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沖縄の老人ホームで年間の1次エネルギー消費量ゼロを実現、ZEBの普及がもたらす社会インフラの未来

2022.07.17

脱炭素ソリューションの動きが加速する中、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)=ZEB(ゼブ)が注目されています。

注目のキーワード「ZEB」とは?

ZEBとは、快適な室内環境を可能にしつつ、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指す建物のことです。省エネの対象となる設備は、空調、換気、照明、給湯、昇降機の5設備となっています。

そんなZEBですが、ビルのエネルギー消費量によって、4つに分類されます。

まずは、一次エネルギー消費量の30%低減を目指します。30〜50%のエネルギー消費量を低減した建物は「ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)」と呼ばれます。その基準は建物の用途によって異なり、ホテル、病院、百貨店、飲食店、集会所などは 30%以上の一次エネルギー消費量低減が、事務所や学校、工場などは40%以上の低減となります。対象となるのは延べ床面積が1万平方メートル以上の建物です。

そして、一次エネルギー消費量低減を50%以上達成した建物(以降、延べ床面積の大小は不問)は、「ZEB Ready(ゼブレディ)」と呼びます。

さらに、「ZEB Ready」の要件を満たしつつ、再生可能エネルギーで年間の一次エネルギー消費量を75%以上低減した建物を「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」と言います。

年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロ、もしくはマイナスとなった建物を「ZEB(ゼブ)」と言います。

パナソニックのZEBプランナーがサポートした初のZEB Ready「久辺の里」

ZEBが注目される中、空調、換気、照明、給湯、太陽光発電などの製品を長年手がけてきたパナソニックも、本格的な取り組みを始めました。パナソニック株式会社のエレクトリックワークス社のマーケティング本部内にZEB推進チームを設立。ZEBプランナー7名体制で、ZEBの実現をサポートしていくこととなったのです。

ZEBプランナーとは、ZEBの実現・普及を進めるため、ZEBに関する窓口を設け、建築主(オーナー)へ建築・設備の設計・施工・コンサルなどの業務支援を行う者とされ、法人単位で登録します。パナソニックもZEBプランナーの法人登録をし、専従者として7名がプランニングしていくのです。

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 マーケティング本部 綜合営業企画部 電材営業開発グループ 小西豊樹さん

そのZEBプランナーがサポートして、初のZEB受注案件となったのが、沖縄・名護市にある特別養護老人ホーム「久辺の里(くべのさと)」です。

こちらは、社会福祉法人 美健会(びけんかい)の老人ホームで、地域密着型特別養護老人ホームが29床、ショートステイ(短期入所)が20床、デイサービス20名とケアプランセンターを併設しています。

鉄筋コンクリート造3階建てで、延べ床面積は2953.93平方メートル。2021年6月7日に開所したばかりの新しく美しい建物は小高い丘の上に立地しているため、晴天時には海を眺めることもでき、やわらかな潮風が心地良い最高のロケーションです。

室内は木目を基調とした温かみのある空間となっています。

共用部

短期入所用の居室

久辺の里は名護市立の小中学校が隣接し、地域の避難所となっています。そして、久辺の里も名護市と避難所として防災協定を締結。介護必要者を災害時に受け入れることとなっており、太陽光と蓄電池、ディーゼル発電により、最低24時間の地域住民の安心を確保。停電時にもケアができるよう災害に備えています。そのため、1階にはディーゼル発電機を用意。燃料約200Lを備蓄し、停電時などで発電します。

また、22KWの蓄電池も用意されます。

屋上には、ソーラーパネルも設置。沖縄の強い陽射しで発電します。

久辺の里はBEI値(基準建築物と比較した時の設計建築物の一次エネルギー消費量の比率)0.48でZEB Readyを達成していますが、省エネに大きく貢献したのが、換気と空調、照明です。換気でのBPI(外皮基準の指標であるPALにより算出する年間熱負荷の基準。設計PALを基準PALで割った値)は0.11、照明は0.43、空調は0.55となっています。

それでは、久辺の里の換気と空調、照明への工夫を見ていきましょう。

所内の天井には、内気と外気の入れ換え時に熱交換し、外気との温度差を低くして冷暖房の効率を劇的にアップする熱交換器が多数設置されます。

下の写真はパナソニックの熱交換気ユニット カセット式ルーバー「FY-RLP1510」です。

同じく天井に設置された、パナソニックの別タイプの熱交換気ユニットです。

また、共用部分と居室でのエアコンを分離。入居者の状況で細かく空調をコントロールできる体制となっています。

屋上には主に、共用部分用の高効率空調室外機を設置。

居室には、パナソニックの最新エアコン「エオリア」を設置。

室外機は、居室に近い位置に設置されます。屋上の室外機を含めて色が緑色っぽいのは、塩害とヤモリ対策とのこと。沖縄の土地にあった心遣いですね。

そして、所内の照明はLED化が図られています。

エコキュートにより給湯も省エネ化をしたい部分ですが、老人ホームは入浴用の湯を切らすことができないため、建物の特性上、導入はしていません。高効率なガス給湯器を設置しています。

以上の様に換気や空調、照明を高効率化しています。それらを管理するのが、パナソニックによるBEMSです。

下の写真のような温湿度計測を各フロア・各所に配しデータ化。さらに電力量の計測値などを取り込みます。

このデータを元にBEMSがクラウドと連携しながら自動で制御。こちらのモニタリングはパソコンでも確認可能です。

久辺の里は老人ホームを利用する目的に則しながら省エネ化を図り、さらに災害対策も配慮した建物です。赤い屋根瓦にシーサーを設置する、沖縄らしい伝統を採り入れながら、最新のテクノロジーを持つ久辺の里。ZEB Readyを取得するにふさわしい、新時代の建物の姿がそこにありました。

ZEBプランナーでパナソニックが掲げる受注目標

久辺の里でZEBの最前線を見てきました。

パナソニックは、ZEBプランナーによる受注プラン数と金額を、2022年度は40件/20億円に設定しています。そして、2030年度には280件/220億円を目標としています。

参入は2019年10月からで、エレクトリックワークス社の京都ビルが始まりでした。活動開始からわずか2年強の部門ですが、省エネ化に向けてビルの機能進化はまったなしの状況にあります。今後の進捗には大いに期待したいところです。

取材・文/中馬幹弘


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