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「リスキリング」が最も盛んに行なわれている業種、職種は?

2022.08.15

最近よく聞かれる「リスキリング」という言葉。これは、今後業務に役立つ新しい知識やスキルを学ぶことを意味する。

ではビジネスパーソンの何割がこのリスキリングに取り組み、また、どんな業種・職種において盛んにおこなわれているのだろうか?

パーソル総合研究所はこのほど、全国の20~59歳の正社員男女3000名を対象に実施した「リスキリング」に関する意識調査の結果を発表した。

リスキリングの経験がある人は3割前後、デジタル・リスキリング経験は2割前後

20~59歳の正社員3,000名を対象にリスキリングの実態を聞いた。新しいツールやスキル、知らない領域の知識などを学んだとする「一般的なリスキリング経験」のある人は3割前後、デジタル領域の新しい技術やデータ分析スキルなどを学んだとする「デジタル・リスキリング経験」のある人は2割程度である。

また、日頃から知らない領域の知識を新たに学び続けたり、専門性を広げ続けたりしているといった「リスキリング習慣」がある人は3割弱となっている。

図表1.リスキリングの実態

リスキリングが盛んな業種は「情報通信業」、職種は「IT系技術職」「経営・経営企画職」など

一般的なリスキリングとデジタル・リスキリングの経験の実態について、業種別、職種別、性年代別に見た。リスキリングが盛んな業種は、「情報通信業」「教育、学習支援業」「金融業、保険業」である【図表2】。

職種別で見ると、「IT系技術職」「経営・経営企画職」「営業推進・営業企画職」「商品開発・研究職」「企画・マーケティング職」においてリスキリングが盛んなようだ【図表3】。性年代別で見ると、女性の40~50代において、リスキリングの経験も習慣も大きく減少する傾向が見られた【図表4】。

図表2.業種別のリスキリング・マップ

図表3.職種別のリスキリング・マップ

図表4.性年代別のリスキリング実態

リスキリング促進のカギ その1~組織内における「目標」と「キャリア」、「処遇」の透明性を高める

リスキリングを促進する人事制度や人事管理の在り方を探ったところ、一般的なリスキリングには「目標の透明性」が最もポジティブに影響し、デジタル・リスキリングには「キャリアの透明性」が最もポジティブに影響していた。

また、「処遇の透明性」はどちらのリスキリングにもポジティブな影響が見られた。一方、「会社都合の異動の多さ」は、一般的なリスキリングに対してネガティブに影響することがわかっている。

図表5.リスキリングと人事制度・人事管理の関係

リスキリング促進のカギ その2~日常的に新しい仕事のやり方を探索していたり、キャリア支援をしてくれるような上司の行動

リスキリングを促進する上司マネジメントの在り方を探った。一般的なリスキリングには、上司自身が常に新しい市場や知識・スキルを調べたり学んだりしているといった「探索行動」をとっていること、組織の目標やビジョンを信じ、日頃から話しているような「ビジョンの体現」を行っていることがポジティブに影響している。

一方、デジタル・リスキリングには、一般的なリスキリングと同様に「探索行動」が影響しているほか、今後の自分のキャリアを相談できるといった「キャリア支援」についての上司の姿勢がよりポジティブに影響している。

図表6.リスキリングと上司マネジメントの関係

リスキリング促進のカギ その3~業務の変化を起こすことが負荷になると捉えてしまう「変化抑制意識」を発生させない

リスキリングを阻害する要因を探ったところ、「変化抑制意識」が高いほど、リスキリングをしない傾向にあることが分かった【図表7】。

「変化抑制意識」とは、「今の組織で仕事のやり方を変えるのは大変」、「自分だけが仕事のやり方を変えてもしょうがない」など、所属する組織の中で業務上の変化を起こすことに対して大きな負荷(コスト)を予想し、現状維持のほうを選ぶような心理のことである【図表8】。こうした変化を厭う意識を発生させないような組織風土づくりが重要といえそうだ。

図表7.変化抑制意識とリスキリングの関係

図表8.変化抑制意識の実態(抜粋)

リスキリング促進のカギ その4~古いスキルや仕事のやり方を捨てる「アンラーニング」という学び特性

リスキリングを支える学びのひとつとして、「アンラーニング」が抽出された。アンラーニングとは、これまでの仕事にかかわる知識やスキル、考え方を捨て、新しいものに変えていくことを指す。アンラーニングを頻繁に行っている人のほうが、リスキリングも多く経験している。

図表9.アンラーニング行動別に見たリスキリング経験実態

役職滞留年数とアンラーニングの関係を見ると、役職に就いて3ヶ月~半年未満でアンラーニングはピークに達し、その後減っていく傾向が見られた【図表10】。また、人事評価については、5段階中4の評価を受けている就業者が最もアンラーニングが低い【図表11】。

図表10.役職滞留年数別アンラーニング

図表11.人事評価別アンラーニング

修羅場経験など、これまでの仕事のやり方に限界を感じる(限界認知)経験によって、アンラーニングは促される

リスキリングを支える学びのひとつであるアンラーニングは、「それまでの仕事のやり方を続けても、成果や影響力の発揮につながらない」など、自身の限界を感じる経験(限界認知経験)によって促される。

こうした限界認知経験につながる具体的な業務経験としては、顧客との大きなトラブルや損失計上といった「業務上の修羅場」や、他組織との共同プロジェクトや副業・兼業等の「越境的業務」、新規事業やプロジェクト立ち上げといった「新規企画・新規提案業務」などがある。

図表12.アンラーニングを促進する業務経験

<調査概要>

出典元:株式会社パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/

構成/こじへい

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