受けられないため、親権者にとっては酷な状況になりかねません。

これらの養育費トラブルを解決するためには、問題状況に合わせた適切な法的手続きを選択・ご利用ください。

2. 取り決めた養育費の不払いを解決するには?

協議や法的手続きによって確定した養育費が支払われない場合、裁判所の強制執行手続きによる回収を目指しましょう。

2-1. 強制執行により養育費を回収可能

強制執行とは、債務者の財産を差し押さえて、強制的に債務の弁済へ充当する手続きです。たとえば、債務者が所有する預金・不動産などの財産や、勤務先から支払われる給与などを差し押さえることができます。

特に養育費が不払いとなっているケースでは、元配偶者に対して将来支払われる給与に対する強制執行も認められています(民事執行法151条の2第1項第4号)。

最大で手取り額の2分の1を差し押さえることができるため(同法152条1項、3項)、養育費全額を回収できる可能性が高いです。

2-2. 強制執行を申し立てるためには「債務名義」が必要

養育費を回収するために強制執行を申し立てるには、「債務名義」と呼ばれる公文書を裁判所へ提出しなければなりません(民事執行法22条)。

<債務名義に当たるものの例>
・確定判決
・仮執行宣言付判決
・和解調書
・調停調書
・審判書
・執行証書(強制執行認諾文言が記載された公正証書)
・仮執行宣言付支払督促
など

すでに債務名義を保有していれば、それを裁判所に提出することで、直ちに強制執行手続きを始められます。

これに対して、まだ債務名義を持っていない場合には、強制執行を申し立てる前に債務名義を取得しなければなりません。

特に、協議によって養育費の支払いを合意したケースで、合意当時に公正証書を作成しなかった場合には、債務名義を持っていないことが多いでしょう。

その場合は裁判所に対して、支払督促の申立てまたは訴訟の提起を行い、迅速な債務名義の取得を目指してください。

3. 難航する離婚後の養育費協議を解決するには?

離婚当時に養育費について取り決めず、離婚後の協議も難航している場合には、家庭裁判所の調停・審判の利用をご検討ください。

3-1. 家庭裁判所の調停・審判を利用する

家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てると、調停委員による仲介の下で、元配偶者と養育費の支払いに関する話し合いが行われます。

当事者だけの協議よりも冷静な話し合いをしやすい点が、養育費請求調停のメリットです。当事者双方が調停案に同意すれば、その内容が調停調書に記載されます。

調停によっても合意に至らない場合は、家庭裁判所が審判を行い、養育費の金額や支払い方法を強制的に決定します。

なお、調停調書や審判書は債務名義に当たるため、元配偶者が支払いに応じない場合には強制執行を申し立てることができます。

参考:養育費請求調停|裁判所

3-2. 養育費の適正額はどのように決まるのか?

毎月の養育費の適正額は、「養育費算定表」を用いて求めることができます。養育費算定表では、元夫婦の各収入や子の人数・年齢に応じて、毎月の養育費の金額目安が表形式でまとめられています。

元夫婦の合意があれば、養育費算定表とは異なる金額の養育費を定めることも可能です。しかし、協議・調停が難航して審判に発展した場合、基本的には養育費算定表をベースとして養育費の金額が決定されます。

参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所

ただし、養育費算定表で求められる金額に含まれているのは、標準的な生活費や義務教育の費用、公立高校の入学金・授業料などに限られます。

たとえば、以下に挙げる特別費用は、養育費算定表で求められる金額に含まれていません。

・私立学校の入学金、授業料
・大学の進学費用
・部活動の費用
・習い事の費用
・進学塾に通う費用
・海外留学する費用
・病気やケガの治療のために要する費用
など

これらの特別費用についても、本来は元夫婦が資産・収入等に応じて分担すべきものです。後日のさらなる養育費トラブルを防ぐため、特別費用の分担についても、調停・審判を通じて取り決めておくことをお勧めいたします。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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