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進化した「iOS 16」のロック画面から読み解くiPhone 14の新機能

2022.07.18

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、アップルの開発者向けイベント「WWDC 2022」にて発表された、iOS 16について話し合っていきます。

※新型コロナウイルス感染拡大対策を行っております

iOS 16のロック画面にはAIの力が詰まっている!?

房野氏:アップルの開発者向けイベント「WWDC」が2022年6月に開催されました。最新の「iOS 16」にはどういった印象をお持ちですか?

房野氏

石川氏:iOS 16に関しては、世間的にみると小粒感があると思います。ロック画面で、フォントを変更したり、ポートレート写真のように奥行きを持たせる機能が追加されますが、ベータ版を設定してみると確かにすごくきれいになっていて、Androidとは違うなと感じる。アップルがこれまで培ってきたAIの技術が反映されています。

 秋に出る予定の新型iPhoneでは、ロック画面の常時表示に対応するという話もあるので、iOS 16は最新機種との兼ね合いを考えて進化しているのでしょう。あと、ロック画面の通知の表示も変わるので、アプリの作り方やユーザー設定も変わってくると思います。

石川氏

石野氏:常時表示に加えて、新型iPhoneではノッチが小さくなるという話なので、写真を表示しても欠けが少なくなるといった部分を、iOS 16の発表時点で予想してほしかったのかな? という印象もありますね。

石野氏

房野氏:iPhoneシリーズは2年に1度大幅に進化するという話もあります。今年は大きく変わるかもしれない年ですよね?

石川氏:そうですね。iPhone 12シリーズからiPhone 13シリーズはそこまで形状に違いがなかったので、2022年に出るであろう新型iPhoneでは、ハードウエアが大きく変わるのではないでしょうか。とはいえ、USB Type-Cへの対応はまだという噂ですね。

 ソニーが以前、カメラセンサーの売り上げが大きく伸びると話していたのを考えると、iPhoneのノーマル版とPro版でカメラのセンサーサイズが変わる可能性もある。iPhone 13以前は、カメラの数くらいの小さな違いしかなかったですし。

 iOS 16には小粒感があるけど、新型iPhoneのハードウエアの進化には期待したいです。とはいえ、iOS 16は写真から犬を切り抜いてメールに張る機能など、実際に触ってみるとすごいと思える。iOS 16では、試してみて初めてわかる違いもある。

石野氏:確かに、切り抜きの技術はすごいですよね。Adobeは今ごろ、唇をかみしめているかも(笑) 出版業界の仕事をしている自分にとって、画像の切り抜きの大変さは身に染みているので、素直に感心しています。

石川氏:本当だよね。20年前の自分に「携帯電話で切り抜きができるようになる」って教えてあげたいよ。「このデザイナーさん、髪の毛の切り抜き作業が甘いな……とか思わなくなるぞ」って(笑)

房野氏:そんなこともありましたね(笑)

石野氏:まぁ、今はもうPhotoshopとかでも簡単に切り抜けるようになっていますよね。例えば、スマートフォンを原稿用に写真撮影すると、ディスプレイ部分と背景の明暗差がすごく出てしまうんです。でも最近は、簡単に端末を認識してくれるので、きれいに仕上げられます。AIのすごさを感じます。

 ただ、並のパソコンでこの処理をしようとすると、オブジェクトの特定に時間がかかったりします。そう考えると、サクサク動くiPhoneはすごいですし、Neural Engine(iPhoneに組み込まれている、機械学習関連の処理に特化したチップセットの一部)の力を感じますね。

