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話題の本「秀和レジデンス図鑑」著者が語るヴィンテージマンションの魅力

2022.08.06

青い瓦屋根と白い塗り壁、アイアン柵のバルコニーが特徴のマンション「秀和レジデンス」。現在、この秀和レジデンスがSNSなどを中心に大きな注目が集まっている。大きなきっかけは2022年2月、書籍『秀和レジデンス図鑑』が発売されたこと。なぜ秀和レジデンスは令和の時代に多くの人を魅了するのか?その秘密を本の著者・谷島香奈子さんとhacoさんに2回に渡って伺った(前回はこちら

秀和洗足レジデンス 写真提供:『秀和レジデンス図鑑』(トゥーヴァージンズ)

日本で最初に管理組合方式による管理システムを展開

建設されたのは高度経済成長期の真っただ中だった1960年代から80年代で、現在も東京を中心に130棟以上が現存している。一般的なマンションの資産価値は築年数とともに下落していくが、秀和レジデンスは現在も人気の高いヴィンテージマンションであり続けている。

その大きな要因としてまず考えられるのは、管理がしっかりしていること。現在多くのマンションでは当たり前のように住民たちによる管理組合が発足しているが、その仕組みは秀和レジデンスが最初に展開したものだ。建設を手掛けた秀和の小林茂社長は、当初からマンションにおける管理の重要性を訴えてきた人物だったという。

「管理組合方式による管理システムがはじめて展開されたのは1967年。外苑レジデンス竣工がきっかけでした。いわば日本のマンション管理における礎をつくったわけですが、それは確かに秀和が現在でも建設初期のままキレイな状態で管理されている一因ではあると思います。でもそれだけではなく、むしろ住んでいる方の意識によるところが大きいのではないかと感じますね。皆さん秀和が好きで、建物のかわいらしさを維持したい。そういった意識の高さと愛情が合わさって、当初の竣工時のままの状態を維持しようと頑張っているのではないかと思います」(谷島さん)

「私も同じ意見です。現在の秀和の管理組合は、秀和のかわいらしさが好きで住んでいる若い方もたくさん関わっているケースが多いように感じます。もちろんすべての秀和が同じではないですが、そういったところは総じて、きちんと管理されていると思いますね」(hacoさん)

秀和高円寺レジデンス 写真提供:『秀和レジデンス図鑑』(トゥーヴァージンズ)

秀和レジデンスはかわいらしい外観を維持するため、洗濯物をバルコニーに干すことは禁止。屋上の専用スペースで洗濯物を干す。

ちなみに秀和レジデンスは東京都内でも渋谷や外苑、自由が丘、目黒、六本木など、普通にマンションを購入すれば億単位は間違いない一等地に多く建設されている。だが不動産会社を経営する谷島さんによれば、築年数が古い秀和レジデンスは「平均年収のサラリーマンでも購入できるくらいの価格で購入できた」と語る。

「私はリノベーションの会社も経営していますが、リノベして住めばより楽しく住めるので、若い世代に人気でしたね。ただ近年は不動産全体の価格がものすごく上がっています。もちろん新築に比べたら安いですが、秀和もかなり値上がりしているのが正直なところです」(谷島さん)

秀和レジデンスがこれからも存続するために必要なこと

だがいくら管理がしっかりしていても築50年以上にもなると、老朽化という問題は無視できない。実際、第1号となる「秀和青山レジデンス」は設備配管の劣化や漏水など、修繕・改修では抜本的な改善が困難なほど老朽化が進んでいるとして、建て替えが決定。2021年8月より解体が始まっている。

「ほかの秀和が同じような老朽化の問題に直面した時、青山と同じように建て替えがうまくいくケースは少ないと思います。なんとか秀和が存続するためにも、秀和ブランドの価値というものをぜひ多くの人に知ってもらいたい。私は現在秀和の物件の所有者でもありますが、130以上建てられている秀和の住民同士の横のつながりが、現状だとほとんどないんですよ。ですからこの先に向けて横のつながりをしっかりと作り、ブランド価値の見直しや資産価値の向上について、秀和を愛する者、住むものとしてみんなで力を合わせて目指していければいいなと思っています」(谷島さん)

「すでになくなっている秀和のマンションもありますが、駅前の再開発など住民の力では抗えない理由によって取り壊されてしますことが多いんです。でも秀和というブランドの価値が見直されれば、もしかしたらなるべく今の形を保ったまま存続するところが少しでも増えてくれるかもしれない。今はそんな願いがあります。安易に古いから建て替えようではなく、もうこんな建物は今の時代にはつくれないと知ってもらい、守っていく。そういった方向に進んでくれることを願っています」(hacoさん)

秀和レジデンスが東京の風景になくなってしまうのは絶対に寂しい。住民を含む多くの人がそう実感したら、将来何か変わるかもしれない。そして2人の著書『秀和レジデンス図鑑』がそのきっかけになってくれたら……そう願うばかりだ。

(著者プロフィール)

谷島香奈子さん
不動産&リノベーション会社、株式会社Style&Deco代表取締役。秀和レジデンスの情報を集約した秀和レジデンス専門不動産サイト「秀和レジデンスマニア」を運営。著書に『中古を買ってリノベーション』(東洋出版)がある。

hacoさん
サイケデリックでキュートなスイーツを製作する「psychedelic sweets spica」として活動しているほか、街で気になった物を写真に撮りzineを制作している。2021年には自身が撮影した秀和レジデンスの写真をまとめた『Shuwa is cute -かわいい秀和レジデンス-』を発表。

取材・文/高山 惠


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