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キリンビールサロンの講師が指南するクラフトビールの最新トレンドと楽しみ方

2022.07.30

コンビニやスーパーでもクラフトビールが買える時代になってきた。国内のクラフトビールブルワリーの数は600か所に迫る勢い。さらなる広がりを見せるクラフトビールに大手ビールも注目している。その人気と傾向を、キリンビールサロンの講師、後藤沙耶香さんと草野裕美さんに聞いた。

“ジャケ買い”もギャップを楽しむ時代に?

ビール売り場がにぎやかになってきた。ラガー、ペールエール、ヴァイツェン、IPA、地域のブルワリーのビールが並んでいたりする。最近は「ビールはそれほどでもないけど、クラフトビールは好き」というクラフトビールネイティブな人も見かけるようになった。夏本番、ますます盛り上がるクラフトビールの今を、仕事柄、ビールに造詣の深い、キリンビールサロンの講師の後藤沙耶香さんと草野裕美さんに語ってもらった。

キリンビールサロンの講師をつとめるキリンアンドコミュニケーションズの草野裕美さん(左)と後藤沙耶香さん(右)。

------ビールの選択肢がいちだんと広がってきた感があります。

後藤 スーパーのアルコール売り場に行くと、どこからどこまでがビールなのか、チューハイなのか、はたまた低アルなのか。よく見ないとわからないくらい多様化しています。パッと見、ビールらしくないデザインだけど「これもビールなのか」というビールも増えてきて、売り場を見ているだけで楽しくなってきました。

草野 ビールだと気づかずに買って、飲んでみたらおいしかった、よく見たらビールだった、ということもあるようです。

後藤 飲んだ後に「これもビールだった」と。そもそもビールには150種以上のスタイルがあり、日本では、そのなかのひとつ「ピルスナー」が主流になっているというだけで、まだまだ知らないビールが山のようにあることに気づいた瞬間、クラフトビールの門が開きます。

------150種以上もの多様性が魅力のビールの世界。クラフトビールを始めてみたいけれど、あまりの種類の多さに売り場の前でたたずんでしまう人もいると思います。何を目安にしたらいいでしょう?

後藤 クラフトビールのお店の方にいろいろ聞いてアドバイスしてもらうのが王道かもしれませんが、缶やボトルのデザインに注目して選ぶのも楽しいですよ。すてきなデザイン、変わったデザイン、クラフトビールは見ていても飽きません。

ビールのことはよくわからないけれど、とにかくかわいいラベルのビールを買って、注いだときの液の色やラベルの組み合わせを楽しむ。SNS映えを狙って。特に若い人に増えているように感じます。これからクラフトビールにトライしてみたい、まだ好みのビールがわからないという人はラベルから入ってもいいかなと思います。

草野 “ジャケ買い”も楽しいですね。缶も楽しみながら飲めます。ただ最近は、デザインと中身のイメージにギャップにあるビールが増えてきた印象があります。以前なら、かわいい系ラベルであればフルーツ系とか、苦みは弱めとか、ある程度、予想がつきました。それが最近、ラベルはかわいいのにガツンとしたIPAだったり、白いラベルなのに真っ黒なスタウトだったり。そのギャップが楽しめるようになると、また一歩、クラフトビールの奥深い世界に入り込めます。

「推しブル」をつくるのがツウへの近道?

------では、さらなるクラフトビールの世界のハマリ方を教えてください。

後藤 ビールバーへ足を運び、お店の人からいろいろ教えてもらうのがひとつ。また、世の中、推し活が盛んですが、ビールも推しのブルワリーをつくると世界が広がります。たとえば好きなビールを見つけたら、そのブルワリーのビールにこだわってみる。そのブルワリーがどんな地域にあり、どんな人が醸造しているのか知ると、ビールの味がグーッと深まるから不思議です。

草野 弊社のビールサロンでは、登壇してもらったブリュワーの話を聞いて、そのブルワリーのファンになったという受講生も多いです。ブルワリーの誕生にどんな背景があり、どんな思いでビールを造っているのか、そうしたストーリーを知って共感するものができることで、味の好みにとどまらず、いろんな興味が広がると思います。味だけでなく、持続可能性に注目してビールを選ぶ人もいますね。

後藤 ほとんどのブルワリーはペールエールとかIPA、ホワイト、スタウトなど複数のスタイルを醸造しているので、推しブルワリーができたら、そこでいろいろなスタイルのビールを試してみると、好みのビールが見つけられると思います。

コロナ禍で家飲みタイム増、“ホップ疲れ”でラガー回帰現象?

