異例の猛暑日が続く22年夏 効果的な節電方法はあるのか?
異例の早さで梅雨明けした2022年。気象庁からは「熱中症警戒アラート」が発令される日々だ。昨年の7月末時点までと比較しても、今年は約1.6倍の回数のアラートが発令していることからも、酷暑状況がうかがえる。
暑さに伴い消費電力は増大化しており、全国的に節電要請が出るなどこの酷暑のなか節電対策も悩ましい。今回は人々が節電に対してどのように関心を持っているのか?またどのような対策を考えているのか、そしてその効果的な節電方法について主にエアコンに焦点を当ててメーカーの見解を紹介していく。
電力逼迫に危機感 93.4%の人が自宅で自宅で節電に取り組む
LIXIL住宅研究所では、異例の早さの梅雨明けとなった6月末に、全国の一戸建て居住者を対象に「今夏の家庭での節電」「自宅での節電対策」「光熱費高騰の家計への影響」などについて調査を実施。その報告書を見ると、電気料金の高騰は、自宅の家計費に影響があると思うとの回答が84.7%に達しており、さらに今夏、自宅で節電に取り組むとの回答が93.4%に達する結果であった。節電に取り組むのは、電気料金の高騰が大きな理由となっているが、社会的な課題となっている節電への意識を持っていることも伺える。
自宅での節電に取り組む理由 BEST5
出典:LIXIL研究研究所 今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書
新たな節電対策の打ち手はあるのか?対策がこれ以上思いつかないのが現状
実際に節電対策をするとなると、どのような取り組みがより効果的なのだろうか?アンケート調査内では、節電対策として、扇風機を使用する(55.1%)、冷房の設定温度を高めに(49.8%)、窓際などにすだれやよしずを置く(34.6%)が上位に挙げられていた。
自宅での節電対策 BEST4
出典:LIXIL研究研究所 今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書
では、より一層の節電対策はあるのか?と考えた際、上記節電対策に新たな一手が思いつくだろうか。実際のところ節電をするにしても限られた方法しかないように思えるのが一般消費者の感じるところではないだろうか。
ダイキン工業が、6月の「環境月間」に合わせて実施した「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」によると、「昨年以上の省エネ・節電のために、具体的な取り組みのアイデアはありますか?」という質問に対して、「ない(どうすればいいかわからない、これから考えたい)」という回答が67.1%という結果となった。つまり近年の温暖化・猛暑に合わせ、人々はすでにできる限りの節電対策を施してきていることが考えられる。
出典:ダイキン工業株式会社 「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」
節電を制するのは、効果的なエアコンの使い方
続くダイキン工業の調査によると、家庭で最も電力に影響する家電は1位エアコン(74.7%)、2位冷蔵庫(11.4%)、3位洗濯機・乾燥機・テレビ(2.4%)と挙げられている。
やはり夏場の電力をウェイトを占めるのは圧倒的にエアコンだというのは、誰もが感じているところではないだろうか。
出典:ダイキン工業株式会社 「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」
猛暑や電力逼迫の他にも、学生やオフィスワーカーの在宅率も上がっていることから自宅のエアコン代が高くつくようになることも気になっている昨今。筆者宅でも夫婦ともに1日在宅ワークのため、この2年間のエアコン消費量及び電気代は、格段に増えているというのが実情だ。
では、どのような金額や使用量ともに節約効果があるのか。
そうしたなかで、各電機メーカーは、エアコンの有効な使用方法・節電方法を紹介している。エアコンは「つけっぱなしがいい」「温度を28度設定に保って節電」などといった見解を目にするが、各社によるダイキン、シャープ、パナソニック社による見解について見てみよう。
今すぐできる効果的な節約方法はリモコンを上手に活用
ダイキン工業は、エアコンの電気代を抑えながらも快適に使用するコツとして、「エアコンを効率よく使用」「室外機の周囲を点検」「家全体でできる節電対策を行う」「リモコンを上手に使用」という4つの対策を推奨しているが、特におすすめしたいのがリモコンを上手に活用するということだ。
「電気代を気にして、手動で微風や弱風にすることもあるが、冷房時の風量設定は自動にするのがおすすめ」と紹介している。
エアコンは、スイッチを入れたときなど部屋を冷やすために激しく運転をするため、その際には多くの電力が使用される。これを回避するために自動設定にすることで、最も室温に合わせて最も効率よく、快適に冷えるよう風量の調整がされるからだ。
また、「設定温度を下げる前に、風量を強くして調整すること」も勧めている。それだけで体感温度が下がり、同じ温度でも涼しく感じ、節電効果が得られる。エアコンで使う電気のほとんどは、温度を下げる時に使われるもの。風量を強くするとほんの少しだけ消費電力は増えるものの、温度を下げる時に消費する電力と比べると比較にならないくらいわずかであり、効果的な節電ができる。
「スイッチのつけ・消し」問題 本当のところは?
