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深刻化する飲食店の人手不足、予約管理ツールや注文ツールでどこまで解決できる?

2022.08.22

コロナ禍の外食自粛から飲食店へ客足が戻ってきているいま、人手不足や業務負担の課題がさらに深刻化しているといわれる。そんな課題を解決する手段の一つがフードテックだ。中でも、予約管理ツールや注文ツールが、より進化を遂げている。今回は、3つのサービスの最新トピックスと共に、飲食店のどのような課題を、どのように解決するのかを提供する各社へ聞いた。

1.AIスタッフが電話予約受付

飲食店向け予約管理システム「ebica」を運営する株式会社エビソルが、LINE株式会社と共同開発した飲食店向けAI電話予約応対サービス「AIレセプション」は、AIスタッフ“さゆり”が、24時間365日、飲食店の電話予約をすべて応対するサービスだ。「取れない電話をなくしたい」という店側の課題を解決する。

●「AIレセプション」とは

「AIレセプション」は、エビソルが、LINEのAIソリューション「LINE AiCall」と協働して開発した飲食店におけるAI電話予約応対サービス。電話口で応対する、AIスタッフ“さゆり”は、消費者からの要望を汲み取り、抑揚のある人間に近い自然な音声で、店舗スタッフに代わって電話応対する。コールセンターとも音声ガイダンスとも異なる、自由度の高い、まるで「ヒト」と会話しているような自然な音声応対が特徴だ。

●開発背景

エビソル代表取締役 田中宏彰氏は、「AIレセプション」の開発背景について次のように述べる。

「当社は飲食店向けの予約管理システム『ebica』を提供していますが、当初よりネット予約を普及させて、消費者の利便性を高めることにより、飲食店の予約業務を効率化することを目指していました。

コロナの影響が出る前の2019年、スマートフォンの普及が進んだことにより、飲食店の予約もネット予約が一般化しつつありましたが、特に来店当日の予約に関しては55%が電話経由となっており、飲食店は電話予約とネット予約の両方を管理することになり、予約管理業務は効率化するどころか複雑化していました。

そうした中、LINE AiCallというLINEのAI技術に出会い、電話で予約するという消費者の行動を変えるのではなく、AI技術を活用して、ヒトと話しているような自然な会話の中で電話予約をデジタル情報に変換することで、飲食店の予約をデジタルで一元管理できるようにするというビジョンをLINE社と共有することができ、実証実験を始めました」

●課題解決の仕組み

「AIレセプション」は、飲食店のどのような課題をどのように解決するのか。

「いつ電話してもつながらないというのが、消費者が予約時に抱く最も大きな不満です。飲食店にかかってくる予約電話は、店舗にスタッフが出勤する前の時間で誰も出られないケースと、昼や夕方など飲食店のピークタイムにかかってきて出られないケースの大きく2パターンがあります。

お店からすると、せっかく電話をかけてきていただいたお客様からの予約を取り逃がすだけでなく、電話応対をすることで、ピークタイムの接客がおろそかになってしまうという本末転倒な状況に陥ります。

AIスタッフ“さゆり”の稼働によって、24時間365日出られない電話をなくし、消費者の利便性が向上するとともに、今まで取れなかった予約が取れたり、何よりもスタッフがピークタイムの接客に集中できるというメリットがあります」

●アップデートを継続

同サービスは、2020年10月にリリースして以来、利用飲食店からのフィードバックと、蓄積されるログの解析結果をもとに、AIスタッフ“さゆり”が応対完結できる予約電話の比率を上げることを目的に、常にアップデートを続けているという。

これまでに、予約が取れない場合の案内最適化や、閉店間際の当日予約を受付ける際の案内の実施、翌日以降の席のみ予約に対応などのアップデートを行ってきた。

「結果として、予約関連の用件に関する電話の約8割は応対できるようになっており、AIスタッフ“さゆり”は、飲食店予約対応力に関しては国内随一と自負しています」

●今後の展望

今後は、どのような展開を考えているだろうか。

「まだコース予約や予約の相談など、お店のスタッフにつないで対応しているものもあります。今後は継続的に対応力を上げていき、予約についての応対はすべて“さゆり”が担えるようにしていきたいと考えています」

