肌のシワやくすみを防ぐために、いまや男性にとっても日焼け止めはマストアイテム。せっかく使うなら正しく塗って効果を最大にしたいもの。
今回はより効果的な塗り方から落とす際のポイントまで、知っておきたいコツを花王スキンケア研究所上席主任研究員・梶原啓吾さんに教わった。
梶原さんによると、女性はおよそ9割が日焼け止めを塗っているが、男性や子どもは塗っていない人もまだまだ多いという。夏の親子の日焼け対策にも役立ててほしい。
ポイント① 顔の5点につけて、円を描きながら塗る
日焼け止めを塗る際、顔とからだに共通して大事なのは、全体に均一にムラなく塗ること。
「顔の場合は、おでこ・鼻・両ほほ・あごの5点に付けて、くるくると円を描きながらなじませて全体に行きわたらせます。目の周り、とくにまぶたは塗り忘れが多いので、きちんと塗りましょう。
腕や脚は、直線を引くように出して、くるくると円を描きながら塗り広げていくと、ムラがあまりなく塗れます。腕は内側、脚は裏側も忘れずに」(梶原さん)
また、ほおや鼻など、突出している部分はより日焼けしやすいので入念に。心配な場合は、重ね塗りもよいという。
塗り方は大人も子供も同じ。外出前に塗るのを習慣にしよう。
ポイント② 塗り直しは2〜3時間を目安に
あくまでも時間は目安だが、動きにより擦れるので都度塗り直すことが重要だ。
マスク着用時も注意したい。花王が行なった実験によると、マスクをつけた状態では時間の経過とともに日焼け止めがマスクに付着。3時間後には、鼻筋やほお、マスクの紐部分に擦れが見られ、肌に塗布した日やけ止めのほとんどが取れてしまっている人もいることがわかった。
「SPFの高いものでもできる限り塗り直しましょう。ウォータープルーフタイプは落ちにくさは優れていますが、擦ったりすると、紫外線予防効果が期待できなくなります。こまめに塗り直すと、日焼け止めの膜が薄くなった部分をカバーできます」(梶原さん)
塗り直す際は汗など水分をしっかり拭き取るのがポイント。
「水分が肌にのった状態だと、日焼け止めが流れ落ちてムラになってしまうので注意しましょう」(梶原さん)
同じタイミングで子供にも塗り直すようにしよう。
ポイント③ メイク落としや石けんでしっかり落とす
日焼け止めは“しっかり塗って、しっかり落とす”が基本。とりわけ紫外線吸収剤を含む強力なタイプを使用した場合は、念入りに落とそう。
「大人の場合は、顔ならメイク落としを使用してから洗顔をするのがおすすめ。からだは基本的にはいつもの洗浄料で構いませんが、すみずみまで落とすことが大事です。お子さんの場合も使い慣れた洗浄料で構いません」(梶原さん)
ポイント④ 虫除けを併用する場合は日焼け止めの上から
この時期、肌に虫除けをつけることも多いが、どちらを先に塗るのが正しいのだろうか。
「先に日焼け止めを塗るのがおすすめです。隙間なく日焼け止めを塗り、ベースをつくったうえで、虫除けを吹きかけたり塗ったりしましょう。そうすると虫除けの成分が表にくるので、効率的だと思います」(梶原さん)
ポイント⑤ 衣類に付着しても慌てずに
最後に、洗濯の際の注意点を聞いた。
日焼け止めの中には、衣類に付着した状態で塩素系漂白剤を使い洗うと、日焼け止めに含まれている成分の一部が反応してピンク色に変色するものも。Yシャツがピンク色に染まってしまったという経験のある人もいるのでは?
「服に日焼け止めがつくのを避けるには、塗って乾いてから服を着るのが一番いい方法です。ただ、服を着た状態で塗り直す場合は首回りや袖口への付着が避けられません。日焼け止めのパッケージで色移りに注意すべきか確認したり、塩素系漂白剤の使用を避けるなど、対策しましょう」(梶原さん)
日焼け止めを習慣にして夏を満喫しよう
男性にとっても、紫外線の蓄積はシワやシミにつながる。老若男女問わず、日焼け止めをきちんと塗って夏を楽しもう。
構成・テキスト/ニイミユカ