画像はイメージです
政府が検討を進めている給与のデジタル払い。企業が金融機関の口座を介さず、スマホの決済アプリなどを経由して従業員の給与を電子マネーとして入金する手法のことだが、実際のところ、どれくらいの人に認知されているのだろうか?
MMD研究所はこのほど、予備調査で18~59歳の就業している全国の男女6,080人、本調査で個人間送金利用者441人を対象とし、2022年6月24日~7月1日の期間に実施した「給与デジタル払いと個人間送金に関する調査」の結果を発表した。
給与デジタル払いの認知度は52.0%、内容理解は23.5%
18~59歳の就業している全国の男女6,080人を対象に、給与デジタル払いについて聞いたところ、「知っており、内容を理解している」が23.5%、「言葉を聞いたことがあるが、内容は知らない」が28.5%、「知らない」が48.0%となり、認知度は52.0%だった。
これを性年代別で見ると、「知っており、内容を理解している」という回答が多かったのは女性30代(n=664)で33.3%、次いで男性30代(n=684)が32.7%、女性20代(n=601)が31.6%となった。
給与デジタル払いの利用意向は33.6%
18~59歳の就業している全国の男女6,080人を対象に、給与デジタル払いについて説明したうえで、利用意向を聞いたところ、「利用したい」が11.2%、「やや利用したい」が22.4%とあわせて33.6%が利用意向を示した。
これを性年代別で見ると、利用意向が最も高かったのは男性10代(n=85)で58.8%、次いで女性20代(n=601)で47.4%、次いで女性30代(n=664)が47.3%となった。
次に、給与デジタル払いに利用意向を示した2,042人を対象に給与のデジタル払いが解禁された場合に受け取りたい給与の種類を聞いたところ(複数回答可)、「すべての給与」が41.8%と最も多く、次いで「交通費や出張費、仮払金など経費」が34.4%、「ボーナスやインセンティブなど賞与」が30.8%、「その他の給与」が0.4%となった。
これを性年代別で見ると、女性30代を除くすべての性年代で、デジタル払いで受け取りたい給与の種類として「すべての給与」と回答した割合が最も高いことがわかった。
個人間送金の利用経験は31.6%
18~59歳の就業している全国の男女6,080人を対象に、個人間送金について聞いたところ、「電子マネー機能を使っており、個人間送金を利用したことがある」「電子マネー機能を使っており、個人間送金をできることは知っていたが、一度も利用したことがない」が31.6%、「電子マネー機能を使っているが個人間送金をできることを知らなかった」が9.6%となった。
この結果から、電子マネー機能利用者(n=4,427)の86.9%が個人間送金機能を認知しているということがわかった。これを性年代別で見ると、利用経験が最も高かったのは女性20代(n=601)で42.4%、次いで女性30代(n=664)が39.9%、女性10代(n=86)が37.2%となった。
続いて、個人間送金を利用したことがないと回答した4,157人を対象に、個人間送金の利用意向を聞いたところ、「利用したい」が4.0%、「やや利用したい」が22.5%とあわせて26.5%が利用意向を示した。
これを性年代別でみると、利用意向が最も高かったのは男性10代(n=61)で41.0%、次いで女性20代(n=346)が38.4%、女性30代(n=399)が37.6%となった。
個人間送金を利用したことがあるサービスの上位は「PayPay」「楽天ペイ」「LINE Pay」
個人間送金を利用したことがあると回答した441人を対象に、利用したことがあるサービス(複数回答可)とメインで利用しているサービスを聞いたところ、利用したことがあるサービスでは「PayPay」が77.8%と最も多く、次いで「楽天ペイ」が32.0%、「LINE Pay」が28.1%となった。
メインで利用しているサービスでは「PayPay」が58.5%と最も多く、次いで「楽天ペイ」が11.3%、「d払い」が7.5%となった。
個人間送金を利用したことがあるシーンの上位は「少額のお金を借りたときの返済手段」「飲食会計の割り勘」「行事やイベントでの集金」
個人間送金を利用したことがあると回答した441人を対象に、個人間送金を利用したことがあるシーンを聞いたところ(複数回答可)、「家族・友人に少額のお金を借りたときの返済手段」が49.4%と最も多く、次いで「飲食会計の割り勘」が44.2%、「行事やイベントでの集金」が29.0%となった。
個人間送金サービスが使えるようになって欲しいサービスの上位は「モバイルSuica」「nanacoモバイル」「iD」
個人間送金を利用したことがあると回答した441人を対象に、個人間送金サービスが使えるようになって欲しいサービスを3つまで聞いたところ、「モバイルSuica」が22.2%と最も多く、次いで「nanacoモバイル」が17.0%、「iD」が15.4%となった。
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
<調査概要>
調査期間:2022年6月24日~7月1日
有効回答:予備調査6,080人、本調査441人
調査方法:インターネット調査
調査対象:<予備調査>18~59歳の就業している全国の男女
<本調査>個人間送金利用者
設問数 :予備調査5問、本調査5問
出典元:MMD研究所
構成/こじへい