AIスタッフ“さゆり”は、ロボットでありながら、その受け答えは実際のスタッフであるかのような印象だ。こうした技術活用により、飲食店の人手不足の助けとなるのは画期的と言える。今後のさらなる進化を期待したい。

2.Instagramからの直予約を実現

続いては、株式会社Bespo運営のレストラン予約サイト「TABLE REQUEST」が連携するインスタグラム集客支援サービス「JCB 飲食店集客応援パッケージ」だ。Instagramから直接予約を行えるサービスで、提供は2022年9月1日から開始の予定だ。

●「JCB 飲食店集客応援パッケージ」とは

サービスイメージ

Bespoが2022年6月に飲食店予約の動向を調査した結果、2021年10月と比較し、Instagram経路の予約件数が3倍以上増加していることが分かったという。

しかしながら、飲食店側にとって、Instagramを通じた集客施策はハードルが高い。そのため、顧客も予約時はInstagramから直接予約ができないことがほとんど。その課題を解決するのが、「JCB 飲食店集客応援パッケージ」だ。

飲食店向けに、無料の集客サポートと予約管理サービスがセットになっている。これを導入することで、飲食店は自店舗の公式Instagramページに「予約」ボタンを設置でき、顧客はInstagramから直接予約ができるようになる。

●開発背景

同サービスの開発背景について、Bespo代表取締役 高岳史典氏は次のように述べる。

「TABALE REQUESTは、飲食店の重要な課題の一つである『集客』を解決するために生まれたサービスで、現在15,000軒以上の飲食店様に導入いただいています。今回のサービスは、消費者の飲食店予約においてInstagramの重要度がますます高まっていることから、消費者および飲食店が簡単にインスタ予約を実現いただけるようにしたいという想いから提供に至りました」

●課題解決の仕組み

本サービスは飲食店のどのような課題をどのように解決するだろうか。

「飲食店は、集客にかかる費用が大きな課題です。グルメサイトで集客をする場合、掲載費に加え、予約が入るごとに送客手数料が発生しています。本サービスでInstagramから予約を受けることができれば、掲載費用・送客手数料も不要になります。

最近ではお店のInstagramを持つ飲食店も増えていますが、『どうしたらインスタ予約ができるのかわからない』や『インスタ予約を受けるには予約台帳システムが必要だが、そこまで費用をかけられない』というお店が多くあります。JCB飲食店集客応援パッケージは必要なものがすべてそろったパッケージで、設定に不安があるお店も、気軽にインスタ予約を始めることができ、新たな集客の軸を持つことができます。また、自動で予約台帳との連携も可能となるので、スタッフの負担も大幅に軽減できます」

●今後の展望

本サービスは、今年9月より開始予定だ。その後、将来的にはどのような展開を考えているのだろうか。

「今後、予約の集客媒体は、Instagramだけでなく提携先を増やしていく予定です。また予約や顧客管理の機能は、随時、アップデートしていく予定です。その際も飲食店には追加料金なく月額基本料金だけでご利用いただくことを検討しています」」

Instagramから予約できるという顧客の利便性を向上させながら、飲食店にとっても集客に有効なこのサービス。コスト面でも導入しやすい点は、飲食店にとってありがたいことだろう。

3.スマホ注文・ホール業務効率化を実現

最後は、iPadを活用したSaaS型POSシステム「ユビレジ」の開発・提供を行う株式会社ユビレジが提供する「ユビレジ QRオーダー&決済」だ。飲食店に訪れた顧客は、店員を呼ぶことなく、スマホ注文、決済が可能となる。

●「ユビレジ QRオーダー&決済」とは

「ユビレジ QRオーダー&決済」は、2020年6月から提供が開始された、スマホで簡単に注文できる対人非接触型のセルフオーダーシステム。専用のQRコードを顧客が自身のスマートフォンで読み取り、オーダー画面から直接注文することができる。非接触で注文できるほか、注文のたびにスタッフを呼ばずに済むことから、食事タイムを優雅に楽しめるメリットもある。

●開発背景

ユビレジの代表取締役 木戸啓太氏は、開発背景について次のように述べる。

「2018年の夏頃に、当社のお客様企業から、中国では、注文から会計までをお客さま自身のスマホで行える“QRオーダー”があることを教えていただきました。それは飲食を注文する体験とオペレーションを根本的に変えることができる良い製品だと直感しました。当時、日本にはテーブルオーダーの製品はありましたが、初期費用などの課題感を解決できるサービスとして、当社からぜひ提供したい、と思いました。開発を決断するまでは早く、検討から取りかかるまでわずか数週間でした。やるからには覚悟してやろうと取り組み、コロナ禍の2020年6月に提供開始が叶いました」

