学生生活の最後をコロナ禍で過ごした今年の新入社員たち。いまだ先行きの見えず、目まぐるしく環境が変化する状況下で社会人としての第一歩を踏み出した彼・彼女たちは、いったい、どんなキャリアパスを思い描いているのだろうか?
ラーニングエージェンシーおよびラーニングイノベーション総合研究所はこのほど、2022年入社の新入社員4,659人を対象に「働くことに関する価値観」についての意識調査を実施。その中から今回は製造業に入社した新入社員の結果をピックアップして紹介する。
「今の会社で長く働き続けたい」割合が他業種よりも15ポイント以上高く7割超
はじめに、製造業の新入社員に「今の会社で働き続けたいですか」と尋ねたところ、73.8%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答し、製造業を除く全業種(以下、『他業種』と記載)よりも16.3ポイント高い結果となった。
一方、「そのうち転職したい(7.3%)」と回答した割合は、他業種に比べて9.5ポイント低い結果となり、製造業の新入社員は他業種に比べ、ひとつの会社で長く働くことを求める傾向が見られた。(図1)
他業種よりも「安定した生活」を求める割合が高く、家族や社会への貢献意識も高い傾向
次に「どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思いますか」と尋ねたところ、1位は「職場の人間関係が良い(70.8%)」、2位「高い給与・賞与をもらえる(55.4%)」、3位「仕事を通じて成長できる(33.6%)」、4位「業績が安定している(33.4%)」だった。
いずれも他業種と同じ順位だったが、「職場の人間関係が良い」は5.6ポイント、「業績が安定している」は7.2ポイント高い結果に。一方、3位の「仕事を通じて成長できる」は8.0ポイント低くなり、最大の差となった。(図2)
「仕事を通して何を成し遂げたいですか?」という質問では、1位「安定した生活を送りたい(66.0%)」、2位「自分を成長させたい(55.8%)」、3位「家族に恩返しをしたい(52.9%)」、4位「社会に貢献したい(36.7%)」と、こちらも他業種と同じ順位だった。
各割合を見てみると、「安定した生活を送りたい」は他業種よりも3.0ポイント高く、「家族に恩返しをしたい(52.9%)」「社会に貢献したい(36.7%)」はそれぞれ5.2ポイント、5.3ポイント高い結果となった。一方、「自分を成長させたい」は5.9ポイント低い結果だった。(図3)
スキルアップに取り組んでいる人が少なく、「成長」への関心度が低い傾向
社会人としてスキルアップするために、すでに取り組んでいることはありますか」という質問では、製造業の新入社員は「特に何もしていない」と回答した割合が34.3%で、他業種より7.7ポイント高くなった。
他業種で1位となった「インターネット等で提供されるサービスを使って勉強している(16.9%)」は製造業では4位となり、10.3ポイント低い結果だった。他にも「ビジネス本を読んでいる(16.3%)」「専門学校/通信教育で資格等の取得に向けた勉強をしている(5.4%)」はそれぞれ6.3ポイント、6.0ポイント低い結果となった。(図4)
最後に「今後どのような仕事をしていきたいですか」と複数回答で尋ねたところ、1位の「楽しくてやりがいのある仕事(74.8%)」が7割を超える結果となった。
これは、他業種も同様に高い結果となり、新入社員の特徴と言えるだろう。続く2位、3位は「自身の成長につながる仕事(50.1%)」「楽しく取り組める仕事(44.5%)」となった。
他業種と比較すると、1位の「楽しくてやりがいのある仕事(74.8)」は2.1ポイント、3位の「楽しく取り組める仕事(44.5%)」は3.8ポイント高い結果に。
その他「安定的に給与が得られる仕事(33.9%)」「緻密さ・正確さが求められる仕事(13.7%)」はそれぞれ2.2ポイント、5.1ポイント高い結果となった。2位の「自身の成長につながる仕事(50.1%)」は5.9ポイント他業種よりも低く、最も差が出る項目だった。(図5)
出典元:株式会社ラーニングエージェンシー
構成/こじへい
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