『Twitter』は、過去2年間にわたるツイートを分析した結果を『Twitterトレンド2022』として発表。そこで3つの知っておくべきトレンドが明らかになったという。
今回の分析では、『Twitter』で広範囲にわたって会話を探してテーマを割り出し、次に前年⽐という⻑い範囲で伸び率の高かったトピックを選んで検証。最後に過去のデータの傾向や直近の伸び率、会話の安定性や変動性を分析して、どのトピックが注⽬を集めるかを予測している。
今回のレポートのすべての統計データは、PulsarとCanvas8が『Twitter』の調査依頼で算出。
データ取得期間:2020年1月1日~2021年12月31日
前年比:2020年12月31日までの12か月間と2021年12月31日までの12か月間を比較した伸び率
トレンド1:「ファイナンスがSNSに到来」
ファイナンスにまつわる会話が⽇本の『Twitter』上で急増。経済的余裕を入手するために簡単な節約⽅法から仮想通貨にまつわるディープな知識まで、⼈々はファイナンスについて学ぼうとしているという。
こうした会話の広がりは、ファイナンスが持つ⽂脈に大きい変化が起きているサインで、その中⼼はファイナンスを基盤とする新しいコミュニティを築いている⼈たち。特にデジタルアート、NFT、ミームコインなどポップカルチャー領域が盛り上がっているようだ。仮想通貨に関わる会話の感情分析の結果では、ファイナンス領域に到来した新しいテクノロジーを⼈々が歓迎していることもわかった。
主要な仮想通貨への⾔及が⽇本で増えており、特に仮想通貨のチャートや騰落率、次に来るコインの予想について話されているようだ。仮想通貨は変動が⼤きい投資という共通認識もあり、賢明な投資判断ができるように仮想通貨の価格に影響するニュースや価格予想などの情報が共有されているようだ。
アートだけでなく仮想通貨や『doublejump.tokyo』や『Metaworld』といったブロックチェーンゲームもファイナンスのエンターテインメント化に寄与している。NFT、仮想通貨、ゲーム内通貨で⼊⼿したデジタルアイテムで遊ぶ利⽤者の存在から、ブロックチェーンゲームやゲーム内通貨があるゲームが成⻑していることもわかる。こうした動きの中で『Twitter』に⽇本独特のサブカルチャーが⽣まれて、⽇本のプレーヤーとWeb3のファイナンス領域をつなげているという。
・NFTに対する注⽬度の⾼さからファイナンスに関する会話が前年⽐220パーセント増
・NFTにおけるアートと⾳楽に関する会話が前年⽐1399パーセント増
新出トピック:
「サイファーパンク」
「コールドストレージ」
「P2P(ピアツーピア)」
「ツリーバース」
「ミービッツ」
「ゼッドラ」
トピックの伸び率(前年比):
「デジタルアートオークション」(+7321パーセント)
「NFTアート」(+3万7453パーセント)
「ディスコード」(+42パーセント)
「NFTマーケットプレイス」(+5806パーセント)
「コレクティブルNFT」(+4584パーセント)
「NFTミント」(+1万4973パーセント)
トレンド2:「サラリーマン的マインドからの解放」
コロナ禍は、終⾝雇⽤制から誰もがクリエイターや起業家になれる時代へ、日本の働き⽅を再考するきっかけになったようだ。プラスアルファの収⼊を求める⼈によって、副業が⼀般化して起業の⼼得に関するトピックは過去1年で⼤きく盛り上がったという。新しい柔軟な働き⽅や会社にとらわれない働き⽅などの「働き⽅改⾰」に後押しされ、クリエイターやフリーランスによる新たなコミュニティも生まれている。
その中⼼は⾼いクリエイティビティを持った集団で、2次創作を通じて価値を⾼めるファンから安定したキャリアを築き続けるインフルエンサーまで、副業は単なる仕事ではなくライフスタイルのひとつになってきている。コロナ禍には、⾃由で柔軟かつ副収⼊にもなるスモールビジネスが脚光を浴びるようになり、それによってウェブサイトやアプリの制作などビジネスをプロモーションするためのさまざまなプラットフォームに関する会話が増加したという。
マイノリティのクリエイターの認知も広がり、⼥性リーダーの企業や起業家を『Twitter』で応援する⼈の存在がマーケティングを通してビジネスの成⻑に貢献していたようだ。
・Vlog、副業、アプリ制作を含む起業の⼼得に関する会話が前年⽐22パーセント増
・インフルエンサーブランドに関する会話が前年⽐111パーセント増
注目キーワード:
「⼥性オーナー」
「フェムテック」
「バーチャルアイテム」
「インフルエンサーブランド」
「デジタルアートオークション」
「クリエイターの価値観」
トピックの伸び率(前年比):
「ディセントラランド」 (+1318パーセント)
「サブスタック」(+396パーセント)
「ウィバース」(+114パーセント)
「デジタルアート」(+71パーセント)
「副業」(+33パーセント)
トレンド3:「ひとりの気付きから社会全体の気付きへ」
寄り添う気持ちを持って、平等な社会の実現を求める声も⼤きくなっているという。社会に疎外されて抑圧されてきた⼈たちが『Twitter』上で体験を共有することで、より多くの⼈にその⼈たちの存在や体験が知られるきっかけになっているという。
特にジェンダーの問題は、⽇本におけるジェンダー不平等が『Twitter』上で表⾯化することで、議論の対象になることが増えている。ジェンダー・ギャップ指数で⽇本が低いレベルを記録し続けていることもあり、⼥性の権利、ヘイトクライム、ミソジニーを中⼼としたトピックが『Twitter』で議論され、社会に変化を起こすために広く議論される必要があるという考えが広がっているようだ。
このトレンドをさらにくわしく⾒てみると、オンラインとオフラインの両⽅で⾒られる⾏動に⽴ち向かう、不平等をめぐるさまざまな会話も見られた。内⾯化された⼥性差別のような世界的に話されている話題によって、⽇本の⼥性も⾃らの権利を再確認しており、さらに人々が社会に存在する不平等について個⼈の観点からチェックしているという。
より包括的な社会を実現するために必要な、ボディポジティビティ(どんな体型も美しいとするムーブメント)やトランスフォビア(トランスジェンダーの⼈に対する否定的な態度や⾔動、嫌悪)などに関する会話が増えているという。
・フェミニズムに関する議論をはじめとする社会的不平等についての会話が前年⽐26パーセント増
・⼥性の権利についての会話が前年⽐271パーセント増
注目のトピック:
「インターセクショナリティ」
「クィアベイティング」
「ジェンダー差別」
「ボディポジティビティ」
「参政権」
トピックの伸び率(前年比):
「男⼥の賃⾦格差」(+58パーセント)
「性差別」(+52パーセント)
「⼈権侵害」(+27パーセント)
「トランスジェンダーの権利」(+23パーセント)
「マイノリティグループ」(+11パーセント)
https://marketing.twitter.com/ja/insights/the-conversation-twitter-trends-2022
構成/KUMU