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混雑状況をスマホでチェック、清潔感ある本水洗トイレ、イベント会場の仮設トイレはここまで進化していた!

2022.08.01

イベント会場のトイレが進化している。夏のイベントといえば花火大会。トイレに行きたくなっても、遠方だったり、行列ができていたり、清潔さが欠けていたりして、困った経験はないだろうか。

そんなとき、清潔で利用しやすい仮設トイレや、トイレの使用状況がスマホから確認できるような仕組みがあったらうれしいものだ。実はそれらはすでに存在していることを知っているだろうか。

今回は、そんなイベント会場のトイレや仮設トイレの進化について紹介する。

夏の胃腸の不調によりイベントが台無しに!?

パナソニックが2022年6月、同社の「アルカリイオン整水器 TK-AS47」のアルカリイオン水が『胃腸にいい水』であることに関係して、全国の20~40代男女500名に対して「夏の胃腸の不調」をテーマとした調査を行った。

「夏は胃腸の不調を特に強く感じる」と回答したのは63%。その胃腸の不調を感じるシーンを聞いたところ、胃もたれは「食べ過ぎたとき」が59%でトップ、胃の不快感とお通じの悩みは「ストレスを感じたとき」が50%と41%でトップになった。夏ならではの「気温が高いとき」や「冷たいものを飲んだ・食べたとき」、「エアコン・クーラーで冷えたとき」など、夏らしい不調も挙がった。

続いて、「胃腸の不調により、夏ならではのイベントが楽しめなかった経験はありますか?」との問いには、62%と約6割が「ある」と回答。さらに50%がそのために「夏ならではのイベントへの参加を見送ったことがある」と回答した。

実際の体験談を見ると切ないものがある。

「夏は胃もたれする回数が多く、夏ならではのバーベキューや焼き肉を楽しみたくても、胃のことを考えてセーブしてしまいあまり楽しめない」(36歳・女性)

「胃腸の不調でトイレが近くなり、花火大会でせっかく場所取りをしたのに、トイレの列に並びながらメインの花火を見ることになってしまった」(27歳・男性)

ほかに、「外で胃の不調を感じたとき、緩和するためにお腹を温めたいものの体自体は暑いので、冷やすのも温めるのも苦痛」(23歳・女性)

こうした胃腸の不調について、約8割が「簡単に対策できる方法を探している」(79%)ことも明らかになった。

一般的に胃腸の不調対策といえば、胃薬を飲んだり、冷たいものを飲食しないようにしたりすることだ。とはいえ、夏の花火大会やロックフェスなどイベント時にはどうしても冷たいものを食べたり飲んだりしてしまうものだ。先の花火大会でトイレに駆け込んだエピソードのように、「胃腸の不調のせいで楽しめなかった」とはなりたくないものである。

イベント会場のトイレの最新事情

ところで、もしトイレがイベント会場に多く設置されていたり、常に空いてる状態だったり、空き状況を確認できたりするのであれば、少しは夏の胃腸の不調悩みも緩和されるかもしれない。

そんな仮設トイレは、知らぬ間に進化しているようだ。そこで今回は3社の仮設トイレの新しい取り組みを紹介する。

1.「仮設トイレの常識を変える」ウォレットジャパン

YOSAKOIソーラン祭りに導入された仮設トイレ

北海道発のウォレットジャパンが手がける仮設トイレは、清潔で快適な本水洗トイレが好評だ。

今年6月、3年ぶりの開催をしたYOSAKOIソーラン祭りの会場である札幌、大通公園に導入された。オリジナル作製したトイレコンテナで、今回は下水道施設が整っている場所であったため「本水洗」として導入。整っていない場所では「大型床下便層内蔵タイプの簡易水洗仕様」として選択ができるという。

また全モデルに断熱パネルを施しているそうで、厳冬期や盛夏期でも快適に利用ができるという。

営業本部 取締役営業本部長の岡田貴幸氏は、トイレコンテナの特長について次のように述べる。

「当社のスローガンは、『清潔は進化する。仮設トイレの常識を変える。』。屋外のトイレ環境をより良くしていくため、トイレ環境でお悩みの方々の選択肢を一つ増やすためにご提案をしています。

当社仮設トイレのこだわりの一つに、世界共通規格のISO国際コンテナ規格に準拠して製作している点があります。理由は、どこの町の運送会社でも運べるようにするためです。

また、シンプルをモットーに製作し、特殊な配管等も用いていないので、万が一不具合が発生しても、どこの町の業者でも簡単に修理できるようにもしています」

シャワールームを備えたタイプも

洞爺湖にあるグランピング施設では、トイレブースのほかシャワールームも備えたタイプを導入したという。

「シャワールーム専用コンテナの他、バスタブ付のシャワールームコンテナや、トイレブースとシャワールーム、バスタブ付シャワールームを一体型にした車載式のトイレカーも作製しています。車椅子の方でもご利用いただける昇降機付のモデルもあります」

バスタブ付きシャワールームとなれば、もはや屋外トイレの域を超えている。

シャワールーム概観

シャワールーム室内

車椅子昇降機付モデル

空室確認の機能も

また、同社は空室確認のできる機能を、仮設トイレでは初めて2018年から導入しているという。無駄な空室をなくし、混雑緩和対策をしたモデルを、YOSAKOIソーラン祭りや札幌ドームなどに設置した事例もあるそうだ。

