リモート経験をふまえ、自分スタイルを確立したプレゼンの名手が成功テクを公開。リアルからリモートに変わったプレゼンに悩んでいるビジネスパーソンは必見!
飽きさせない、距離を感じさせないよう投げかけ型のプレゼンを意識しています
バンダイ
トイディビジョン ブランドトイ企画部
新規企画チーム
チーフ 齋藤洋太さん
2011年入社。市場開発課を経て、現在まで企画開発職に籍を置く。担当は子供向けのキャラクター玩具。「元気に明るく」をモットーに、商品提案のプレゼンを行なっている。
リアルとは違うリモートの3つの課題を解決する
子供向け玩具の商品企画に携わるバンダイの齋藤洋太さんは、主に営業部署やプロモーションチームに向けた新商品のプレゼンを行なっており、簡潔でわかりやすく、熱意ある商品提案に定評がある。
「リモートをスタートした当初は、参加者の顔が見えず、反応も読めない環境に不安を覚えた」という齋藤さんだが、場数を踏む中で、「飽きさせない」「参加者との距離感を縮める」「熱量を伝える」という3つの課題に直面する。
これらの課題をどう解決したか、自ら企画した新製品『ユニトロボーン』のプレゼンをもとに、ポイントを教えてもらった。
まずはリアルでも悩ましい相手を飽きさせないテクニックから。
「トークだけでは単調になり飽きやすいので、商品特徴である合体・変形を実演した動画をスライドに挟んでいます。また、話し方に緩急をつけ、大事なポイントはリアル以上に強調して伝えることも、飽きさせない工夫です」
さらにプレゼンターと参加者の距離を縮めるアイデアとして使うのが、投げかけ型のトークだ。
「プレゼン中に『日常生活でこんなことってありませんか?』とか、『この商品のこの部分が不思議だと思いませんか?』と問いかけることで、距離が縮まり、商品を自分事として捉えてもらう効果もあります。さらに、画面を手元カメラに切り替え、動画と違うアングルでディテールを見せるライブ配信も取り入れました。これは私の持ち味である〝熱量〟で商品のよさを最大限に伝えられる大きな武器になったと思います」
リモート独自の利点も利用して勝利につなげる
課題解決に加え、リモートのよさもフル活用することで、プレゼン効率も高めているという。
「質問を想定した予備資料がPC内にあるため、回答を後回しにせず、その場で調べて答えられるのはリアルにはない強み。チャット機能で予備資料をすぐに送れることもリモートの利点です」
最近では、参加者がリモートに慣れ、リアルに近いコミュニケーションもとりやすくなってきた。
「Microsoft Teamsのライブリアクション機能を使い、『いいね』や『拍手』のアイコンを送ってくれる人も増えてきました。こうした反応が瞬時に見えることでも、モチベーションは一気に上がります。リモートでも、ようやく熱意を感じてもらえるプレゼンができるようになったと感じています」
ちょい見せします!MY PRESENTATION
バンダイ『マシンロボユニバースユニトロボーン』
歌に合わせて、「アップルとロブスター」「タクシーとツリー」など、身の回りにある、〝ありえないもの〟同士が合体し、ロボットに瞬間変形するオリジナルのキャラクター玩具。7月23日発売予定。
■ プレゼン DATA
【内容・目的】商品化決定のための全体会議
【対象】営業、PR、海外、設計・開発担当など商品に関わる全メンバー
【Web会議ツール】Microsoft Teams
【使用ソフト】PowerPoint、Windows Movie Maker、Adobe Photoshop
齋藤さんのプレゼン技!
【POINT1】手描きでコンテを切り骨組みを作る
まずは手描きのコンテを作り、プレゼン時間に合わせ整理をした後、パワポに落とし込む。『ユニトロボーン』の場合、70枚のコンテを、スライド32枚に要約。完成までに何度もバージョンアップし、完成度を高める。
【POINT2】商品に合わせたオリジナルスライドで熱意を伝える
テキストのみのシンプルな表紙が多い中、齋藤さんは、あえて商品の画像やイラストを目いっぱい凝縮。プレゼン開始早々に、商品の楽しさや、商品への熱意が伝わる工夫を加えている。
【POINT3】同様要素のスライドは情報を同じ位置にレイアウト
シリーズで商品が複数あるため、1商品につき1スライドで紹介。イラスト、図解などの共通要素を同じ位置に配置することで、スライドをめくっても目が散らないようにする。
【POINT4】動画を挿入したりカメラをONにして商品をライブで見せる
商品の軸となる「合体・変形」はパワポに入れた動画で見せる。プレゼンを飽きさせないアクセントとしても効果がある。
カメラをオンにして、齋藤さんがライブで合体・変形を実演。動画と違う角度から商品のディテールを見せていく。
【POINT5】PCのほかにスマホを用意しプレゼンタイミングをチェック
自身も自分のプレゼン画面を視聴。スライドが切り替わるタイミングに合わせてしゃべりがズレないよう確認する。
齋藤流リモートプレゼンの極意
リモートでもプレゼンターの商品にかける熱量が伝わることが一番大事。商品に興味を持ち、相手がノッてくれることで成功への道は開ける。
※掲載されている画像は、実際の商品と異なりますのでご了承ください。©BANDAI/PLEX
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今回は、DIMEの読者アンケートでも「リモートプレゼン勝利のメソッド」を募集! 真似できそうなものから取り入れて、プレゼン達人を目指そう。
資料編
見やすく頭に残るキーワードを大きく出す(女性)
事前に資料を共有しておく。アニメーションは極力減らす(30代・男性)
文字が大きく、行列が少ない、コメントが人気。あとでしっかり読んでもらえるように、追加で資料や情報の案内を加えている(40代・女性)
資料の文字は大きく、比較のグラフを多めに取り入れる(50代・男性)
環境編
手元のものを表示しやすくするために、2カメラにして、切り替えながら行なっている(男性)
画面の明るさや背景の色にこだわる。オンラインなのでスーツなどでなく女性らしさを大切にした服装を選んでいる(50代・女性)
リハーサルをとにかく重ねる。オンラインでは通信障害や操作ミスでプレゼンが台なしになることがあるので(男性)
本番編
話のヤマを作り、起承転結のあるトーク内容にする(男性)
雑談などを入れて、双方向に発言することを意識すると、初対面でも盛り上がる(40代・女性)
ゆっくり滑舌よく話す。笑いすぎない笑顔で話す。録画しておいて客観的に自分の欠点を見ることも大切(40代・男性)
見せる資料はできるだけ少なくして会話を重視。どうしても間が空いてしまうこともあるが、急がず焦らず、沈黙を楽しむようにしている(50代・男性)
取材・文/安藤政弘
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