今年の夏のボーナスの使い道は何にしただろうか。このほど物価高騰による値上げラッシュや、コロナ禍などの影響から、家計は厳しい状況になっている。また近年は投資のトレンドもあり、ボーナスの用途も広がっている。今年は新たな使い方をした人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、ファイナンシャルプランナーに今ドキのボーナスの使い道についてお伺いした。
ボーナスの使い道は3年前と比べて「投資資金」が上昇
少額投資から始められるスマホ証券アプリを手がけるPayPay証券が2022年6月、全国の20歳~69歳の働く男女500名を対象に行った「物価上昇と資産形成に関する調査」では、夏のボーナスの使い道についての実態を知ることができる。
今年2022年と3年前のコロナ前のそれぞれについて、ボーナスの使い道を尋ねたところ、3年前に比べて増えたものは「投資資金にする」がトップで+6.6ポイント。次いで「医療費」が+1.6ポイントという結果になった。
反対に、3年前に比べて減ったものは「物を買う」が-5.0ポイントでトップに、次いで「旅行をする」が-4.0ポイントとなった。これはコロナ禍の影響による消費の減少とみられる。
「貯蓄」は-1.8ポイントとなり、それほど増加していなかった。消費が減ると貯蓄に回すイメージがあるが、もはや人々の意識は貯蓄のみならず、投資にもシフトしているようだ。
その背景には、手軽にはじめられるスマホ証券やネット証券の普及や、金融リテラシーの向上も影響しているとみられる。投資がより身近になり、資産形成について考える人も増えたのかもしれない。
ファイナンシャルプランナーがおすすめする夏のボーナスの使い方とは?
すでに夏のボーナスはもう使ってしまった人も、使い道を決めてしまった人も多いだろう。しかし、今の時期に最適な、手堅いボーナスの使い方があればどうだろうか。
そこで、ファイナンシャルプランナーとして活動しながら書籍の執筆や監修、講演活動などを行う水上克朗氏に、あえて今後の参考にもなるおすすめの夏のボーナスの使い方を聞いてみた。
【取材協力】
水上克朗氏
ファイナンシャルプランナー
慶応義塾大学を卒業後、大手金融機関に入社。現在、ファイナンシャルプランナーとして、執筆、相談、監修、講演活動などを積極的に行っている。著書に「50代から老後の2000万円を貯める方法」「見るだけでお金が貯まる賢者のノート」(2022年7月25日発売)がある。
https://mizukatsu.com/
「ボーナスを使うのは50%までにします。残り50%は、安全な商品『現金・預金』に25%、リスク商品『投資信託・株式・債券』に25%を割り振るところから始めて、できるだけリスク商品への投資に回すのがおすすめです。ちなみに、米国家計の金融資産のリスク商品への配分割合は、約半分。その結果、20年間で日米の家計資産は2倍の差がつきました。
お金を増やしたいと思ったら『置き場所』を預貯金から投資に変えていくことが重要です。もし、万が一のときに備えるお金として、最低6ヵ月分の生活費がないなら優先して貯めましょう。また、子どもを塾や習い事に通わせるなら、毎月の給与でやりくりできる範囲にとどめておくとよいでしょう。住宅ローンのボーナスでの繰り上げ返済は、返済すべきタイミングと避けるタイミングがあるので、注意を。ボーナスは計画的に有効に使うことが大切です」
貯金・投資・医療費・趣味/旅行にボーナスを充てるときのポイント
ところで、先の調査結果も踏まえつつ、ボーナスといえば「貯金」「投資」「医療費」「趣味/旅行」に充てることを考えるケースが多いだろう。そこで水上氏に、それぞれをボプレビュー (新しいタブで開く)ーナスとして充てるときのポイントを教えてもらった。
●貯金
「コロナ禍で消費が減ったかと思いますが、平時に戻れば、飲食代、衣服代、趣味代などが余計にかかるようになります。この時期にこそ、その減った分は貯蓄しておくことが大切です。
また、毎月の赤字をボーナスで帳消しにしていませんか? ボーナスを投資などに有効活用できるよう毎月の収支改善を図るほうをおすすめします」
●投資
「将来予定しているイベントや夢があっても、漫然としていればお金は貯まりません。『何のために、いつまでに、いくら貯めたいか』という投資の目標を決めましょう。また、資産運用としての投資のほか、資格取得や副業のための勉強といった自己投資にも取り組むのをおすすめします。将来に備え、資格やスキルを身につけておくことも大切です」
●医療費
「医療費は年々、増加傾向にあります。その背景には高齢化と医療技術の高度化があります。医療費にボーナスを充てるというのはもったいないことです。食生活を重視し、バランスの良い食事を心がけるなど、長きに渡って健康を保つほうが大切ではないでしょうか。忙しいときの栄養補助にサプリメントを利用するなど、医療費よりも日々の健康施策に充てるというのをおすすめします」
●趣味・旅行
「コロナが完全に収束した後、思い切り趣味や旅行を楽しむために、半年後、1年後のためにボーナスを積み立てるのも良いでしょう。『旅行積立』と決めておけば、お金の管理面でも、他の使い道と区別できるので安心です。また、趣味などにお金を使う楽しみを上手につくることも必要です。『生きがい』も欠かすことができないものだからです」
今年のボーナスの使い道は、いつもとは違ったという人は多いだろう。使い道に迷い、貯めたままの人もいるかもしれない。今回のアドバイスを参考に、自分に最適な使い道を今後見つけていってはいかがだろうか。
【調査出典】
PayPay証券株式会社「物価上昇と資産形成に関する調査」
【参考】
水上克朗著「見るだけでお金が貯まる 賢者のノート──1億円貯めたFPが教える 100%トクするお金の習慣」(自由国民社)
取材・文/石原亜香利
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