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コロナ禍の影響で空室率が上昇している原宿に6店舗目をオープンしたゴールドウインの出店戦略

2022.07.05

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

原宿の街と共に歩んだ「THE NORTH FACE」の歴史

ゴールドウインが展開するブランド「THE NORTH FACE」は、原宿エリアに6 店舗目となる新店舗「THE NORTH FACE Sphere(ザ・ノース・フェイス・スフィア)」をオープンした。

ゴールドウインは原宿に、ノース・フェイス6店舗と、「Goldwin Harajuku」、「HELLY HANSEN Harajuku」を含め8店舗を構える(下記黄色枠)。新店舗は「Goldwin Harajuku」と「THE NORTH FACE Mountain」の間にあり、「Goldwin Harajuku」から「THE NORTH FACE STANDARD」まで5店舗が並び、1棟置いて「THE NORTH FACE 3(march)」と、明治通り沿いには6店舗が軒を連ねる。

新店舗オープンにあたり、ゴールドウイン代表取締役社長 渡辺貴生氏が、原宿の街でノース・フェイスが歩んできた歴史や原宿にこだわり続けた理由、コロナ禍の影響で空室率が上がっている原宿にあえて6 店舗目をオープンした狙いなどを語った。

〇1983 年「WEATHER STATION」

1983 年に原宿竹下口に約17坪のリテイルショップ「WEATHER STATION」を開店。小売店とは違ったディストリビューターとしての役割を担うという背景もあり、アウトドアの店であることが伝わる店名にしたという。

ノース・フェイスを中心にフィルソン、ヘリー・ハンセンも扱っていた。パイロットショップという位置づけで、多く売ることを目的とせず、商品についての希望や質問など客の要望を聞き取り、ものづくりに反映するという役割を担っていた。

1993年にWEATHER STATIONが、現在のTHE NORTH FACE Mountainの場所に移転。約50坪と売場面積も倍以上に。この店のデザインを担当したのが渡辺社長だった。

「この時はまだブランド名を出せない状態で、目立つ場所にありながら、目立つ店舗にするなという意向があり、イメージ先行の店舗にしようと、ヨセミテ国立公園にある『アンセル アダムス ギャラリー』をイメージして作りました。竹下口の店舗と比べて5倍ほど売上が増えて、立地環境が変わるとこんなにも変化があるということを学ぶことができましたね」(渡辺氏)

〇2000年「THE NORTH FACE」

「THE NORTH FACE」の看板を初めて掲げた店舗。赤いボックスロゴで、アメリカナイズされたデザインを意識し、当時のアメリカのノース・フェイスショップと近い形に作られた。

「日本のスポーツマーケットは1997年から2002年ぐらいまでマイナス成長の時代が続いていました。その時代において、新しいことをやりたい、マーケット全体を活性化させたいと2000年に初めて『THE NORTH FACE』の看板を掲げました。グローバルなブランドという位置づけをしっかりと伝えて、ノース・フェイスのアイデンティティを日本の店にも反映させようという想いが店舗づくりにも表れています」(渡辺氏)

〇2010年「THE NORTH FACE STANDARD」

2010年に新業態の「THE NORTH FACE STANDARD」が誕生。若い社員から、都市生活者にノース・フェイスを伝える新しいスタイルを出したいと提案があり、アウトドアスタイルを街中で楽しめる、ストリートユーザー向けの商品を提案した。

「店名はアメリカの思想家で、デザイナー、建築家、発明家でもあるリチャード・バックミンスター・フラーの言葉“STANDARD OF LIVING PACKAGE”からネーミングしました。世の中の標準を捉えつつ我々のスタイルでものづくりをするということで、店内の具材も段ボールやホームセンターで入手できるようなもので作られ、身近にあるものでもきちんとした形のものができるという意味も含めてデザイン提案をしました」(渡辺氏)

〇2011年「THE NORTH FACE 3」

2011年3月3日の桃の節句にオープンした女性向けショップ「THE NORTH FACE 3(march)」。友達と一緒におしゃべりをしながらいろいろな商品を試したり、比べたりしながら、買い物自体を楽しむことが多い女性に向けて作られた店舗。インテリアもやわらかな風合いで、什器も軽いものを使いナチュラルな雰囲気の店舗に。

〇2014年「THE NORTH FACE Kids」

2014年にキャットストリートにできた「THE NORTH FACE Kids」。ノース・フェイスを愛用している若い人たちが子どもを持つ世代になり、子どもと一緒に自然の中で体験する面白さを知ることで、アウトドアに興味を持ってもらいたいという想いから子ども用品の店を出店。

〇2019年「THE NORTH FACE Alter」

10~20代の若い世代に、自然と共生する価値のある生き方を知ってもらいたいと、テクノロジーと自然の共存をテーマにした店舗をオープン。

「アメリカではリーマンショック以降、日本でも東日本大震災以降、人々の考え方が大きく変わり、身近な生活を大切にしようという気運が生まれました。そうした背景も含めAlterではノース・フェイスのデザインのこだわりや汎用性、アウトドア商品の持つユニークさを  伝えています。店内には2メータードームのテントを張って、アウトドアに興味を持って身近に感じてもらえる店舗にしています」(渡辺氏)

「創業者のハップ・クロップは、古くからあるコーポレート・アメリカではなく、若い人たちの考え方を表現するブランドになりたいと考えて、アウトドアメーカーとしてのノース・フェイスを作りました。日本におけるノース・フェイス初出店となる1983年のWEATHER STATIONを作った当時の方々は、なぜ原宿を選んだのでしょうか。

