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楽天、ファミリーマート、JR東日本、着ない服や余った食品を必要な人に届ける企業のサステイナブルな取り組み

2022.07.25

近年、リサイクルや廃棄ロスの観点から、古着回収や余ってる食品寄付など個人が参加できる取り組みを行っている企業がぞくぞく増えている。今回はその中でも馴染みの深い楽天・ファミリーマート・JR東日本グループの3社の取り組み内容と背景、思いを紹介する。

楽天グループ~スポーツウエア回収と家庭で余っている食品寄付

楽天グループ株式会社は、2022年6月26日より、サッカースタジアムであるノエビアスタジアム神戸に、エコをテーマにした常設コーナーを設けた。そこには、「フードドライブ」「エコステーション」「リサイクル」の3つの機能があり、古着回収と食品寄付も含まれる。

●実施背景

同社の担当者は、この常設コーナー設置の背景について、次のように述べる。

「今回設けた常設コーナーは『スポーツの未来を共に創ろう!-A BETTER FUTURE TOGETHER -』をコンセプトとしています。これは『地球環境などの社会課題解決を進め、次世代に安心して暮らせる社会をつなぐ』といった考え方をもとにしたもので、Jリーグ加盟チームで、ノエビアスタジアム神戸をホームスタジアムとするヴィッセル神戸と共に検討した結果、サステナブルなスタジアム運営を目指すために『ECO ZONE by Rakuten』という名で、ヴィッセル神戸ホームゲーム開催時に常設することになりました。

また、実施にあたっては神戸の未来を支援する『BEKOBEミライPROJECT』と、アシックスジャパン株式会社にご協力をいただいています。3つの機能とスペースは、ただ設置するだけでなく、なぜこういった取り組みが必要なのか、またご協力いただくと何が変わるのかなどについても、スタッフからのご案内や展示物などでお伝えしていき、今回の取り組みに賛同いただける方を増やしていきたいと考えています」

●スポーツウエア回収と家庭で余っている食品寄付

その3つの機能のうち、古着回収と食品寄付を見ていこう。

1.スポーツウエアのリサイクル

アシックスジャパンが実施している「GREEN BAGPROJECT」の一環として、自宅にある着なくなったスポーツウエアを回収する。回収したウエアは、100%リサイクル素材で作製したエコバッグ「グリーンバッグ」の材料の一部に生まれ変わる。

2.フードドライブ

神戸市とBE KOBEミライPROJECTと協力し、家庭で余っている食品をサポーターに持ち寄ってもらい、それを必要としている福祉団体・施設等に寄付を行う。市と協力しオール神戸で地域の未来を支えていくことを推進していく。

●人々のリアクション

まだ始まったばかりで成果が出るのは先だが、すでにサポーターからの良好なリアクションが得られているという。

「当日、来場していたサポーターの方からは『フードドライブは以前から知っていたが、ノエスタで協力できるのはありがたい。これからも協力していきたい』といったコメントをいただいています。また、スポーツウエア回収については『今日は持ってきていないから参加できませんでしたが、今後常設になるとのことでしたので、次回観戦に来るときにぜひ持って来たいと思います』などの声が挙がっていました」

今後について、楽天グループ担当者は「BE KOBEミライPROJECT、アシックスジャパン株式会社、ヴィッセル神戸、楽天の4者間で、ファン・サポーターの反応を見ながら改善を重ね、増設なども含めて検討していきたいと考えております」と述べた。

ファミリーマート~「ファミマフードドライブ」

ファミリーマートは、2021年4月から「ファミマフードドライブ」を全国の店舗で順次拡大している。家庭にある食べきれない食品をファミリーマート店舗に持ち込み、地域の自治体やNPOなどの協力パートナーを通じて、食支援が必要な人に提供する取り組みだ。

2021年4月から2022年2月末までに寄せられた食品の合計は約20トン。2022年7月11日現在で、全国41都道府県、1,571店舗で実施しており、日々、全国に拡大中だという。

●実施背景

開始した背景として、ファミリーマートの担当者は次のように述べる。

「新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのこども食堂が活動の休止を余儀なくされる中、当社として持続可能な社会のために何か貢献できることはないかを考え、ファミマフードドライブをスタートしました。

本取り組みを通じて、ご家庭にある食べきれない食品が活用され、食品ロスの削減につながるととともに、全国に店舗があるファミリーマートが回収拠点となることで、地域の皆様に、気軽に社会貢献活動に参加していただけるのではないかと考えております」

