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100円のコストアップでも売価への反映は44円、半分以下の価格転嫁率に苦しむ中小企業

2022.07.13

新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢などを背景とした原材料費の高騰に加え、円安の進行などさまざまな要因で仕入れコストが上昇している。

こうしたなか、下請け企業がコスト増加分を取引価格に転嫁しやすくするために、経済産業省は5月24日に開いた中小企業政策審議会の専門委員会に、「下請中小企業振興法」の基準の改定案を示すなど、特に中小企業における価格転嫁促進策が積極的に推進されている。

そこで帝国データバンクはこのほど、価格転嫁に関するアンケートを行った。調査結果は以下の通り。

「全く価格転嫁できていない」企業は15.3%、価格転嫁率は半分以下に

自社の主な商品・サービスにおいて、仕入れコストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているか尋ねたところ、『多少なりとも価格転嫁できている』企業は73.3%となった。

内訳をみると、仕入れコストの上昇分に対し、「すべて価格転嫁できている」企業は6.4%にとどまった。「8割以上できている」企業は15.3%、「5割以上8割未満できている」は17.7%となった。一方で、『全く価格転嫁できていない』企業は15.3%となった。

総じてみると、価格転嫁をしたいと考えている企業で、コストの上昇分に対する販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は44.3%と半分以下にとどまった。これは仕入れコストが100円上昇した場合に44.3円しか販売価格に反映できていないことを示している。

一部の企業からは、「零細企業のため、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁は100%しなければ維持できない。今後も値上がり分は販売価格に転嫁していく」(家具・建具卸売)といった声が聞かれた一方、「何とか値上げしたいが、取引先の了解が得られない」(こん包)や「価格交渉を進めたいが、他社との競争もあり厳しい状況」(印刷)など厳しい声もあがっている。

建材・家具などを扱う卸売業で価格転嫁が進む一方、運送業などは依然として厳しい状況

業種別の価格転嫁率をみると、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(64.5%)は全体(44.3%)を20.2ポイント上回っている。また、「機械・器具卸売」は55.4%、「飲食料品卸売」は51.6%となった。

企業からは、「一部の為替リスク等で転嫁できない部分はあるが、それ以外は基本的には転嫁している」(雑穀・豆類卸売)といった声が聞かれた。

一方で、特に原油価格の高騰の影響を受けているトラック運送などを含む「運輸・倉庫」は19.9%と全体を24.4ポイント下回った。また、小麦価格や輸送費などの上昇に直面している「飲食料品・飼料製造」(33.6%)も価格転嫁が進んでいない。

企業からは、「下請けの下請けでは価格転嫁など到底かなうものではない」(一般貨物自動車運送)というように、多重下請け構造の物流業界では価格転嫁が厳しい環境にある様子がうかがえる。

多少なりとも価格転嫁できている企業の声としては、以下のようなコメントが寄せられている。

・秋にはビールの値上げが予定されているが、税制改正もあり価格転嫁するつもり(酒卸売)
・製造に使用される合金の主成分である希少金属(ニッケルやタングステン)が海外からの輸入品であり、円安も加わり値上がりが激しい。さらなる高騰も推測され、製品の再度の値上げも必要となるだろう(金属プレス製品製造)
・商品の値上げをやっと了承してもらっても、原料の値上がりがそれを超えてくるため、現在は追いついていない(生菓子製造)

一方、全く価格転嫁できていない企業の声としては、以下のようなコメントが寄せられている。

・問屋さんに価格転嫁を認めてもらえない(飲食料品・飼料製造)
・価格転嫁したいが、受注時での価格競争が激しいため転嫁は難しい(民生用電気機器製造)
・メーカーの定価は据え置きされたまま、仕入価格だけが上がっている。競合他社、ネットショップとの価格競争から販売価格に原価上昇分を転換できていない(家具小売)

次に、主要な商品・サービスを取り扱う企業からの声も紹介する。

<機械>
・さまざまな仕入先メーカーから軒並み、値上げ案内が来ている。自社では顧客に前もって案内し、値上げ日からメーカー変更価格で販売するよう徹底している。値上げ前に、よく出ている物を多めに購入してもらうようお願いしている
・零細企業であり、自社技術の自社製品を製造・販売しているので価格の転嫁が比較的容易に行える。しかし、契約時と工事施工時の間に値上がりしているケースもあり、その場合は価格の転嫁は難しい

<水産食品>
・値上げでどこまで売り場や消費者がついてきてくれるかわからない。今年の春の値上げは、一応成功したが、秋には再度値上げしないと採算が取れない
・価格転嫁の適用開始日が3カ月~4カ月先となり、その間が厳しい

<貨物自動車運送>
・大手荷主にお願いをしても、代わりの運送会社はいくらでもいると言われ、転嫁してもらえない
・行政の指導に基づく「燃料サーチャージ」導入を提案するが、なかなか荷主の理解を得られない。物流コスト増にともなう値上げとよく耳にするが、自社は全く価格転嫁できていない

<ソフト受託開発>
・半導体部品の供給状況や価格が高騰している部材などの情報を共有し、価格転嫁を認めてもらっている
・サーバー構築費用などのコスト上昇分を、転嫁すべく準備を整えている。2020年に一度価格の改定を行う予定でいたが、新型コロナにより見合わせていたので、大きく価格転嫁する事をためらっている

本調査の結果、自社の主な商品・サービスの仕入れコストの上昇分を販売価格やサービス料金に多少なりとも価格転嫁できている企業は7割となった。ただし、取引先の理解を得られないことや価格競争の激化による客離れへの懸念などを背景に、販売価格やサービス料金に全額転嫁できている企業は約6%にとどまり、全体の価格転嫁率は5割を下回っている。

原材料費など仕入れコストの上昇はとどまる気配がみられない状況である。そのため、今回調査でコスト上昇の全額または大部分を転嫁できている企業においても、今後さらなる価格転嫁が必要となる事態も想定され、各社は厳しい舵取りを迫られそうだ。

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい

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