●課題解決の仕組み

本サービスは、飲食店のどのような課題をどのように解決するのだろうか。

「主に『顧客体験(満足度)の向上』と『飲食店のオペレーションの効率化』の2点です。

飲食店で『注文したいのにスタッフが見当たらない』『声を掛けてもなかなか対応してもらえない』という経験は誰でもあるのではないでしょうか。実際、複数の調査で飲食店では『注文時が最もストレスを感じる』という結果が出ています。ユビレジ QRオーダー&決済は、お客様のスマートフォンでお客様のタイミングで注文ができるので、そのストレスを大幅に軽減できます。

また、飲食店は慢性的に人材が不足していますが、コロナ禍で一旦下がった求人が今年6月には前年比8割増になるなど、この夏はより深刻な状況です。本サービスの導入で『注文を取る』『会計をする』というホールスタッフのメイン業務が軽減されることで、オペレーションの効率化が可能です。オペレーションが効率化することで、教育コストの削減、働きやすさの向上につながり、新人スタッフの独り立ちまでの時間が短縮でき、育ったスタッフが定着する、という好循環につながります。

国内の労働力人口の減少から、近年では外国人労働者のサービス業参入が増加していますが、当社のサービスは外国人のスタッフにも使いやすい、と評価をいただいています」

●接客対応の変化

ところで、店舗のホールスタッフは、同サービスが導入されることで、従来から業務にどのような変化が生まれるだろうか。

「飲食店でお客様が帰った後も片付けられていないテーブルを目にすることがあると思います。ホールスタッフは『注文を取る』『会計をする』が主な業務ではありますが、注文や解決のたびに手を止めて対応し、他の業務が回らない状況は、彼らにとってもストレスです。

本サービスで業務負担が軽減されることで、得られるのは心と体の余裕と考えています。グラスが空になったお客様にドリンクを勧める、丁寧に料理の説明をする、など人にしかできない機転の効いたおもてなしをすることで、本サービスのキャッチコピー『お店に、新しいにぎわいを』をもたらすことができると考えています。実際にカスタマーエクスペリエンスが向上しているデータとして、導入前と比べて追加注文が1~2品多くなる傾向があります」

●今後の展望

本サービスの今後の展望について聞いた。

「2020年6月に『ユビレジ QRオーダー』としてQRオーダーのみのサービス提供を開始し、1年後に決済機能を追加して現在の『ユビレジ QRオーダー&決済』になった経緯があります。その後も、飲食店や利用するお客様の利便性向上を目的に、月1回のアップデートを実施し進化を続けています。今年8月には同じ商品の再注文ができる機能が追加されました。いわゆる『おかわり』がしやすくなりました。また、飲食店で『同じもの』と好みのドリンクを簡単に頼むことを、手元のスマホからできるようにしました。このような、かゆいところに手が届くような体験、ワクワクするような体験、お店の人に余裕をさらに産むようなサービスを手がけていきたいと考えています」

「モバイル決済が主流になり、レジや決済手段が多様化したことで、顧客分析・管理、予約管理など、当社が提供できるサービスも、クラウドPOSレジから発展しつつあります。今後も『サービス産業のためのデータインフラの整備』というユビレジの理念を体現すべく、複合的なサービス提供により、サービス業の効率化を支援してまいります」

QRオーダーと決済は、顧客にとっても店舗にとってもメリットがある画期的なサービスと言える。そうした中、ホール業務に余裕が生まれ、良い成果が出ている部分については、今後さらなる発展に期待したい。

飲食店に人が戻りつつあるいま、店舗側は大忙し。そうした中、今回紹介したような予約・注文テックが浸透することで、より人手不足などが緩和されるだろう。そしてその先には、より飲食店のサービスが向上し、人がやってくるという好循環が期待される。

【参考】
「AIレセプション」
TABLE REQUEST「JCB 飲食店集客応援パッケージ」
「ユビレジ QRオーダー&決済」

取材・文/石原亜香利


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