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企業がBCPを策定したことによる効果TOP3、3位事業の優先順位が明確化、2位業務の定型化・マニュアル化が進んだ、1位は?

2022.07.15

事業継続計画(BCP)とは、「企業が自然災害、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続ないし早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段を取り決めておく計画」 である。

新型コロナウイルスの感染拡大や、サプライチェーンの混乱、2022年以降ではロシアのウクライナ侵攻、近時は愛知県における明治用水の漏水による影響など、企業の事業継続リスクは年々増大している。企業においては平常時からこうした緊急事態に備え、BCPを準備しておく必要がある。

そこで、帝国データバンクはこのほど、事業継続計画(BCP)に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年5月調査とともに行った。

BCPを策定している企業は17.7%。大企業が上昇も中小企業は横ばい

自社における事業継続計画(以下、BCP)の策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業の割合(以下、BCP策定率)は17.7%となり、前年(2021年5月)から0.1ポイント増加した。

また、BCPに対して『策定意向あり』(「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計)とする企業は49.9%(前年比0.3ポイント増)となった。他方、BCPを「策定していない」企業は42.1%(同0.4ポイント減)となった。

企業がBCPを策定している割合を規模別でみると、2022年は「大企業」が33.7%(同1.7ポイント増)、「中小企業」が14.7%(同横ばい)となった。「大企業」は、BCP策定率が年々上昇している一方、「中小企業」は低位にとどまっている。

さらに、「中小企業」でBCPを「策定していない」企業は45.5%、特に「中小企業」のうち「小規模企業」は54.7%と半数を超える。中小企業からは、「BCPの策定は必要だと思うが、中小企業で社員数の少ない企業では代替要員の確保が難しい。

提携工場などとの連携でのBCPとならざるを得ない」(米麦卸売、福岡県)や、「中小企業にとってBCPの策定は、人員・コスト面からもハードルが高い」(一般管工事、石川県)など、策定するための人員、費用の不足が要因としてあげられていた。

想定リスク、「情報セキュリティ上のリスク」「物流の混乱」「戦争やテロ」が上昇

BCPを『策定意向あり』(「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計)とする企業に対して、どのようなリスクによって事業の継続が困難になると想定しているか尋ねたところ、地震や風水害、噴火などの「自然災害」が71.0%となり、2017年から6年連続で最も高くなった(複数回答、以下同)。

前年との比較では、新型コロナウイルスなど「感染症」(53.5%、前年比6.9ポイント減)が低下した一方、「情報セキュリティ上のリスク」(39.6%、同6.7ポイント増)、「物流の混乱」(30.4%、同5.0ポイント増)、「戦争やテロ」(19.0%、同6.0ポイント増)が大幅に上昇した。

特に「情報セキュリティ上のリスク」は『金融』(68.6%)や『サービス』(54.4%)で、「物流の混乱」は『卸売』(40.3%)、『運輸・倉庫』(40.1%)などで高い傾向がみられる。

<想定するリスクに関する企業の声>
・「特にサイバー攻撃に関しては、対策を考えていきたい」(専門サービス、東京都)
・「備蓄在庫を持とうにも資材高騰、資材不足で非常に難しい」(木造建築工事、長野県)
・「策定した当初は自然災害を想定していたが、近時は半導体不足や木材の値上がり、物流の混乱などリスクがどんどん増えている」(時計・同部分品製造、富山県)

リスクへの備えは、「情報システムのバックアップ」、「調達先・仕入先の分散」が上昇

BCPを『策定意向あり』(「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計)とする企業に対して、事業が中断するリスクに備えて実施あるいは検討している内容を尋ねたところ、「従業員の安否確認手段の整備」が66.6%で最も高く、同様の設問を尋ねている2017年から6年連続でトップとなった(複数回答、以下同)。

想定するリスクとして「情報セキュリティ上のリスク」が前年から上昇したのと同様に、リスクへの備えも「情報システムのバックアップ」(58.7%、同3.3ポイント増)が上昇した。

また、「調達先・仕入先の分散」(38.1%、同3.0ポイント増)、「予備在庫の確保」(15.1%、同1.6ポイント増)など、サプライチェーンの安定に資する取り組みも前年から上昇している。「従業員の安否確認手段の整備」(66.6%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(43.9%)といった【従業員や設備などの経営資源を守る】取り組みは、多くの企業で実施・検討されていた。