私も高校時代は代々木公園でスケートボードに乗って遊んでいました。原宿はいろいろな人が集まってくる、新宿、渋谷、青山とも異なるカルチャーを持った街で、新しいファッションやアイディアが生まれる場所。原宿の街やそこに集まる人々は個性があります。ノース・フェイスの価値観を共有できる街こそが原宿であると考えたのだと思います。

お客様の意識、志向性を広げていこうと原宿で一つ一つの店を作って来ました。本来は大きな店がひとつあれば全商品を見せられますが、一つ一つの店の個性を作ることによって、原宿の街に来る人々に、ノース・フェイスの多様性、ユニークさ、デザインの面白さを発見してもらいたいと思っています。

ゴールドウインと原宿は親和性があると思っています。原宿のカルチャーを大切にして、その土地に根を張って歩んできた経験を生かして、新店舗も多様性やカルチャーを発信していける場所にしたいと考えています」(渡辺氏)

コロナ禍の影響を受けている原宿で新店舗をオープンした理由とは

2022年にオープンした新店舗がアスレチックをテーマにした「THE NORTH FACE Sphere」。コロナの影響を受けている原宿で新店舗をオープンした理由について渡辺社長はこう話す。

「40年近く原宿で商売をさせていただいていますが、ほとんどの店舗は借りている物件です。しっかり土地に根を生やしていこうと新店舗は購入を決めました。Sphere の物件購入が決定したのはコロナ前の2019年末。計画を進めていく中で次第にコロナが世界を席巻していきましたが、コロナが長引いても計画を進めることに迷いはありませんでした。

2020年4月にイタリア版『VOGUE』が真っ白な表紙を出しました。パンデミックの状況で、医療従事者の献身的な仕事ぶりに感動を覚えましたが、白い表紙は医療従事者の方々のユニフォームを想起させます。同時に、もう一度ゼロから始める『再生』という言葉が、表紙を見た瞬間に頭に浮かびました。

原宿には世界中から多くの若者が訪れ、直近では半数近くの売上がインバウンドのお客様でした。しかし原宿の街に若者が来なくなった。これから先の世界をどう作るべきなのか考えたときに、計画を止めずに進めるべきだと考え、ノース・フェイスにとっては未知のカテゴリーであるアスレチックをテーマに、新しいビジネスモデルとして展開しようと思ったのです。

逆風の時にあえて出店を計画したのではなく、偶然、時期がコロナ禍に重なってしまったわけですが、結果的にそれが試練となり、乗り越えられたことで新しいものが生まれてきたと思っています。

この2年半新型コロナによって世界中が厳しい状況になりました。しかし時間が流れていくもので、取り巻く環境も変わり、今後はさらに助け合いながら生きていく時代になっていくと思います。我々が40年近く原宿という場所で学んできたことを体現したのがSphere。再生のひとつのきっかけになって多くの人が再び原宿に戻ってきて、新しいカルチャーを発信していくことを願っています」

【AJの読み】原宿にこだわり続けるTHE NORTH FACE新店は製品も建物もサステナブル

ゴールドウインの2021年3月期決算実績は、密な場を避けたアクティビティとしてアウトドア関連商材の売上が大きく伸長し、アウトドア関連事業の売上高は、前期を上回り過去最高を達成。売上高は前期比9割超に回復した。アスレチック関連事業に復調の兆しがあることも後押しになり、原宿で6店舗目になるスポーツカテゴリーのノース・フェイス新店をオープンした。

昨年5月に発表した、中期 5カ年経営計画「PLAY EARTH 2030」では、「事業におけるサステナビリティ」と「環境におけるサステナビリティ」の2本を掲げている。

新店舗の「THE NORTH FACE Sphere」は、ゴールドウインとして初めて設計、建築から参画したサステナブルなビル一棟型新店舗で、スポーツ領域製品のアスレチックカテゴリーを取り扱い、製品(2022 年春夏製品)の87%が「環境配慮型製品」という環境や資源に配慮した店舗展開になっている。

「製品から製品へのリサイクル」をコンセプトとした循環型アップサイクルプロジェクト「EXPLORE SOURCE」を採用した、ロングスリーブ、ショートスリーブTシャツを原宿店オリジナルで展開。

不要になったウエアを店舗で回収し(他ブランドでもOK)、再資源化した糸を採用した、環境に配慮する資源循環型アイテムで、肌触りが良く皮膚への刺激が少ないオーガニックコットンを掛け合わせ、日常やアクティブシーンでもストレスなく着用できる。

特殊な断面糸を使用したリサイクルナイロンの「PERTEX(R) Quantum DIAMONDFUSE」を採用し、軽量性だけでなく耐摩耗性を向上させ、製品のロングライフを実現したウィンドシェルフーディとウィンドシェルパンツはSphere限定商品。

建物自体も環境に配慮した仕様になっており、柱や壁をより薄くすることで建築全体の軽量化を実現し、建築資材の削減に成功。外光を大きく取り入れると同時に、空気を効率的に動かすことが可能な吹き抜け構造、断熱や紫外線のカットに優れたLow-E複層ガラスや外壁や屋根には断熱性能に優れたALC(気泡コンクリート)パネル採用などにより、消費電力を削減する設計になっており、建築物の省エネ性能を評価する「BELS」において二つ星を獲得している。

文/阿部純子


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