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原因はストレスではなかった!?解明されつつある「円形脱毛症」の原因と新しい治療法

2022.08.25

円形脱毛症といえば、ひと昔前までは「ストレス」が原因というイメージがあった。しかし現在では本当の原因が解明されつつあり、自己免疫疾患であるという。

ストレスが高じて円形脱毛症になるのを恐れているビジネスパーソンもいるかもしれない。専門医に原因の実際のところを聞いてみた。また、新しい治療法についても紹介する。

円形脱毛症の原因は「ストレス」だと8割以上が認識

グローバルな医薬品企業である米国発のイーライリリー・アンド・カンパニーの日本支社 日本イーライリリーが2022年2月に「円形脱毛症」に関する認識調査を、一般生活者250人、円形脱毛症患者(過去も含む)47人を対象に実施した。

一般生活者に円形脱毛症の原因で当てはまると思うものを聞いたところ、「ストレス」だと8割以上が認識していることが判明した。一方で、「免疫機能の異常」と回答した人は、4人に1人以下。実はこの「免疫機能の異常」が実際の原因といわれる。

また、患者への調査では、全体の約7割が、罹患していることを隠したいと感じていることが分かった。円形脱毛症にかかったことで感じたこと・経験したこと、変化などについては、「自分はメンタルが弱いと思った」が66.7%にも上った。

こうした状況を受け、同社は2022年8月1日(月)より、円形脱毛症と向き合うプロジェクト「見る目を、変えよう。」をスタート。

日本では従来、円形脱毛症は精神的ストレスが発症原因として強調されてきたなか、近年は解明され、根本原因は、自己免疫疾患と考えられている。しかし「心が弱い」と思われることで多くの患者が悩んでいることから、円形脱毛症への思い込みを解き、世間からの視線に苦しむ患者を取り巻く社会を少しでも思いやりのある環境に変えたいという思いから、本プロジェクトを発足したという。

円形脱毛症とは

そもそも、円形脱毛症とは何か。円形脱毛症などをはじめとした脱毛症を診る西新宿サテライトクリニック院長、東京医科大学名誉教授 坪井良治氏の解説の下、確認しておこう。

【取材協力】

坪井良治氏
西新宿サテライトクリニック院長
東京医科大学名誉教授、円形脱毛症の患者会理事長
円形脱毛症、男性型脱毛症、瘢痕性脱毛症など毛髪のトラブルをはじめ、水虫、爪のトラブル、スキンケア、床ずれ、アトピー性皮膚炎、皮膚がんなど専門は幅広い。2017年より現在まで、NPO法人「円形脱毛症の患者会」の理事長も務めている。

円形脱毛症とは、後天性に頭部に円形の脱毛斑(毛が抜けた部位)ができる病気と定義されている。

円形脱毛症は、頭皮の面積に対する脱毛範囲の割合と脱毛形状で重症度が診断される。

脱毛範囲が25%未満で、円形の10円玉や500円玉のような形での脱毛が1カ所であれば「単発型」、2カ所以上あると「多発型」と呼ばれる。これらのうち脱毛の範囲が少なければ軽症だが、脱毛の範囲が頭皮の25%以上になると日本の定義では重症と診断される。

単発型は自然治癒する場合もあるが、重症例では増悪・軽快を繰り返しながら脱毛斑が拡大することが多い傾向にあるという。

円形脱毛症の原因と誘因

なぜこうした円形脱毛症が起きるのか。その特徴と原因、誘因となるものを知っておこう。

●円形脱毛症の脱毛の特徴

円形脱毛症は、毛の組織にある毛をつくりだす「毛球部」が免役細胞に攻撃されることで脱毛が起こる。毛包幹細胞は攻撃されず、維持されるので永久脱毛は起こらず、何回でも脱毛と再生を繰り返すという。

頭髪は毛周期の3つのサイクル「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返して生え変わりを繰り返しているが、円形脱毛症における免疫細胞の毛球部への攻撃は、毛の成長と同時に起こるため、正常と比べて成長期が短くなる。さらに、免疫細胞の攻撃が持続すると、再び成長期に入れず、休止期が長くなり、脱毛している状態が続く。

●原因は「免疫寛容の破綻」

近年、円形脱毛症の原因は、毛組織の免疫寛容の破綻によるものであることが分かってきた。免疫寛容とは、免疫の攻撃から特別に守られているという意味。その免疫寛容が何らかの誘因で破綻すると、毛球部の細胞は、免疫の攻撃を受ける自己免疫反応が起きやすくなるという。リンパ球などの免疫細胞によって毛球部が攻撃されて破壊されるのだ。

●発症に関わっている誘因

では「免疫寛容の破綻」の誘因は何か。大きく「体質」と「環境要因」があるという。

因果関係が強いとされているのが、遺伝的要因だという。

一方で、心理的ストレスが円形脱毛症の発症要因であるという点については、メカニズムについて、いくつかの仮説はあるものの、学術的には明らかにはなっていないという。

強い心理的ストレス後に脱毛症状が生じる例はあるというが、まったくストレスの実感がなく発症している患者さんも多いそうだ。また、逆に、円形脱毛症が、うつ病など精神疾患を憎悪させる因子としても指摘されていることから、円形脱毛症と精神疾患は、相互に影響し合っている可能性があるともいわれている。

円形脱毛症は誰でもかかる可能性がある

円形脱毛症については、ぜひ正しい知識を持っておきたい。円形脱毛症は、どのように予防ができるのだろうか。坪井氏に尋ねたところ、次のように回答する。

「円形脱毛症は、誰でもなる可能性があります。一生のうちに円形脱毛症にかかる確率は100人に約2人で、珍しい病気ではありません。また、どの年代でも同様に可能性があります。大部分の人は軽症で治りますが、一部の人では悪化して固定してしまいます。

重症な円形脱毛症は自己免疫疾患と考えられています。悪化を防ぐためには、免疫細胞を刺激するようなイベントはできる避けたほうがよいでしょう。例えば、高熱を伴う感染症、精神的ストレス、物理的ストレス(外傷、手術)、厳しいダイエット、体力消耗などです」

円形脱毛症の新たな治療法

円形脱毛症の治療は、従来から、ステロイドと局所免疫療法が中心といわれる。そうした中、近年、重症型円形脱毛症の新薬として、毛包攻撃の伝達物質を抑え込む「JAK阻害薬」に期待が寄せられているという。従来の方法と比べて、患者にとってどのようなメリットがあるのだろうか。坪井氏は次のように解説する。

「従来、有効とされてきたステロイド(外用、注射、内服)に比較すると、JAK阻害薬は毛包攻撃に関与する免疫細胞の働きをピンポイントで抑制することができます。また、そのために副作用が少ないことも特徴です。

局所免疫療法は比較的安全な方法ですが、JAK阻害薬に比較すると効果が強くありません。また、円形脱毛症では約40%にアトピー性皮膚炎を合併しますが、局所免疫療法はかゆみを誘発するため、このような患者さんではアトピー性皮膚炎が悪化して全身のかゆみが強くなることがあります。JAK阻害薬はアトピー性皮膚炎にも適応があり、二つの疾患を合併している患者さんには非常に有効な治療法となります」

誰にでも起きる可能性のある円形脱毛症。もしも自分がかかったら、ということを想像しながら、できることの第一歩は、ストレスではなく自己免疫疾患として、正しい理解を持つことといえる。

取材・文/石原亜香利


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