房野氏:iOS 16では、iPhone SE(第1世代)やiPhone 7といった機種が、アップデートの対象外となりましたね。

石川氏:ロック画面くらい、iPhone 7でもできるのではとも思ってしまいます。iPhone 7とiPhone 8の違いはどこだろうと悩んじゃう。

石野氏:iPhone 8からNeural Engineが搭載されているので、その違いじゃないですか。

法林氏:世代的にいえば、iPhone 8はiPhone Xシリーズと共通なので、ここで線引きしたんじゃないかな。あとは、メモリ周りに違いがあるかもしれない。

法林氏

石野氏:iPhone 7のアップデート対応は、さすがにもういいのかもしれないですね。現状、中古ショップくらいでしか取り扱われていませんし。ただ、中古市場ではiPhone 7も人気らしいので、使用している実数としてはそれなりに多いかもしれません。

法林氏:中古市場でiPhone 7が今でも人気なのは、iPhone 7 Plusの大画面に需要があるのが一因だと思います。“Plus”シリーズは、iPhone 8 Plusが最後で、iPhone 11やiPhone 12、iPhone 13には、“Pro Max”はあっても、ただの“Max”がない。つまり、安い大画面のiPhoneがない。日本は別として、Androidは安い大画面モデル中心のラインアップが主流になってきている。最近のiPhoneには抜けているラインアップなので、iOS 16にも対応した、iPhone 8 Plusの存在が大事なのかもしれないです。

最新OSではiPhoneとiPadの方向性の違いに着目!

房野氏:ほかに何か、iOS 16で印象深かった事はありますか?

法林氏:iOS 16じゃないけど、iPadOS 16では新しく「ステージマネージャー(アプリをウィンドウ表示できる機能)」が追加されます。iPadがパソコンライクに進めるということは、スマートフォン側はよりパーソナルな方向に向かっていきたいのでしょう。

石野氏:iPadのロック画面自体は、iPadOSで変わらないから、iPhoneとiPadの立ち位置が少し離れた感じはあります。

法林氏:iOSとiPadOSの方向性が見えてきた。パーソナルなものと、ビジネスユースのものといったように変わっていくのではないかな。でも、何でもiCloudでリンクするのはどうかとも思う。これはアップルに限った話ではないけど、仕事とプライベートの区別がついていないという話です。

房野氏:iPhoneに搭載されている“Aシリーズ”チップと、iPadやMacシリーズに搭載されている“Mシリーズ”チップで、チップセットの方向性に違いが出るのでしょうか?

石川氏:そうですね。それこそステージマネージャー機能はMシリーズのチップセットでしか動かない、パワフルさが必要な機能。なので、Aシリーズが搭載されているエントリークラスのiPadでは使えません。iPadと一括りにラインアップしながら、まるでOSが2つあるような状態になっています。

石野氏:iPadでいえば、“Pro”シリーズがMacライクに使えるように進化していて、それ以外はタブレットメインといった考え方になってきているのが面白いですね。

房野氏:“Pro”シリーズがよりプロユースになっていく方向性は、iPhoneでもあり得ますか?

石川氏:そこは強化されていくと思います。iPhoneのカメラセンサーが大きくなるのも、Proシリーズだけの可能性もあります。

石野氏:無印のiPhoneやiPadがベースとしてあって、そこにPro用の機能を足していく流れは共通していますね。

房野氏:例えば、新型iPhoneでは、ProシリーズのみUSB Type-Cに対応したり、Mシリーズのチップセットを搭載して連携を強化するといった可能性はありますか?

石川氏:ユーザーにはそちらの方がいいんじゃないかと思いますよね。カメラの質が上がっていても、結局AirDropでしかデータを共有できない、そんな環境では困る。iPadにUSB Type-Cが搭載された時には、データを取り出せるようにしたという話だった。その理屈なら、iPhoneもUSB Type-Cに対応するのが理にかなっています。

房野氏:ヨーロッパではUSB Type-Cに統一する動きがありますが、それとは別の動きという考え方ですね。

石川氏:ヨーロッパの状況も加味してですね。ProでのみUSB Type-Cに対応するやり方もあるかなと思います。これなら、Lightningのエコシステムを守れますし。

石野氏:そうなると、ヨーロッパではProシリーズしか販売できなくなるかもしれませんよ(笑)