●ファミマフードドライブの概要

実際、どのような食品を持ち込めるのだろうか。受付可能な食品は、「未開封で破損していないもの」「賞味期限まで2カ月以上あるもの」「常温保存可能なもの」の3つの条件をクリアしたもの。例えば、缶詰、乾物、乾麺、インスタント食品やレトルト食品、お茶、コーヒー、飲料、調味料など。生鮮食品はNGで、アルコールや、日用品・金銭など、食品以外のものは回収できない。

例えば、使いきれなかったパスタ麺やインスタントラーメンなどが持ち込むのに好適といえそうだ。

●成果

すでに成果が出ている。寄付実績が2021年4月から2022年2月末までで合計19.6トン(上期2.3トン、下期17.3トン)を記録した。協力パートナーからは、「人々の温かさをありがたく感じ、活動の励みになる」「店頭で支援活動の紹介をしてくれることが大きな力となっている」などの声が挙がっている。また、支援を受けた人も、「お米やラーメンなど、毎日の食卓に欠かせないものばかりいただけてとても助かっています」などの声がある。

何より持ち込む側は、身近なコンビニエンスストアという点で気軽に貢献できそうだ。

JR東日本グループ「MAWASU STATION」

JR 東日本グループの株式会社JR 中央線コミュニティデザインと、JR 東日本スタートアップ株式会社は、アパレルブランド「ALL YOURS」を運営する株式会社オールユアーズと協業し、JR 中央線、JR 南武線の駅、そして駅ビルにおいて衣服の回収を行い、再利用・資源化する仕組み「MAWASU STATION」の実証実験を2022年7月1日~9月30日まで実施している。

利用者の不要になった衣服を回収し、メンテナンスや抗菌加工を行い、企業ユニフォームなどへの再利用を行っている。再利用がむずかしい衣服は、有機物分解処理によって、次の製品の原材料として資源化し再生利用するという。

●実施背景

実施背景について、JR中央線コミュニティデザイン 経営戦略本部 経営企画部の齋藤七瀬氏は次のように述べる。

「本取り組みの回収拠点の運営を行っているJR中央線コミュニティデザインでは、駅を起点とした沿線価値の向上を目指しており、これまでSDGsの観点から駅ビル内で古着回収など衣類活用の取り組みをしてきました。

今回、これまでの取り組みを深度化させ、古着の回収と駅の受け取りを掛け合わせることができるのではないかと考えました。また、ただ回収するだけではなく、地域で集めた古着を地域に還元したいという思いがあり、地域循環などを含め、回収後の有効的な活用が可能であることから、今回、駅を拠点とした取り組みの導入に至りました」

●実施概要

MAWASU STATIONは2022年9月30日まで、下記の回収場所で行われる。

回収場所(回収時間)
・JR 中央線武蔵境駅 有人改札(10:00~16:00)
・東小金井駅 有人改札(10:00~16:00)
・西国分寺駅 有人改札(10:00~16:00)
・JR 南武線稲城長沼駅 有人改札(10:00~16:00)
・セレオ国分寺 南口 (営業時間に準ずる)

回収対象は、不要になった衣服のうちトップス、ボトムスで、一人につき1日5枚まで。

回収できないものとして、学生服や企業用ユニフォームや氏名の記載があるもの、シーツ・布団・毛布などの寝装品など規定がある。

回収した衣服の活用例として、株式会社力の源ホールディングスが全国 130 店舗を展開するラーメンチェーン「博多一風堂」での会員ユニフォーム活用や株式会社 VILLAGE INCの無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」でのスタッフユニフォーム活用などがある。

●人々のリアクション

現在のところ、どのような反応が得られているのだろうか。

「開始一週間が経ち、想定以上の服が回収できています。ここから再利用できそうなもの、むずかしそうなものを仕分けしていきながら、有効的な活用を検討していければと思います」

また齋藤氏は、今後の展望として、「駅で服を回収するのは初めての試みになるので、どういったものがどのくらい集まるのか、実証実験の結果を踏まえながら、今後の事業展開について検討していければと思います」と述べた。

いずれも気軽に立ち寄れたり、興味のあるスポットで、手軽に食品や古着の回収ができる取り組みだ。ぜひ参加してみよう。

取材・文/石原亜香利

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