欧州では自動車メーカーがEV化を推し進めているが、北米では異業種から参入したテスラ中心に動いている。これまでとは全く違うアプローチからのクルマ造りで自動車業界のDXを加速させている。
国内メーカーを脅かすビッグウエーブが到来
自動車メーカーではない、IT企業のテスラが造ったEVの『モデルS』が日本に上陸したのが2014年。江戸時代の黒船来航になぞらえて、EVの黒船来航として話題となった。ガソリン車を製造しない、テスラはこれまでの自動車の常識をすべて覆す。インテリアは大きなディスプレイが1枚あるだけで、物理スイッチはなく、エアコンやオーディオなどすべての操作をこのタッチディスプレイで行なうというものだった。
『モデルS』や『モデルX』といったモデルは、車両価格が1000万円以上と高額だったため、富裕層だけが反応したが、『モデル3』は「EVは高い」という常識を覆す価格設定で、一気にユーザーを増やすことに成功した。
一方、今年に入りヒョンデが日本市場に再上陸。いきなりEVの『IONIQ 5』を投入した。完成度が高く、一度乗るとクルマ造りの姿勢に驚かされるはずだ。今後、販売網やアフターセールスが整備されたら、台風の目になりそうだ。いよいよ、EVの仁義なき世界大戦が始まろうとしている。
テスラ
500万円を切った『モデル3』の導入でEVの裾野を拡大
『モデル S』
テスラのEV第1弾として『モデルS』を日本市場に導入したのは2014年。全長約5m、全幅約2mというボディーは欧州のフラッグシップセダンと同じサイズ。ラゲージスペースは車体の前後に確保している。インパネにはスイッチがほとんどなく、縦型ディスプレイでエアコンやオーディオなどほとんどの操作を行なうのが特徴。
リアのラゲージルームにはオプションで3列シートも用意。
他社のクルマと大きく違うのはインテリアに物理スイッチがないこと。
『モデル3』
2019年に日本市場に導入されたテスラのエントリーモデル『モデル3』。『モデルS』や『モデルX』と比べると、新車価格は500万円以下と安くなっており、EVの普及に大きく貢献している。後輪駆動の「スタンダードプラス」とAWDの「ロングレンジ/パフォーマンス」を用意。インテリアはタブレッドのような横長のディスプレイを採用、スイッチ類はほとんどない。
航続距離に大きく影響するため、空力性能を強化したボディーを採用。
タブレットのような横長の大型ディスプレイでほとんどの操作を行なう。
『モデル X』
2016年に導入された『モデルX』はSUV初のEVモデルとして注目を集めた。リアの左右ドアが真上に跳ね上がるように開くファルコンウイングが特徴。乗車定員は2列シート5人に加え、オプションで3列シート7人乗りを選択可能。フロントとリアにモーターを搭載、駆動方式は4WDを採用している。車重は2tを超えるが、スポーツカー並みの加速性能を発揮する。
フロントはヒンジ式だが、リアは上方へ上がるファルコンドアを採用。
2列シート5人乗りのほか7人乗りを選ぶことができる。
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