房野氏:アダプターを付ければいいんじゃないですかね。

法林氏:現実的に、プロユースの方向に進化していくのであれば、Lightningでは厳しい。Lightningよりも前は、Dock端子が採用されていたけど、粗悪なサードパーティ製の充電器やケーブルが原因で、発火するトラブルが頻発したこともあり、MFi(Made for iPhone/iPad/iPod)認証を組み合せたLightning端子を導入した経緯がある。でも、USB Type-Cを使うAndroidスマートフォンの事故がどれくらいかといわれると、そんなに燃えてはいない。

石野氏:そんなにって(笑)

法林氏:そんなにね(笑) だから、専用端子を作るほうがいいのか、共通規格を注意しながら使っていくかは良し悪しです。どちらが正しいという話ではない。ただ、アップルは基本的にクローズドな会社なので専用端子を多用するけれど、ヨーロッパにはみんなが使えるよう、統一を良しとする文化がある。

iOS 16はアプリメーカーにとって正念場のバージョンになる?

石野氏:iOS 16の新機能というわけではありませんが、写真アプリの画像からテキストを認識する機能が、日本語にも対応しますね。

房野氏:それはローカライズされているということなのでしょうか。

石野氏:ローカライズの一環として、機械学習で日本語が使える範囲が広がったということですね。

石川氏:あと、集中モードの切り替えがロック画面からできるようになりますね。

房野氏:素朴な疑問なのですが、ロック画面でできることを増やすというのは、アップルとしてどういう考えがあるのでしょうか。集中モードの切り替えは、ホーム画面で行ってもさほど問題ないと思ってしまいます。

石川氏:ロック画面でできるということは、階層的に1つ上がるということです。今まで、集中モードの確認は、ホーム画面からコントロールパネルを引っ張ってきて行う必要がありましたが、待ち受けの状態でどのモードかすぐわかるようになります。

房野氏:ホーム画面の意味合いが薄くなってしまいませんか?

石野氏:ロック画面からウィジェットを開くような操作ができるわけではないので、その線引きはあると思います。iOS 16では、配達サービスの進捗状況もロック画面で確認できるようになりますが、これも利便性の向上に繋がると思います。

 代わりに、通知機能がディスプレイの下のほうに追いやられているので、アプリ開発者は奮起しないといけないですね。

石川氏:アプリがあり過ぎて、アイコンがいっぱい並んでいると埋もれてしまう。だからこそ、通知やウィジェットからアプリを利用してもらいたい、アプリメーカーにとって正念場になっています。

石野氏:ここ数年、アップルは通知に厳しくなっている。アプリメーカーがさほど重要ではない情報をどんどん通知するので、アップルとしては「けしからん」という意思表示かもしれません。要約するだけでなく下部に追いやっているのを見ると、通知という仕組み自体に疑問を感じていているのかもしれない。

石川氏:ただ、iPhoneとiPadを同時に使っていると、両方に通知が来る。結局手間になったりする。

房野氏:iPadでは要約機能が使えないとなると、やはりiPhoneとiPadの違いが明確になってきているようにも思うのですが、逆にiPadのエントリーモデルや、iPad miniといった製品を、iPhoneに寄せていくことは考えられますか?

石野氏:寄せてこそいませんが、M1チップを搭載していないiPadはそもそもあまり変わっていません。ロック画面の新システムまで対応するかはわかりませんが、iPhoneが対応した後にiPadへウィジェット機能を対応させた前例もあるので、あり得ない話でもないと思います。

法林氏:アップルの新機能の発表がつまらなくなってしまった。ロック画面や通知の話はわかるけど、あまりグッとくるネタがないし、OSとハードウエアの関係性を含めて、新しい提案があまりない。すでに完成度が高いという話でもありますが、アップルの開発の進捗が厳しいのかなとも思ってしまいます。

石野氏:これだけユーザーが多いと、ガラッとUIを変えるわけにもいかないので、どう進化させていくかは難しい部分ですね。

……続く!

次回は、iPadを初めとするAppleの新製品について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦


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