子供と外出する際、親子で日焼け止めを塗っているだろうか。
女性はおよそ9割が塗っているが、男性や子どもは塗っていない人がまだまだ多いというデータもある。
今回は花王スキンケア研究所の上席主任研究員・梶原啓吾さんに親子で使う場合、どのような点に気を付けて日焼け止めを選べばいいか教えてもらった。
日焼け止めは一年中塗るのが理想的
「適度な日光浴はビタミンDが生成され、骨が丈夫になるなどのメリットがあると言われています」と梶原さん。
日光浴は体にとって大切だが、その時間は10〜15分程度がいいと言われている。それ以上紫外線を浴びると、肌が炎症を起こしたりシミやシワの原因が蓄積されるなど、デメリットのほうが多いとされているからだ。
「日焼け止めを塗る一番の目的は、紫外線から肌を守ることです。紫外線の量は季節や天候によって変わりますが、一年を通して降り注いでいるので、季節を問わず日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。また紫外線には窓ガラスを通過するものも。外出しない日も塗っておきたいですね」(梶原さん)
「SPF」「PA」とは?基本を知っておこう!
紫外線には3種類あるが、地上まで降り注ぎ、対策が必要なのは2種類。「UV-A(A波)」と「UV-B(B波)」だ。2つの特徴を押さえて、日焼け止め選びに役立てよう。
●UV-A(A波)
じわじわと肌にダメージを与え、シミ・シワ・たるみなど、老化の原因になる。
通年降り注ぐが、とくに4〜8月を中心に量が増加。窓ガラスも通過し、肌の奥(真皮)にまで達する。
このUV-A(A波)から肌を守る効果を示すのが「PA」だ。「+」が多いほど、UV-A(A波)から肌を守る効果が高い。
●UV-B(B波)
肌が焼けて赤くなる「サンバーン」を引き起こし、加齢により代謝が衰えるとシミとして現れる。4月から徐々に増え、5〜8月にピークを迎える。
UV-B(B波)から肌を守る効果を示す指数が「SPF」。最大数値は50で、それ以上防止効果をもつものは「50+」と表記される。
日焼け止め選び4つのポイント
では、子供がいる家庭の場合、どのような日焼け止めを選べばいいのか。使い方の注意も含めて4つのポイントを教わった。
1 肌にやさしい成分のものを選ぶ
子供が使うなら、肌にやさしい成分のものを選ぼう。これは、赤ちゃんや子供は大人と比べて皮膚が未発達で弱いためだ。
「日焼け止めには『紫外線吸収剤』という成分を含んでいるものもありますが、大人でも肌に合わない方がいらっしゃいます。子供には、紫外線吸収剤を含まず『紫外線散乱剤』のみの“ノンケミカルタイプ”のほうが負担感が少ないのでおすすめです。
また、エタノールや余計な菌が増殖しないよう加える『防腐剤』(パラベン)も人によっては刺激になるので、エタノールフリーで防腐剤が入っていないものを選ぶのも一つの手です」(梶原さん)
2 太陽が照りつける日はSPF50+、それ以外はSPF30など使い分ける
「少しの外出や、カンカン照りでなければSPF30ぐらいのものでも問題ありません。もちろん、真夏の太陽が照りつけるような日は、SPF50+を選んでおいたほうが安心でしょう」(梶原さん)
3 水・汗対策は「ウォータープルーフ」表記のあるもの
日焼け止めが水や汗で落ちると、日焼けの可能性は高まってしまう。
「海やプールなど水に入るときや、スポーツや暑い日の外出などで汗をかく場合は『ウォータープルーフ』を選び、こまめに塗り直しましょう」(梶原さん)
4 ジェルやクリームなど好みで選んでOK。ただしスプレーはやや注意が必要。
ジェルやクリーム、ミルク、スプレーなど、様々なタイプがある。梶原さんに尋ねると「使用感や好みで選べばよい」とのこと。
ただしスプレーは、正しく使わないと十分な効果が得られない場合もあるという。
「吹きかけるだけではムラになる可能性があるので、手で塗り込んで均一にならします。吹きかける距離も、使い方を見て正しく使ってください。あまり遠すぎると、ちゃんとつきません。スプレーは、髪の毛に使えたり、首の後ろ、足の甲など、手が届きにくい部分や塗り忘れがちな部分にも簡単に付けられるよさがあります。ほかの日焼け止めと併用しながら使うとよいでしょう」(梶原さん)
これらを踏まえ、日焼け止めは1本に絞るのではなく、使う人やシーンに合わせて何本か揃えておくとよさそうだ。
【PICK UP|おすすめの日焼け止め】
ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトローション(水層パックUV)
まるで水に触れているかのよう。「すーっ」と広がり、素早く肌になじんだら、「ぴたっ」と密着する。白浮きしにくい、保湿成分配合、ニキビになりにくい処方など、心地よい使用感。SPF50+PA++++。顔・からだ用。スーパーウォータープルーフ。
花粉やPM2,5など微粒子の付着も防ぐエッセンスタイプ。マスク擦れにも強く、皮脂崩れも防ぎ、ニキビになりにくい処方なので、化粧下地としてもおすすめだ。SPF50+PA++++。スーパーウォータープルーフ。
気温40℃・湿度75%という高温多湿環境でも落ちにくい。乾燥まで防ぎ、うるおいが続く、なめらかなエッセンスタイプ。せっけんで落とせる。SPF50+PA++++。顔・からだ用。スーパーウォータープルーフ。
構成・テキスト/ニイミユカ