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その手があったか!グラフィックデザイナーが提唱するクリエイティブな整理収納術

2022.08.25

快適な住まい空間を実現する“クリエイティブ”な整理・収納術

おうち時間が増え、在宅ワークが普及した昨今、「整理・収納」が再び注目を浴びている。

かつては整理・収納といえば、実家や汚部屋の片付けに代表されるように、とにかく処分することがメイン。「ミニマリスト」「断捨離」という言葉が流行し、モノの少ない部屋が正解という雰囲気があった。

対して今は、処分優先ではなく、なるべく捨てずに整理・収納というトレンドに変化している。

■広告制作の仕事と整理・収納は似ている

その中でも、「クリエイティブ」な整理・収納術を提案するのは、グラフィックデザイナーのTSUN(つん)さんだ。

広告業界に身を置くTSUNさんによれば、自身の仕事と整理収納の間には、共通点が多いという。

例えば、広告制作において必要な、「課題を読み解くこと」「目的に合わせたコンセプトづくり」「情報を整理して読みやすくレイアウトすること」といった仕事は、ほとんどそのまま整理・収納に応用することができると説く。

実際、TSUNさんの自宅の整理・収納には、彼女のノウハウがいかんなく発揮されている。

中古マンションをリノベーションしたTSUNさんの自宅の一室

TSUNさんは、2020年にYouTubeチャンネル「uchilog(ウチログ)」を開設。そこでは、整理・収納を含めたクリエイティブな家事のコツを披露しており、「洗濯機まわりを有効活用して収納を増やす方法」という動画は、150万回の再生数を突破するほどの人気。

 

また、今年6月には、書籍『クリエイティブ整理・収納術』(クロスメディア・パブリッシング)を上梓している。

TSUNさん流の片づけメソッドは、クリエイターでなくともすぐに実践できる点が特徴。本書からそのいくつかを紹介しよう。

■まず室内の写真を撮る

TSUNさんは、最初の取り組みとして、家の中の写真を撮ることをすすめている。

“リビング、キッチン、寝室、クローゼット、洗面所、トイレなど各部屋をあらゆる角度から写真に記録しておいてください。高機能なカメラを使わなくても大丈夫。スマホで撮影すれば、日付もすぐに確認できるうえ、いつでも見返すことができるので便利です。”

なぜ写真を撮るのか?人は普段見慣れている場所は、不便であったり不自然なところがあっても、なかなか認識しにくい。

それが、写真を撮ることで、ある種の客観化が可能になり、収納・整理の問題点が発見しやすくなるからだ。写真を見て、「こんなはずじゃないのにな」「なんかモヤモヤするな」といった気持ちが湧き上がれば、そこが改善すべき点だと浮き彫りになる。

またTSUNさんは、整理・収納をすませた後の写真も撮り、ビフォーアフター両方の写真を保存していくおくことも、アドバイスしている。

これは、次の整理収納のモチベーションに繋がるだけでなく、何年かして再び「モヤモヤ」を感じてきたら、写真を見比べることで元の状態に戻しやすくなるというメリットがある。

■モノを使う場所のそばに収納スペース

収納スペースに不足はないのに、なぜかモノが片付かない例がよくある。

モノを出し、使い終わったら、また元の場所にしまえば、部屋が散らかるということはないはず。なのに、こんな現象が起きてしまう理由としてTSUNさんは、収納場所まで行って片付ける、そのわずかな労力が意外と「面倒」だという心理を挙げる。

そこで解決法となるのが、使う場所のそばに収納スペースがあることを徹底させるというものだ。

“たとえば、薬箱をリビングの引き出しに収納していたとして、薬を飲む際に毎回キッチンへ移動して水を用意しているのであれば、薬箱自体をキッチンに収納してしまえば、リビングとキッチンを往復する必要がなくなります。箱を開けるカッターを玄関に収納しておけば、荷物が届いたその場ですぐ開封でき、1歩も歩かずに、不要なダンボール箱をゴミに出す準備が完了します。”

これはほんの一例。収納場所の見直しは、「使う頻度が高いモノにこそ大きな効果を発揮します」とのことで、日常的に使うモノとその収納スペースをもっと接近できないか、検討してみると良いだろう。

■重ねすぎず、詰め込みすぎず

収納スペースを最適な場所に決められても、そこからモノが取り出しにくい、元に戻しにくいでは、出し入れが面倒になって、結局部屋が散らかる原因になってしまう。

TSUNさんは、モノを出してからしまうまでの動作数に比例して、面倒くささとストレスフルの大きさも比例すると説明する。かといって、しまわずに出しっぱなしでは、部屋のスペースが圧迫されるし、居心地の悪いものとなる。

TSUNさんは、自身の経験から、そうした失敗につながる収納には、「重ねすぎる」「詰め込みすぎる」「とりあえず収納グッズを買う」の3つの特徴のいずれかが当てはまるとする。

例えば「重ねすぎる」の代表例に、食器棚の皿がある。

“同じ種類のお皿なら重ねても問題ありませんが、違う種類を重ねてしまうと、下のお皿を取り出すために、毎回上のお皿を一度退かすという両手を使ったアクションが増えます。退かしたお皿を一時的に置いておく場所も確保しなければなりません。”

これは、筆者(鈴木)も実家に帰省するたびに経験する。棚の中では、数十年の間に積まれた様々な食器の「ビル群」が立ち並び、本当は一番下の食器を取り出したいのだが、それが大変。で、結局、一番の上の食器ばかりを妥協して使うことになる。

TSUNさんの解決策は、単純にして明快だ。

“解決策としては、重ねる枚数を少なくする、ディッシュスタンドなどで立てて収納する。コの字ラックを活用して間に棚を追加するなど。下のお皿の使用頻度が低いのであれば、手放すことを検討してもよいでしょう。”

次の帰省時は、親にディッシュスタンドをプレゼントすることにしよう。

さて、もう1つの「詰め込みすぎる」という問題。スペースが既にぎゅうぎゅうなのに、さらに無理やり詰め込む労力がストレスだし、必要時に出すのも難しくなって二重のストレスになる。

TSUNさんは、収納スペースは「2割程度の余白」が欲しいと説く。これぐらいの余白があれば、しまうのも取り出すのもラクでストレスがない。

また、この余白をキープするコツとして「1つ増えたら1つ手放す」、いわゆる1イン1アウトの考え方をすすめる。ミニマリストの考えにやや近いが、これが苦手な場合、省スペースでも収納できる便利アイテムを活用するなど、工夫が必要となる。

ただし、「とりあえず収納グッズを買う」はNG。サイズをしっかり計るなど、「買って損した~」とならないよう注意を促している。

衣類の整理・収納をするTSUNさん

長くなるのでここでは割愛したが、本書には、突っ張り棒や100均で買えるワイヤーネットの活用術や、クリエイティブな家具選び・レイアウトについても、多くのページが割かれている。散らかりがちな我が家をスッキリさせたいと考えている方は、こちらを参考に取り組んでみてはいかがだろうか。

TSUN(つん)さん プロフィール
Tsugiko Nagasaki。1969年、東京都生まれ。広告代理店、デザイン事務所を経て、1999年にグラフィックデザイナーとして独立。大手メーカーのSP広告、パッケージデザイン、WEBデザインなど、数多くの広告制作に携わる。リノベーションをきっかけに「快適な暮らし」をテーマにしたウチブログを開設。第9回ESSEインテリアグランプリ審査員賞受賞、リノベりす2016年リノベ人気事例1位、relife×SUVACO・リノベりすインタビューなど、受賞・メディア掲載多数。
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/uchilog

文/鈴木拓也(フリーライター)

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