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クルマはスマホになる?電動化が加速している理由

2022.07.31

クルマの電動化はつまらない、音がしないのは魅力がない、電動化は時期尚早など、自動車の電動化はクルマ好きほど評判は悪く、まして国内の電力事情が逼迫すれば「それみたことか」と言わんばかりの話題になる。だが、そもそもなんで急激に電動化が進められるようになったのか。

メガシティの誕生

ご存じのように地球温暖化、温室効果ガス削減という話はよく耳にする。「敵は炭素である」ともトヨタの豊田章男社長もおっしゃっている。しかし、電動化の理由の中に、あまり日本では語られていない理由として、人口シフトによるメガシティの誕生という問題があるのはご存じだろうか。

主に欧州で言われている問題で大都市に人口が集中してメガシティになる。すると交通量は爆発的に増えて環境破壊が起こる。さらに人口の増加という問題もプラスされ、2050年には今の1.5倍の約100億人になるとも予測されている。

人口が激増したメガシティー。

これは多くの社会学の博士たちの間では常識らしい。ボッシュの「モビリティエクスペリエンス2017」では当時CEOのロルフ・ブーランダー博士は同様の説明をし、解決に向けてどんなソリューション開発が必要かを講演している。また自動運転などメルセデス・ベンツで先進技術を牽引していたアレキサンダー・マカウンスキー博士は社会学の博士でもあった。

そうしたメガシティから排出されるCO2をどうするのか?環境対策をどう取るべきか?というのが電動化を推し進めるもうひとつの背景でもある。そこで出てくるのが脱炭素であり、地球温暖化防止のテーマと重なり、グローバルで電動化が進めらている。

ボッシュの元CEO ロルフ・ブーランダー博士。

電動化は既定路線

そうした状況下でカーメーカーはどんな対策が必要になるのか? どんなソリューションが必要か? ということで高効率な内燃機関、ディーゼルエンジンの普及拡大、ハイブリッド、PHEVなどの施策が当初考えられていた。日本では今も重きを置いて考えているが。

だがフォルクスワーゲンの北米を発端とするディーゼルゲート問題で一気にEV化へのシフトが強まったという経緯がある。さらにカリフォルニア州をはじめとする準拠州数十州によるZEV規制ができたり、EV促進政策として中国ではNEV政策が発布されるなどもあり、電動化の歩みが速くなった。

もっともZEV規制はトランプ元大統領やジョー・バイデン大統領によっても規制内容がかわってしまうので揺れ動いてはいるが、2021年6月時点の準拠州は16州だと日本貿易振興機構(JETRO)はレポートしている。

とはいえ、マツダが2009年に配布した環境エンジン、スカイアクティブの資料の中にビルディグブロック戦略があり、将来の環境への対策として2030年代には電気自動車導入がすでにその時代に構想されており、カーメーカーにとっての電動化はある意味既定路線であることが理解できる。

マツダが2009年に配布したスカイアクティブの資料から。

カー・インターネットビジネス

一方で、電動化と同時にCASEやMaaSといった概念、考え方もある。コネクテッド、自動運転、サービス&シェア、電動化の頭文字のCASE、そしてモMobility as a Serviceの略MaaSはモビリティによる移動手段サービスという概念も持っている。

この概念がカーメーカーの製造・販売というビジネスモデルから業態変化をし、モビリティカンパニーになるという流れを説明できる。つまり、環境対策のための電動化をした先にビジネスチャンスはあるか?という課題を見つけ、そのためのアプリケーションは必要だと考えたわけだ。

GAFAのビジネスモデルをみると、クラウドとネットワークでつながりモノを経由して個人データの収集や広告、モノの販売などのビジネスがある。GoogleはGoogle Pixelがあり、言わずもがなクラウドがある。アップルにはiCloudとコンピューター、スマホがあり、AmazonもAWSなどがあり、もちろんECサイトは言うまでもない。FacebookはSNSとクラウドだったが、最近メタになりメタバースツールのオキュラス社を買収しているので、モノも手にしたことがわかる。

つまりインターネット上でのサービスによってビジネスモデルが成立するわけで、クルマ=モノ=スマホが常時接続されるコネクテッドカーになれば、製造・販売の商売以外からも収益が出せる可能性があるわけだ。ホンダとソニーの提携はまさにこの領域へ踏み込んだものだ。

実際2017年のドイツ・フランクフルトモーターショーではフォルクスワーゲンのボードメンバーから「タブレットにタイヤがついたクルマをイメージしてほしい」とテーブルインタビューで答えていたのだ。その段階でVWサービスを運用するためのオリジナルOSを開発するとも発言していた。

そのためには、さまざまなサービスが必要になり、移動のサービスやエンタメ・サービスなど各社インターネット上のサービスにおけるオリジナリティを求めて突き進んでいるという見方ができよう。ホンダはアバターASIMOの研究をしていると言っているし、ブロックチェーンを用い、銀行を介さないWeb3が現実のものとなれば収益には大きなメリットも生まれてくる可能性も高い。

トヨタに至っては街ごと作るウーブンシティがあり、次世代技術を使った未来都市を東富士エリアで展開しようというのだ。もちろん実証実験も兼ねているが、それはビジネスとして成立する前提での挑戦であるわけで、トヨタほどの規模がなければトライできない。が、そこには大きな期待が掛かっているのも事実だ。こうした取り組みによって「自動車メーカー」から「モビリティ カンパニー」へとパラダイムシフトしているのが今なのだ。

とはいえ、サービスによる収益化も目指して車両等開発・取り組みを進めているが、経営の中心はまだまだ既存の製造・販売というビジネスモデルだ。だからこの先どんなプロダクトで会社を支えていくのか?というのは大きな課題でもあるわけだ。そうした角度の視点から新型車を見てみると、興味深くみることもできるのではないだろうか。

文/高橋アキラ(モータージャーナリスト)


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