今後の仮設トイレ製作における展望

今後はどのような展望があるのだろうか。岡田氏は次のように述べる。

「現在、自治体が管理する公園でも老朽化が進み、改修工事をするにも、数が多すぎて予算が取れず、年に数カ所しか改修工事が進んでいない状況と聞きます。こうした背景から、工事費削減や工期短縮が可能となるコンテナ型トイレを検討される自治体も増えてきました。指定避難場所となる場合もありますので、いざというときでも継続して使えるトイレとして広げていきたいと思います。

特に当社の製品は下水道施設が整っていない場所でもキレイなトイレとして使えるところに強みがあります。全国のトイレ環境にお困りの地域に広げていきたいと思います」

2.サッカー観戦中のトイレの混雑状況の可視化 岡谷エレクトロニクス

ソフトウェアやシステム製品などを手がける岡谷エレクトロニクスが取り扱う「AI搭載IoT統合エッジウェア Gravio(アステリア)」が、Jリーグ・川崎フロンターレのホームスタジアムである川崎市の等々力陸上競技場にて、「トイレ利用状況可視化システム」として2022年5月14日から実証実験として導入されている。

これにより、来場者はスマートフォンでトイレの混雑状況をリアルタイムで確認することができる。新型コロナ感染対策としての3密を回避するねらいだ。

岡谷エレクトロニクスのテクノロジー本部 ビジネス推進部ビジネス推進グループ 永畑直樹氏は次のように解説する。

「開閉センサーと呼ばれる小型のセンサーを、メインスタンドトイレの約100室に設置し、センシングしたデータを、当社が取り扱うPCやクラウド環境に格納し、そこから当社が開発したモバイルページに反映させています。

トイレの混雑状況を『満、混、空』の3段階に分け、利用者がどこのトイレが一番空いているかを確認することができます」

トイレの利用状況が可視化できることで、トイレに並ぶ可能性を減らすことができる。つまり待ち時間軽減の一助になる。

「またトイレに併設されている授乳室も同じく、開閉センサーでセンシングしていますので、お子様連れの方にもメリットがあります」

今後の展望

この実証実験により、どのような未来が待っているだろうか。

「本製品の特徴は、電源と通信環境さえ確保できれば、どこでも簡単に実現でき、サイネージ画面への掲出も可能です。今後はスポーツ施設のみならず、日本全国あらゆる場所で、トイレ使用状況可視化が実現できるものと考えています。

また今回は、センサーを使って実際に使用されているトイレの状況をお伝えしていますが、カメラを使って、トイレの外の待ち時間の目安を算出し、モバイルページに反映させるなど、ユーザー目線でさらなる満足度向上を目指します。施設管理者にも、トイレ利用状況から、最適な清掃タイミング確認に利用いただくことや、センサーを使って使用頻度を確認し、解放するトイレの室数を制限して、清掃やメンテナンス頻度を下げる等の負担軽減につなげていくような施策も考えています」

イベント会場のトイレの利用状況の可視化は、利用者にとってはありがたいものだ。今後、カメラ設置などさらなる進化に期待したい。

3.水がない場所でもOK!循環型の水洗トイレ~グリーンハート・インターナショナル

「未来くるBOX」イメージ

大阪発のグリーンハート・インターナショナルは、「未来くるBOX」という循環型の水洗トイレを開発している。

これは、搭載された小型の処理装置が「し尿」を浄化し、トイレ洗浄水に循環再利用する自己処理タイプである。採用されている水土浄化システムは高い浄化能力を有し、中水として再利用できる修景用水基準まで浄化されるという。

超小型仕様で1日50回程度、最大75回使うことができる上に、連続して使用できるのも特長だ。必要な場所への移動も容易で、通常のインフラが使えないときにも水洗トイレがいつでも使えることから災害時の避難時はもちろんのこと、水道のない場所、観光地やキャンプ場、イベント会場などにも設置できる。

「未来くるBOX」展示イメージ

すでに同じ技術を用いたトイレが、公園トイレや駐車場トイレ、道の駅、キャンプ場登山者用トイレ、寺社仏閣などに導入されているという。

同社の担当者は、次のように述べている。

「未来くるBOXは、通常のインフラが使えないときにも水洗トイレがいつでも使えることと、一時的に集中したトイレ利用にも対応可能である点から、災害時および観光地や民間施設向けに全国に導入を呼びかけています。土壌の浄化作用を利用するため、環境負荷が少ないのも特徴です」

今後の展望

今後は、どのような展望があるのだろうか。

「災害時には、簡易トイレや仮設トイレなどがあっても決して快適な環境とは言いがたいのが現状です。未来くるBOXは、災害時でも普段と変わらない水洗トイレ環境が実現でき、避難所生活での衛生課題解決の決め手となります。少なくとも水洗トイレがふだん通り使えることで、トイレゴミや公衆衛生の問題が軽減でき、環境負荷およびトイレストレスの軽減につながります。地域インフラのレジリエンスを強化の一環として、災害につよいまちづくりを衛生面で支えるツールとして設置を進めることが私たちの目標です」

*

イベント会場のトイレは、さまざま形に進化している。トイレは清潔であることは一番ではあるが、混雑しないことも利用者にとって快適に利用できるポイントといえる。

またそのトイレの方式にも種類が広がってきている。特に災害対応や場所を選ばず設置できること、環境配慮という点は大きな可能性が期待できる。

【調査出典】パナソニック「夏の胃腸の不調」に関する調査
https://kyodonewsprwire.jp/release/202207073537

取材・文/石原亜香利


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