夏にピッタリ黄色い文字盤のクロノグラフ
今年も暑い夏がやってきた日焼けした腕に似合うのがクロノグラフ。私が持っているクロノグラフは全て黒い文字盤なので、もっと目立つ色が欲しくなった。狙うのは黄色だ。黄色と言えばオメガ「スピードマスター デイト ミハエル・シューマッハ 3511.12」である。1995年にチャンピオンになったシューマッハとオメガが契約したことを記念したモデルで文字盤全体が黄色、そしてタキーメーターはシルバーという配色だ。セカンドモデルは文字盤外周にチェッカーフラッグをイメージした白が入り、タキーメーターは黒になり、コントラストが際立つデザインで現在も販売されている。オメガ「スピードマスター オートマチック ミハイル・シューマッハ3510.12」である。どちらも中古品なら25万円前後で手に入る。
ネットで中古品を検索していると、SEIKOの黄色い文字盤のクロノグラフを発見した。レギュラーモデルではなく、コラボモデルで限定5000個「セイコー 923形ドクターイエロー 運行20周年記念ウオッチ」5万4780円であることが分かった。私は鉄道には全く興味がないが、このデザインはかなりスピードマスター3511.12の面影を残している。しかも限定モデルだが、まだ注文可能だった。8月18日現在では10月下旬から発送される最終入荷分の予約を受け付けている。
内側に923型ドクターイエローのフォトカードが収められU6万円とは思えない豪華さを演出
ムーブメントはクォーツで平均月差±15秒以内、10気圧防水、日本製で1年間保証
金属ブレスで実測112.3gと軽量
CLASS 923は6時の位置にスモールセコンド(秒針)、3時に24時間計、9時に60分積算計、そしてクロノグラフ秒針を備える。この構成なら時計として使っている時も、短針と長針以外に常に2つの針が動いているので、見飽きることがない。風防はレトロな雰囲気のカーブハードレックスを採用。ハードレックスはSEIKOオリジナルのガラスで、スペック未公開だが硬度が高いという特徴がある。ケースの直径は39.8mmと標準的で使いやすい。ケースとブレスの素材はステンレス合金、これが意外に軽く実測で112.3gである。ちなみにウチのROLEX「シードゥエラー」は実測144gだった。新型は194g、「ディープシー」は221gあるという。金属ブレスの中では軽い部類に入るので、今回はブレスの交換はせずにこのまま使う事に決定。夏は汗をかきやすいので、布や革のバンドは痛みやすく、丸洗いできる金属ブレスの方が汗に強いのだ。
実際に使ってみると黄色い文字盤は目立つが、針の視認性は普通で、黒の文字盤よりも劣る。しかし、明るい色なので、時計に興味の無い人にも「黄色!」と指摘されることがあり、話のきっかけ作りにはいいかもしれない。ドクターイエロー20周年とはどこにも書いてないし、デザインからも分からないので単にSEIKOの黄色いクロノグラフに見えるのも私にとっては好都合だ。公式サイトによれば、6時の位置にあるスモールセコンドは前方監視カメラをイメージ、左上にある金色のクロスマークは新幹線の医師と幸運の四葉を意味しており、前照灯に見立てた蓄光性のドットマークがある。これにドクターイエローの車体をイメージした黄色い文字盤と青の差し色がデザインの特徴になる。しかし、私の気分はミハイル・シューマッハなのだ。
サイズ感はROLEX「サブマリーナ」と同じだが、軽いので普段使いできる
暗い場所では6個のドットマークが光る。それ以外では長針と短針のみが蓄光性だ
5000個限定モデルなので、裏ブタにシリアルナンバーを記載、これは895番だった
写真・文/ゴン川野