世界情勢は依然として不安定で、国内では株価の下落が続いている。先行きが見えず、不安感のぬぐえない状況下において、Z世代&ミレニアル世代はどのような“転職観”を持っているのだろうか?
オープンワークはこのほど、「転職活動を始めている」「転職が決まっている」と回答した約1500名を対象とした「Z世代&ミレニアル世代の転職活動に関する意識調査」を実施。回答結果をデータ分析グラフと併せて発表した。
就業環境への不満TOPは全年齢層で「収入」、27歳以上では「やりがい」に対する不満も大幅増
社会情勢の影響か、収入に対する不満がすべての年齢層でTOPとなっている。27〜30歳、31〜34歳では、「やりがい・達成感がない」スコアが非常に高く出ていた。特に、27〜30歳では36.2%となっており、23〜26歳(27.0%)と比較し、9%以上も高い結果となった。また、「仕事の量や負荷が多い」と感じている人が多くいる結果となっている。
Q. 現在、あなたのお勤め先における待遇や環境、業務内容について特に強く感じている不満を【最大3つまで】お選びください。
転職を考えるきっかけ:「業界・企業の将来性への不安」が30歳以下と31歳以上で「2倍以上」のギャップ
前述の現職への不満と同様、収入ややりがい・キャリアアップに対することが転職のきっかけになっていることは全年齢層を通じて共通していたが、年齢層別での差異が特に大きかったのは「業界・企業の将来性に不安を感じる」項目だった。
23〜26歳で20.1%、27〜30歳で18.4%と高いスコアであったのに比べ、31〜34歳では9.0%と2倍以上のギャップが発生していた。キャリア(業種・職種)チェンジがしやすい20代と、経験やスキルを活かしたい30代での考え方の違いが出ていると想定される。
Q. あなたが「転職を考え始めたきっかけや理由」としてあてはまるものをすべてお知らせください。
「希望条件が叶うのであれば、現年収キープ・下がっても良い」が60%以上
転職における年収の考え方では、「希望条件が叶うのであれば現年収から下がっても良い」が11.7%、「現年収同様でもよい」が49.5%と、収入に対する不満や要望は多かったものの、実際に転職を考える際には年収が上がることよりも希望条件が叶うことを優先している人が多いことがわかった。
特に、「希望条件が叶えば年収が下がっても良い」と答えている人が、26歳以下では3.3%に対して、27歳以上では10%以上となっているのが特徴だ。
Q. 今後転職するとしたら、年収に対する考え方として近いものをお選びください。
転職に求める条件は約半数が「人間関係」を、Z世代は「勤務地」を重視
転職の希望条件を見ていくと、年収や休日、福利厚生に対する要望が上位に来る中、次いで多いのが「人間関係が良い」で49.0%だった。年収などと違い求人票や面接では見極めが難しい項目であり、現職への不満として上位ではなかったが、新たな環境において「人間関係の良さ」を重視する人が多いことがわかった。
また、Z世代は「勤務地が希望するエリアである」が56.5%で、他年代より13%以上高い結果となった。コロナ禍によってテレワークなど働く場所が多様化する中で、若い世代にとって「どこで働くか/働けるか」がより重要視されているようだ。
Q. 今後転職するとしたら、どのような条件や待遇をご希望でしょうか。あてはまるものをすべてお選びください。
転職における不安は求人条件と「人間関係」や「社風」など入社後の環境
転職における不安では、年収や待遇などの求人条件となるものが上位を占めた。しかし、2位には「新しい職場で良い人間関係が築けるか不安」が入り、TOP5に「社風が合わないかもしれない」や「企業・環境に適応できないかもしれない」という、入社後の環境に対する不安が上がってきている。
Q. 転職を考えるにあたって感じる懸念や不安として、あてはまるものをお選びください。
転職サービスへ求める機能の1位は「ブラック企業などの求人が載っていないこと」
転職サービスに特に求める機能として、「ブラック企業などよくない求人が載っていないこと」が1位となった。求職者は求人票に書かれている内容よりも、入社前には分かりづらい不安を解消してくれる機能やサービスを転職サービスに求めていることがうかがえる。
多くの求人が掲載されていることは求職者にとって選択肢が広がるというメリットがある一方、求人票だけでは判断しづらく、実際は求職者にとって「避けたい求人」に出会うリスクも高まるため、転職サービス側で選別をするといった「介在価値」を求めているようだ。
Q. さまざまな転職サービスで提供されている機能についてお聞きします。以下の機能の中で、あなたが特に【欲しい/ないと困る機能】を最大3つまでお選びください。
<調査概要>
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:調査会社パネルの「転職活動を始めている」「転職が決まっている」ユーザーを対象
調査期間:2022年5月
有効回答数:約1500名
出典元:オープンワーク株式会社
構成/こじへい