一方気になるのは「スイッチのつけ・消し」問題。
節電トピックなどで必ず上がるこの話題だが、つけっぱなしの方が節電につながるのか?こまめにつけ・消しをした方がやっぱり節約になるのか?一体本当のところはどうなのか、パナソニックとダイキン工業の見解を見てみよう。
パナソニックの公式サイト内では、エアコンのスイッチについて「こまめにオフにするより”つけっぱなし運転”の方がおトクになることがあるとも言われている」と記している。同社による実験にて、冷房使用時に、外気温が35℃以上の“猛暑日”のような場合は室温が上昇しやすいため、「つけっぱなし」運転がお得だが、30℃程度までであれば、「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることが実証されている。
※パナソニック調べ。室内温度26℃、冷房温度設定26℃でのシミュレーション結果
※今回のシュミレーション結果は断熱性の高い住宅を想定。実際の電気代は、住宅の断熱性能やエアコンの設置環境等の使用条件によって異なる。
(出典:パナソニック株式会社 「つけっぱなし運転」はおトク?夏の「エアコン」節電ポイント)
またダイキン工業は「エアコンの節電で気をつけたいのは、電源をこまめにオン・オフしないこと。30分程度部屋を出る際などにいちいち電源を切らず常時つけておくのは有効ですが、長く家を空けるときは電源をオフに、タイマーもうまく活用して必要な時間だけエアコンを利用してください」と推奨している。
このことから、効果的なエアコンの運転には、外気温と、外出時間の割合で「つけっぱなし・こまめに消す」のバランスで決まるということがわかる。その他、タイマーを上手に使用することも有効的である。
「なんとなく節電しないと」「できることから」という意識はありながらも、実際のところは何が正解が分からないという消費者は多いのかもしれない。特に夏の消費電力に大きく影響するエアコンはまだまだ意外と活用できる方法がある。今回のことで明らかになった意外と知られていないリモコンの活用方法と、スイッチつけ消し問題の真相。今すぐできることとして、この夏は積極的に室温調整にトライしてみたいところだ。
文/永見薫
編集/inox.
節電の夏に使える!好きな場所に固定できるDIMEの付録「USBパワフル扇風機」が便利
今年の夏は、節電が呼びかけられているが、エアコンをつけていても冷気が届かない部屋や熱がこもりやすいキッチンなどは、蒸し暑くて不快だ。そんな人におすすめしたいのが、現在発売中の雑誌「DIME」に同梱されている付録「USBパワフル扇風機」。
すでに、発売されてからSNS等で話題になっているが、雑誌の付録とは思えないほどの風量と使い勝手のよさでクオリティーは高い。乾電池やボタン電池で駆動するタイプではなく、USB経由で電源を供給するタイプなので、すぐに電池が切れてしまう心配がない。それだけでなく、自動車やPCまわりなど、USB端子があれば使えるので、使い勝手も抜群だ。
そして、この付録の一番の魅力が何と言っても、その風量。強弱を3段階で調節できるようになっているが、最大モードは最大風速が5m/Sというほど、パワフルな風を送り出すので、すぐに涼しくしたい、空気を循環させたいという方にはとても頼りになるはず。
今年の夏は猛暑が予想されているため、この便利なアイテムを早めに入手して、暑さ対策、熱中症対策を進めていただきたい。
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