TBS『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』は、1986年から1992年まで放映されていた。
この番組で行われていた「おもしろビデオコーナー」は、国際的に評価されている。
というのも、1986年当時は「映像はプロが撮るもの」という固定観念があり、しかも家庭用ビデオカメラの普及率が低い中で「一般視聴者に面白い映像を撮ってもらおう」という志村けんの発想は極めて革命的だったのだ。
「誰でも面白い動画を撮影することができる」というのは、現代の常識になった。
そして「映画並みのダイナミックな動画撮影」も、決して難しいものではなくなっている。
重量は800g未満!
筆者と『SCORP-Mini』の出会いは、ワイヤレスイヤホン『GENKI Waveform』の接続についてMakuake本社に足を運んだ時のことだ。
筆者が通された会議室に、たまたま『SCORP-Mini』の現物があったのだ。
「これ、今度Makuakeでの予約が始まる製品なんですよ。良ければサンプル送りますよ?」
Makuakeのキュレーターにそう提案されてから、筆者は何となく『SCORP-Mini』を気にかけるようになった。
話によると、このジンバルはスマホからコンパクトデジカメ、ミラーレス一眼カメラまで設置することができ、しかもパン、チルト、ロールの3軸制御が可能とのこと。その割には、妙に小型なのも気になった。
3軸制御できるジンバルといえば、もっと大掛かりな代物ではなかったか?
しかし『SCORP-Mini』はどう見ても片手で保持する前提の設計で、実際に重量は約787gしかないという。
仮に500gのカメラを設置するとしても、せいぜい1.3kgという具合だ。か、軽い!
これは、@DIMEで取り上げるべき製品じゃないか? そんな考えがいつまでも筆者の脳裏に貼り付いていた。というわけで@DIMEの編集部にこの製品のことを伝え、レビュー記事執筆のための許可を取った次第である。
パワフルなモーターに一目惚れ
最近では「360度撮影に対応する自撮り棒」というものも登場している。
その場の景色の全容を記録するには、360度パノラマ撮影が最も適している。
無論、『SCORP-Mini』もそのような撮影に対応している。いや、この製品にとっての得意分野と書くべきか。
もっとも、「360度撮影」という書き方だけでは説明不足だ。パン(水平方向)を回すのかロール(レンズを軸にしたカメラの左右方向)を回すのかという違いもある。
が、『SCORP-Mini』はその両方を自在にこなせる。
それを可能にするのは、強力なモーターだ。
この記事の画像を見ていただければ分かるが、『SCORP-Mini』をレビューするにあたって設置しているのは富士フイルムのミラーレス一眼カメラ『X-A5』である。
重量はレンズを含めると500g近く。スマホと比較するとだいぶ重い。
それを自由自在にグルグル回転させられるだけのバッテリーがこの製品にはある、ということだ。
筆者の意識は、撮影そのものよりもモーターのパワフルさに行ってしまった。
ここぞという時にカメラを保持できる力が、何とも頼もしい!
電源をOFFにした際の関節部は「ぶらん」という状態だが、電源を立ち上げた途端にパワーがモリモリ湧き出てくる具合である。
こういう部分に注目してしまうのは、筆者が変態だからだろうか?
ちなみに、このモーターの出力は専用アプリで調整可能だ。
ビジネスは「魅せ方」で決まる
プレゼン用の映像資料を制作する際も、この製品は大活躍必至である。
人間は「面白い映像に逆らえない動物」である。
それは冒頭の「おもしろビデオコーナー」も証明していた事実だ。
まったく同じ製品を紹介する動画でも、ただ単に正面からそれを映しているのといろいろな角度からそれを映しているのとでは、説得力に大きな違いが出る。
何だかんだで、ビジネスは「魅せ方」で決まってしまうということでもある。
従って、中にはわざわざアウトソーシングの映像クリエイターを手配する企業もある。
もちろん、クリエイターを雇うのはタダではない。
しかし『SCORP-Mini』を使いこなせるようになれば、ダイナミックかつ訴求力のある映像を自分たちだけで制作できるようになるのではないか?
プライベートでもビジネスでも
『SCORP-Mini』のような製品の登場により、今後ますます「面白い動画」が世に溢れるに違いない。そしてその中から、21世紀中葉を牽引する新しい映像クリエイターや魅力的な新製品が登場するはずだ。
『SCORP-Mini』はMakuakeで予約を受け付けている。
価格は3万3990円(8月22日現在)。
プライベートでもビジネスでも大いに活用できる製品であることは、ここで断言しておきたい。
【参考】
撮影の楽しさを刺激するジンバル、FeiyuTech超軽量新作SCORP-Mini-Makuake
取材・文/澤田真一