コロナ禍とともに過ぎた数年、心配された国内のクラフトビールだが、ブルワリーは数を増して充実の一途をたどっている。コロナ禍をはさんで、クラフト人気にどんな変化が見られるだろうか。

後藤 もっとも大きな変化は、IPAをはじめとしたエールが根づいたということではないでしょうか。ビールファンの間では10年くらい前からIPAなどのエールが話題になり始めていましたが、今や日本のビール市場にすっかり根づいた感があります。

後藤さんのフェイバリットは「キリン一番搾り生ビール」。

草野 ホップの特徴を活かしたビールの進化はめざましいものがありますね。ただ、最近の傾向として、ホップ疲れというのでしょうか、コロナ禍前と比べると、ラガー*回帰現象が見られます。小規模なクラフトブルワリーがつくるビールはエールが多いのですが、ラガーも始めたブルワリーが増えてきた印象があります。

草野さんのフェイバリットは「キリンラガービール」。

<注書き>
*ラガー(Lager)とは貯蔵という意味。下面発酵により長期熟成されたビールで、世界でももっとも飲まれているビール。日本に流通するビールの主流もこれ。対して、エール(Ale)は上面発酵で、2週間ほどの短期間で熟成する。

後藤 ビールサロンの受講生の中にも、いちばん好きなスタイルがIPAからラガーに変化したという人がいますね。

草野 家飲みの時間が増え、オンラインで全国のブルワリーのビールが手に入れ、はじめは人気のIPAを好んで飲んでいたけれど、だんだん飲み疲れてきて(笑)、けっきょくラガーに落ち着きました、という人がけっこういらっしゃいます。

後藤 大手メーカーのラガーに回帰した理由として「いつものスーパーで必ず売っているから」という人がいました。これは小規模のクラフトビールとの大きな違いで、「いつでも」「いつもの」ビールが手に入るというのは、ビール好きの人にとっては重要なことだと改めて感じました。安定感という安心がラガーを求めるのではないでしょうか。

草野 人気のビールの変遷を見ていると世相が見えてきますね。

ヘイジーIPAはビール史上に残る技術革新だ

あらためてIPAとはIndian Pale Aleの略。18世紀、イギリスが植民地だったインドまでビールを運ぶ際、防腐剤として大量のホップを投入したエールのことだ。21世紀、ホップの苦み、香りが洗練されたIPAは、多くの人を魅了することになった。そして今、ホップを大量に使用しながらも苦みを抑え、トロピカルフルーツのようなジューシーさで人気を博しているのがHAZY(ヘイジー) IPAだ。濁ったIPAの名の通り、グラスに注ぐとビールが白濁している。2000年代にアメリカで生まれたスタイルで、日本では2010年代後半からビールファンの間で話題になりはじめた。

草野 ビール業界にとってヘイジーIPAの登場は画期的な出来事でした。まさにビッグウェーブ。すでに世界的な人気の獲得、それもここ数年の瞬くうちに、です。

アメリカで生まれ大ヒットしたビアスタイルですが、当初、これは日本では飲めないだろうと言われていました。他のビールより品質の劣化が早く、輸送に耐えられないという問題があったのです。もちろん、醸造法も特別でした。それが今では日本国内のブルワリーもどんどんつくられています。これを可能にしたのはブリュワーの努力が大きいです。醸造技術は常に改良が重ねられていますし、輸送方法の向上もありますね。

-------- ビールは古代のメソポタミアの時代から飲まれ、ドイツのビール純粋令からも500年以上経ちますけれど、まだまだ技術革新の余地がある……?

草野 そうですね。先ほどホップの特徴を活かしたビールの進化がめざましいとお話しましたが、ホップ製品そのものもが進化しているのです。以前は、ペレットといって固形化したものがほとんどでしたが、今は液状のもの、香りと味を凝縮させたペレットなど、特許申請するような技術を使ったホップ製品が次々と開発されて、販売されています。ホップ品種も開発されて増えています。その意味では、新しい技術やトレンドを追いかけるのが好きな人にもクラフトビールはおすすめです。技術的にもトレンド的にも、どんどん新しいものが出てくるのが今のクラフトビール業界です。

後藤 日本のトレンドでいうと、フレッシュホップを使ったビールが特に人気が高い。量が少ないこともあって、あっという間に売れ切れてしまうとか。

草野 そうですね、日本では小規模のブルワリーでも小さなホップ畑を作って、少量ながら収穫したての「フレッシュホップ」を使ったビールを造るところが増えています。有名なホップ産地のあるヨーロッパやアメリカでは、そこまでフレッシュホップを訴求したビールは多く見られないので、日本特有の現象かもしれませんね。日本人は初物を大事にする食文化がありますから、その流れもあるかもしれませんね。

後藤 日本らしさでいうと、日本酒の酵母を使ったビールも注目です。もう日本酒なのかビールなのか、わからないくらい。それが魅力です。ここからジャパニーズ・クラフトビールが生まれてくる可能性もありますね。

まだまだネタがつきないクラフトビール。醸造技術やホップ栽培まで話は広がり、飲めば飲むほど奥深いクラフトビールの世界に、この夏、あなたもぜひ!

キリンビールサロン第四期は10月30日から開催(全5回)
募集時期:8月10日〜9月18日
https://drinx.kirin.co.jp/tag/beerseminar/

取材・文/佐藤恵菜


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