一方、「代替生産先・仕入先・業務委託先・販売場所の確保」(19.0%)、「物流手段の複数化」(13.5%)、「代替要員の事前育成、確保」(12.7%)などの【経営資源が不足する場合は代替する】取り組みは低い割合にとどまっている。

<事業中断リスクに備えた実施・検討内容に関する企業の声>
・「新型コロナウイルスで対処したソーシャルディスタンスや時差出勤、在宅、リモートワークから端を発し、リスク分散やランサムウェアなどの問題に対するサーバーバックアップ体制などが、ここ2年でBCP構築という方向に繋がっている」(貸事務所、愛知県)
・「自社およびグループ会社でのリスクの明確化と、グループ間やサプライチェーンでのボトルネックを確認している」(自動車製造、静岡県)
・「資料の見える化、全員共有をしている。事務所に居なくともタブレット端末にて報告可能で、自宅PCにて対応可能なシステムを開発した。業務内容を全員が把握することにより、経緯が解り、担当部署でなくても連携が取れている。さらに、参加しやすく発言しやすいシステムを使うことにより、意見が言える会社作りを推進、実行している」(建築工事、群馬県)

BCP策定による効果、「従業員のリスクに対する意識の向上」が5割超でトップ

BCPを「策定している」企業に対して、策定による効果を尋ねたところ、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が53.7%でトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」(31.8%)、「事業の優先順位が明確になった」(30.9%)が3割台で続いた。この2項目は昨年から順位が入れ替わっている。

企業からは、「BCPの策定で、発生した自然災害や、新型コロナウイルスによる対面商談の制限などに対して、対応がスムーズにできた」(文房具・事務用品卸売、千葉県)といった声があがった。

また、「取引先から一層の信頼を得て、安定運営ができている」(園芸サービス、東京都)など、「取引先からの信頼が高まった」(21.0%)も2割超となり、企業の見られ方に関しメリットを実感する声もある。

BCPを策定していない理由、スキル・ノウハウの不足、人材の確保が依然として上位に

BCPについて「策定していない」企業にその理由を尋ねたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が42.7%で最も高かった(複数回答、以下同)。同様の設問を尋ねている2017年調査から6年連続でトップだった。次いで、「策定する人材を確保できない」(31.1%)や「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(26.1%)といった項目が続いた。

策定していない企業の回答では、「策定にかかる合理的な時間、費用(人件費)の想定や確保が困難である」(酒類卸売、北海道)や「現実的にリスクをどこまで考えればよいかわからない」(自動車(新車)小売、青森県)など、BCPの策定に難しさを感じている声が多い。

また、中小企業では「自社のみ策定しても効果が期待できない」が大企業と比べ6.0ポイント、「必要性を感じない」も大企業と比べ4.8ポイント高い。中小企業からは、「事業のほぼ7割が下請であり、当社のみで事業計画を作成することが難しい」(内装工事、東京都)、「仕入先メーカーの製造状況に左右されるため、当社独自のBCPを策定する必要性を感じていない」(室内装飾繊維品卸売、長崎県)といった声があがった。

近年各地で頻繁に発生している豪雨や地震などの自然災害のほか、サイバー攻撃によるシステム障害や情報漏えいに加え、近時はロシアのウクライナ侵攻、愛知県における明治用水の漏水など企業経営を取り巻くリスクは増大しており、BCPの重要性は今まで以上に高まっている。

こうしたなか本調査では、BCPの策定率は17.7%となった。策定率は調査開始以降で最高となったものの前年から微増にとどまり、「大企業」と「中小企業」における策定率の差は依然として大きい。BCPを策定していない企業では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」ことを理由にあげる企業が4割超に及んでいる。

事業が中断するリスクに備えて実施・検討している内容では、「従業員の安否確認手段の整備」や「緊急時の指揮・命令系統の構築」といった、【従業員や設備などの経営資源を守る】取り組みは高い割合となった。一方、「代替生産先・仕入先・業務委託先・販売場所の確保」や「物流手段の複数化」、「代替要員の事前育成、確保」といった【経営資源が不足する場合は代替する】取り組みは低い割合となっていた。

特に、「代替要員の事前育成、確保」は12.7%と8社に1社程度である。代替要員を育成するため業務の見える化、マニュアル化といった取り組みを企業として推進し、業務の属人化を解消していくことも、企業の事業継続にとって重要となる。

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい


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