新型コロナウイルスの世界的流行が3年目に突入した。未だに終息の目途が立たないパンデミックは、企業にとって将来を担う世代であるZ世代・ミレニアル世代の社会観・就業観にどのような影響を与えているのだろうか?
デロイト トーマツ グループはこのほど、グローバルで行っているZ・ミレニアル世代を対象とした年次調査の最新版となる「Z・ミレニアル世代年次調査2022」の結果を発表した。
本調査は、世界各国のZ・ミレニアル世代約23,220名(Z世代14,808名、ミレニアル世代8,412名)を対象に、2021年11月から2022年1月にかけて実施したものだ。
なお、本調査ではZ世代を1995~2003年生まれ、ミレニアル世代を1983~1994年生まれと定義している。
日本のZ世代、ミレニアル世代では約半数が“ハイブリッドワーク”を希望
今後希望する勤務形態については、「概ね出社」「出社と在宅が50:50」「概ね在宅」といった出社とリモートワークを合わせた“ハイブリッドワーク”を日本のZ世代50%、ミレニアル世代49%、グローバルのZ世代63%、ミレニアル世代62%が希望し、出社とリモートワークそれぞれのメリットが得られるワークスタイルを望む傾向がある。
また、完全な出社・リモート勤務を選択した回答はグローバル、日本でそれぞれ20~30%程度に留まり、日本のミレニアル世代は31%が「100%出社」と比較的高く回答している。
リモートワークは、自由時間の増進やメンタルへのよい影響だけではなく「節約」の経済的恩恵も
リモートワークによる生活の変化を問う設問では、「自由時間の増進」「メンタルヘルスの好転」といったワークライフバランスに関する影響のほか、「節約」(例えば出勤時の昼食等の食費や通勤に伴い購入する被服費、雑費の減少など)をポジティブな影響としてとらえている。
一方、ネガティブな変化として「同僚と関係性を築くことが難しい」「孤独・排斥感を感じる」といった、コミュニケーションの課題も明らかになり、企業はリモート環境の整備に終始せず、多様な働き方において従業員との関係を醸造するコミュニケーションやマネジメントが肝要である。
グローバル・日本ともに“生活費”が最大の関心事に
今回の調査では、グローバル、日本の両世代とも「生活費」が最も高い関心事となった(グローバルZ世代29%、ミレニアル世代26%、日本Z世代30%、ミレニアル世代30%)。
グローバルでは例年「気候変動」(今回の回答ではZ世代24%、ミレニアル世代25%)や「失業」(今回の回答ではZ世代20%、ミレニアル世代20%)に高い関心を寄せる一方、日本では「経済成長」(今回の回答ではZ世代20%、ミレニアル世代27%)や「富と所得の不平等」(今回の回答ではZ世代19%、ミレニアル世代19%)に関心が集まっている。
また、足元の経済的余裕についての問いでは、グローバルのZ・ミレニアル世代、日本のミレニアル世代の40%超が「余裕あり」と回答しているのに対し日本のZ世代の同回答は26%にとどまり、上記の関心事と併せて日本のZ世代は経済状況に対して強い不安を感じていることがうかがえる。
<調査概要>
本調査は、デロイト グローバルが2021年11月から2022年1月に実施したもので、世界46カ国約23,220名のミレニアル世代(本調査では1983年~1994年生まれ)とZ世代(同1995年~2003年生まれ)を対象に行った調査。
調査形式 : Webアンケート方式
調査時期 : 2021年11月~2022年1月
調査対象 : 23,220名(内、日本801名:Z世代501名、ミレニアル世代300名)
出典元:デロイト トーマツ グループ
構成/こじへい