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2018年のジョニー・デップ主演映画「L.A.コールドケース」が今頃劇場で公開された理由

2022.07.31

■連載/Londonトレンド通信

ジョニー・デップが抱えた3件の裁判

 8月5日公開のブラッド・ファーマン監督『L.A.コールドケース』は、アメリカでは2018年9月公開予定だった。それが2021年3月になり、日本公開も今頃となった、いわくつきの作品だ。

 この映画の主演ジョニー・デップは、その頃、イギリスでは度々報じられていた。ロンドンでの裁判のニュースだ。

 2018年にデップが英タブロイド紙The Sunの記事に対して起こした裁判だった。その記事は、デップをWife Beater(妻を殴る人)と呼んだ。殴られたとされる元妻アンバー・ハードが、The Sun側の証人になった。

 ニュース画面もデップ登場で華やいだ。スーツ姿でもブレスレットや指輪を重ね付けしたり、スカーフだかバンダナだか首に巻いたりのデップに、控えめな服装が金髪とスタイルの良さをかえって際立たせる、23歳年下の元妻ハードだった。

 2人の出廷がその都度報じられた注目の裁判は、2020年にデップの敗訴となった。

 イギリスでは敗けたデップだが、2019年にハードを名誉棄損で訴えたアメリカの裁判では、この6月に勝訴している。

 勝利の美酒に酔いしれる間もなく、デップには次の裁判が待っていた。それが、今回ご紹介する『L.A.コールドケース』に絡んだ裁判だ。

 この映画でロケーション・マネージャーを務めたグレック・ブルックスが、撮影中に暴力をふるわれたと、デップを訴えていた。アメリカの配給元は理由を明かさなかったが、訴え後まもなく、公開の延期を発表した。

 この7月に始まるはずだったブルックスの裁判は、始まる間際に取り下げの方向で双方が同意したそうだ。いずれにせよ、ハードとの件はドラッグとアルコール使用のうえ、ブルックスとの件もアルコール使用のうえとされていて、ドラッグとアルコールの常用については以前からデップ本人が認めている。

実際に起きた人気ラッパーの殺人事件をベースに展開

 好んでか、そういうイメージがあるせいか、役でもよくそんな人を演じ、プロデュースもしている。今回の『L.A.コールドケース』でも、デップは主演のほかエグゼクティブ・プロデューサーも務めた。

 デップが演じるラッセル・プールは、アルコールやドラッグが原因ではないが、メイン・ストリームから外され、反逆者扱いされてしまう。せつないのは、真面目な仕事ぶりだったからこそ、外されてしまうことだ。

 プールは実在の元刑事だ。彼が刑事として追ったのが、ラッパーのノトーリアス・B.I.G.が殺された事件だった。ラッパーの2パックが殺された事件ともども未解決になっている。映画は、その実話をベースにしている。

 プールは自分が担当した警官同士の射殺事件から、その裏にあった事実を知り、ラッパー殺人事件とのつながりに気づく。

 そして、危険をくぐり抜けながら、真相へと近づいていく。
 

 だが、そうやってつかんだ事実を公にする道が、阻まれてしまう。プールに協力するのは、被害者の遺族を除けば、同じ事件を追っている記者ジャック・ジャクソン(フォレスト・ウィテカー)くらいだ。

 当初は真面目さ、後にはくたびれ感を出して、状況の変化を表すデップに劣らず、同僚から茶化される一本気な記者をウィテカーが好演している。
 

 力のある者がストップをかければ、裁判や、警察は、必ずしも真相究明の場にはならない。道半ばだったプールの姿が、苦い後味を残す。

 後半甘め、綺麗にまとめすぎとも思うが、大騒ぎになった事件の裏側を知らせてくれる映画ではある。

 それにしても、現実の裁判では、有能な弁護チームをやとう財力にも事欠かないデップは、力のある側だろう。それが、映画中では強者につぶされる弱者を演じて違和感がない。さすが役者だ。


8月5日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋他全国順次公開
(C) 2018 Good Films Enterprises, LLC.
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。
http://eigauk.com


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